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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第六章 Level『禁忌』
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Mission71.Their strategy meeting(彼らの作戦会議)



立った少女、ソラに全員の視線が集まる。先輩である妃翠と後方支援支部長は一瞬、頭を抱えた。


「何か意見があるのー?」

「はい。その作戦では確実にこちらが負けます」


本部が作成した作戦を負けると言い切った。それに国彦も全員、驚いた。本部長や幹部達は予想済みとでも言うように何も言わない。人物の反対側に立つ双子がソラを睨んでいる。本部長が人物に言わせろと指示を出す。人物は頷き、ソラに「何故?」と問った。本部長がざわめく空間を静める。聞いてみよう、と本部長は動作で全員に言う。ソラは静まった空間に声を張り上げた。


「はい、では言わせていただきます!先程の作戦、後方支援は良い案です。しかし、中に投入する部隊数は最低でも6つ必要です」

「理由は?」

「先程、仰られた通り、『禁忌』は6つで、一つはこちら側にありますが残り5つは強敵と云うレベルを越えるほどの強敵である事が予想されます。つまり、戦闘支部最強の第五部隊が第八部隊を伴って行ったとしても負ける可能性があります」


次々と展開される過程に目が回る。人物がそのままソラに続けるよう促す。


「じゃあ、君の作戦は?」


ソラは「はい」と笑った。ソラの先輩の妃翠や後方支援支部長も小さく、これからの彼女の恐らく"究極"作戦に思いを馳せて笑った。


「はい。後方支援はそのままに、他を変更します。政府の軍隊は確か戦車を持っていたはずです。政府にも協力を仰ぐことで後方支援は守りの鉄壁にもなります。次にお社前の『忌鬼』及び『アラーヴァ』の大群についての対策ですが防衛部隊を4つに分け、そのうち2つと戦闘支部5つを最前線に配置します。その計7つは防御力か攻撃力が強い部隊がいいですね。中に入るのは残り防衛部隊2つと戦闘支部6つです。中に入るのはバランスチームが適切です。そして全員『神譜かみうた』の発動。これにより、こちらの勝率は先程の倍近くまで上がります。如何でしょう?」


そこまで考えてたのあの短期間に?!ある意味そっちの方に驚いた人が多かったらしい。「すげぇな!」と云う彼女を褒め称える声が各場所から上がっている。と、本部長がパチパチと手を叩き、立ち上がった。そしてソラがいる方向を振り返る。


「お見事。本部こちらで作成していた本命と同じだ」

『え』


その言葉に全員が固まった。作成していた?つまり、それって……


「知ってて…聞いたんですか…?」

「へへーそうだよー」


人物が満足そうに笑って言う。つまり、試された。ソラは一気に脱力感が増し、寄りかかるように座りこんだ。よく本部は支部を公の場で試したりするが、後方支援支部こっちに回ってくるとは思わなかった。

本部長が「さて、」と全員を見る。全員が姿勢を正す。


「先程の作戦で『禁忌』との闘い、『大戦』に挑む。諸君、準備はいいかい?」


いいに、決まっているではないか


「やってやるかぁああ!」

「全滅させるわよーー!!」

「いつでも大丈夫です!」

「医療支部もいつでもどうぞ!」

〈新たな歴史の幕開けにはちょうどいい〉

〈斬ったるぜ!〉

〈任せなって!〉


様々な声が、想いが、雄叫びがこだまする。本部長は満足そうに、誇らしげに笑うと「聞け!!」と一旦、静め、付け足した。


「構成はあとから隊長経由で知らせる。『大戦』は明後日明朝より開始。諸君、暫し休息し」





「人間と神様の力を見せつけてやれ!」

『おおおおおお!!!』


雄叫びが空間を支配する中、国彦は思い立ったように壱華にあるお願い事をした。


「壱華さん、あのさーーー」


**


灯茉は空中からその光景を見ながら腕を組んだ。それに同じく空中を漂っていた緋暮が〈〈どうかしたの~?〉〉と彼に問った。ただいま2人の真下の稽古場では2振りになった大脇差を壱華相手に振り回す国彦とその近くで声援を送る光希と竜胆華丸、観戦中の千聖がいる。

