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C-Memories  作者: 涼平風月
第1章  再会
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第4話  週末の憂鬱

 雨は昨日の夜には止んでいたが、空気はどこか、ジメジメとしている。

 …………




 …………

 2秒ほどで、脳を起こしたのち、3秒ほど、絶望を身に覚えた。

 しまった!!

 急いで、自動パワーセーブモードになっていたパソコンを起動させる。

 画面には、『GAME OVER』の文字が。

 昨日、あの時、ネトゲをしていたのだ。

 すっかり忘れて、彼女の訳の分からないことに付き合ってしまった。


 でも、それよりも昨日の三串さんの言動について、再び疑問を抱いた。

 昨日も、今日も、明日も、彼女に会えるはずだし、会ったのだが、何か本能的に嫌な予感がする。

 まぁ、予感なんて当たったこともないから、心配はいらない。



 始業のチャイムまで、あと3分。

 昨日の席替えで、隣になった三串さんの席の引き出しは、まだ空っぽだ。

 フラグがわかりやす過ぎたのか?

 と少し心配したが、それから時計の秒針がちょうど1周した頃に、彼女は現れた。


 「おっはー!!」

 昨日のことを、引きずっている様子はなく、どちらかと言えば、昨日の朝よりハイテンションかもだ。

 「お、おっはー……」


 ただ、それ以上の会話を交わすことはなく、午前授業を終えた。




 午前授業は嬉しいとは思うけど、それなりに暇なんだよな。

 平日の午後は情報番組しかやってない。

 暇つぶしのプロなら、どんなことをするのだろう。

 


***

 一定の間隔で、流れてゆく。

 自然の鼓動を感じる。

 そこは、美しい緑に囲まれている。

 木々をかき分けていくと、その先には人間がつくりだした町並みがある。

 人間の緑とコンクリートを調和させる技術は、未来に私たちが存在したことを残すためかもしれない。

***




 西日特有の眩しさ。

 寝ていたことを理解するのに、そう時間はかからなかった。

 胃が悲鳴を上げていたからだ。

 これほどまで、空腹に襲われたのは、いつ以来か。

 最後の力を振り絞り、キッチンに向かう。

 空っぽ……。

 僕の努力は水の泡だ。

 一人暮らしにはあるあるだが、冷蔵庫にはパックジュース、冷凍庫にはいつのものかわからない冷凍された白米しか入っていない。

 いつも適当にコンビニでおにぎりでも買っているからこうなるんだ。

 だが、わざわざ高い家賃を払ってでも、駅前に住んでいる者の救いは1つだ。

 それは、生活する上で必要な物を、徒歩圏内でほぼ手に入れることができるということだ。

 我らが聖地コンビニへ、いざ参る!!



 「ありゃしたー」


 ツナマヨ、かつお、こんぶ、さけ、塩のおにぎり。

 2Lの炭酸ジュース。

 板チョコ。

 これだけあれば、今日はなんとかなる。

 偏食だろうが、変食だろうが、そんなこと気にしてられない。

 死にそうなのだ。

 ひとまず、板チョコの包みを開封。

 これで、あと3時間18分10秒くらいもってくれる。

 

 ショートカット。

 そこの公園を横切ったほうが近道だ。

 それにしても、気持ちのよい日差しだ。

 気温は、だいぶ春らしくなった。

 桜ももう少しで開花といったところか。

 少し、日向ぼっこでもしていこう。

 薄暗い部屋で、じっとしているのも体に良くない。

 ベンチに腰掛け、ボーっとするだけでも、何か全てを忘れられそうだ。

 



 ムクッ。

 足に重みを感じる。

 足元が何だか、温かい。

 そこには、一匹のネコがいた。

 灰色のネコだ。

 野良ネコにしては、随分毛並みが綺麗で、人に飼われているペットとして考えても、見劣りする点はなかった。

 そして、人に怯えない。

 僕が、手にしているチョコレートに反応したのだろうか。


 僕は、ネコが可愛くて仕方がないのだ。

 しかし、何故か、ネコを見るとモヤモヤが沸いてくる。

 

 ネコも飼いたいくらいなのだが、一人暮らしで、何せお金がない。

 野良ネコにも、いつもついつい餌付けをしてしまう。

 僕は、チョコレートをひとかけら割って、この毛深いネコにやった。


 その時、子猫のような可愛い鳴き声が、近くから聞こえた。

 一匹だけではない。

 おそらく数匹いる。

 音の発生源は、ベンチの裏の木の後ろだ。

 覗くとそこには、子猫が6匹、ダンボールに入れられて捨てられている。

 まさか、本当にそんなことをする人がいるんだ。

 完全に、捨て猫や、捨て犬の問題は他人事だと思っていた。

 人生の中で、こんな場面に遭遇することは想定していなかった。

 引き取ってやりたい気持ちは、大いにある。

 一応、マンションはペットを飼うことを禁止していない。

 しかし、子猫の餌だったりのお金がかかる。


 僕を、見る子猫の目は、見捨てないでと訴えかけているようで、良心に突き刺さる。

 そんな、かわいい眼差しを向けられても、どうしようもないだろ……。

 

 !!! 待ってぇーーー !!!


 ???   なんだ   ???

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