国彦は長年、大太刀を使っていたために大脇差は慣れていないのかさっきから壱華の短剣に振り回されている。


〈〈ねぇ、灯茉さん〉〉

〈?!…な、なんじゃ〉


緋暮に突然、名を呼ばれ灯茉が驚いたように一度彼を見ると冷静を取り戻した様子でまた2人の稽古を見下ろす。緋暮はまだらもようのマフラーを指先で弄りつつ、言った。


〈〈"憑依"でさ、どうせ簡単に使えるのに練習する必要ってあるの?〉〉

〈それはのぉ、国彦の性格じゃよ〉

〈〈性格ぅ~?〉〉


緋暮が首を傾げる。灯茉は緋暮の様子にクスクスと口元を袖口に隠して笑う。


〈国彦はそう言うのが嫌いじゃからのぉ。足手まといになりたくないんじゃよ〉

〈〈ふぅ~ん。人ってやっぱ、ふっしぎ~〉〉


緋暮は不思議そうにしつつも楽しそうに笑った。

一方、国彦は壱華の短剣の二刀流に苦戦していた。今まで大太刀を操っていたためその動作が体に染み込んでいる。が今現在、扱っているのは長さが短くなった大脇差。当てようと思った攻撃も外し、しまいには重さに慣れず、軽すぎて振り回されてしまう。だから国彦は短剣を扱う壱華に頼んだのだ。


〈……国彦様、少々御休みになられては?我が主も気にかけています〉


純白の短剣になっていたシルクが猫の姿に戻り、壱華の肩に乗りながら心配そうに言う。壱華も心配そうな顔だ。それに国彦は額から流れ落ちた汗を手の甲で拭い、大丈夫だと笑ってみせた。


「みんなの足手まといにはなりたくないもん。もう少しお願いできる?」

〈国彦様…〉


国彦のやる気と言うか思いと言うかそう言うのを聞き、壱華とシルクは戸惑う。国彦が言っている事を進めたいのはやまやまだが国彦自身が疲れきっている。これ以上稽古したらそれこそ『大戦』時は足手まといになる。


〈あの、兄様〉

「「ん?兄様?」」

〈あ…〉


竜胆華丸が何か言おうと口を開いたが間違えたらしく顔を真っ赤にした。偶然だが少々、ほっこりとした気分に国彦はなった。頭上から〈〈大将様が言い間違えたー!〉〉と緋暮がからかうように言っている。それに竜胆華丸はうるさいとでも言うように手を振った。竜胆華丸は国彦の方へと慌ててやってくる。


〈無理はよくありません。あと、素手で攻撃する要領でやってみてはどうですか?〉

「素手で、やる要領…」


竜胆華丸に言われて国彦は手中にある2振りの大脇差を見る。そして、うん、と頷くと壱華を見上げた。


「壱華さん!あと一回だけ!あと一回だけで休むから!」


それに壱華がコクリと頷き、2本の短剣へと再び姿を変えたシルクを構える。竜胆華丸がそそくさと定位置に戻る、と光希に早速、「さっきのどういう事~?」と言われた。国彦は深呼吸をし、2振りの大脇差を構える。そして、両者、相手に向かって跳躍した。


左の短剣を国彦に向かって一線される。それを国彦は紙一重で右にかわすと"彦丸"の、右の大脇差を振った。壱華は右の短剣でそれを防ぎ、弾くと2本同時に横に振った。が、目の前の状況に目を見開いた。国彦が、目の前からいなくなっていたから。


「っ?」


壱華が急いで後退しようとする。とその前にいなくなったはずの国彦が姿を現した。どうやらしゃがんでいたらしく、それで突然いなくなったように見えたらしい。先程よりも動きが素早い。コツを掴んだか、それとも素手で攻撃する要領というものを掴んだか…

国彦がそのまま、壱華の腹に肘で攻撃する。壱華の腹に国彦の一撃が加わる。壱華が態勢を立て直そうと痛む腹を押さえて後退する。がそこに追撃をするためか国彦が跳躍し、蹴りを放つ。空中で一回転して壱華は回避する。2本の短剣を構え直し、再び跳躍した。ガキンッと刃が交差する。と、国彦が"灯丸"、左の大脇差を交差している中から外し、突き刺した。防ぐ。壱華がそう思ったその時、突然、壱華の顔面向けて回し蹴りが襲った。驚いたように顔を後ろに背ける壱華の足元がグラリと揺れた。壱華が横目で足元を見ると素早い動きで国彦が自分の足を刈っていた。受け身を取る暇なく倒れ込んだ壱華の首に大脇差の切っ先が向けられた。肩で息をしながら国彦は壱華を見て、その後、頭上を漂う灯茉を見上げた。国彦の素早い攻撃ぶりに彼はにっこりと笑った。国彦も笑って頷く。国彦は大脇差をしまい、壱華を助け起こす。壱華がお見事、と言うように手を叩く。国彦が礼を言い、同じく拍手を送る竜胆華丸達を振り返った。


「リィ、ありがと!」


それに竜胆華丸は嬉しそうに笑った。


今回はプロフィールなしですー

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