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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第四章 異変の歌声
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Mission47.鬼眼の目覚め




何が起きた?


全員の思いが別の事で一つになった。裏切り者と言われても可笑しくない男、ムランでさえも。


全てが動きを止めた。ただ一人を除いて。

様々な感情がそのまま一人に向けられる。その一人は悠然とその感情を、視線を受け流す。いつの間にか浴びた返り血で染まった顔で一人は、ゆっくり口を開いた。


「こんな小物ひとつも倒せぬとは…神も落ちたものよ…おっと、自分で自分を陥れてしまっておった」


クスクスと控えめに、それでいて何かを秘めたような笑い方。「小物」とは憎悪を纏うムランの事だろうか。仮にも見ただけで『禁忌』、もしくは『忌鬼』に身を喰らわせている元人間を「小物」?


一人は手にした自身の身長を遥かに追い越す大太刀を軽々と一線し


「さて、そろそろ片付けなければならぬの」


クスリと嗤った。その笑みはオモチャを貰った幼子のようだった。

一人は腹に出来た傷を一撫でした。すると傷はどうやったのか止血された。


千聖と亜矢都はどう反応して良いか分からなかった。目の前から“消えた”のは一人。そして、“現れた”のは一人。それから導き出される答えは


「……国彦、か?それとも、灯茉、か?」


『神譜』による能力。

千聖が震える声で一人に聞くと青年は嬉しそうににっこりと微笑んだ。両耳につけられた、2つのひし形が連なった青色のイヤリング。国彦と灯茉の契約の証であるイヤリングが青年が笑うと同時に揺れ動く。


「どちらだと、思うかの?」

「っ」


漂う雰囲気は国彦、口調は灯茉。どちらだと聞かれても困る。青年はクスクスと控えめに笑う。碧の瞳が千聖を射抜く。


「予想通り、これは『神譜』の効果。神の間では“憑依”と呼ばれておるそうじゃ。ふふ、久しいのぉ“憑依これ”をやるのは。それに久しい“憑依これ”……いや、神の名を借りた人間が『禁忌』に堕ちた者と闘うとは……結末は目に見えておるがのぉ」


青年は愉快そうに笑い、大太刀をまた一振り。固まっていた全員が全員、ようやっと動きを取り戻す。そして次第に闘いを再開し始める。小乃刃は国彦の変化に驚愕し、一人笑った。そして、武器を構え、別の『忌鬼』の元へと駆けた。自分の役目は一旦終了。あとは、彼らの闘いだ。


「それでは、援護は任せたぞ?」

「っ、嗚呼。任せろ!」


青年、ー国彦の姿なので国彦と呼ぶーは千聖にそう言う。千聖は驚きつつも大斧を担ぎ、力強く頷く。敵である男がギリギリと憎らしそうに国彦を睨みつける。それを軽くいなし、両者は大きく跳躍した。が、国彦の速さは異常だった。


〈〈「「?!」」〉〉

「何をそんなに驚いておる?」


同時に跳躍したはずなのに、距離は十分あったはずなのに、国彦はたった一歩で男の真ん前に躍り出ていた。国彦は男に向かって右足を振り上げた。男はかろうじて仰け反ってかわすと手に持つ刃物を突き刺した。それを上へ跳躍してかわすと国彦は、少し距離がある中、大太刀を振った。チャンス。男は瞬時にそう思い、足を大きく踏み出した。国彦の大太刀の切っ先が男を捉えきれずに空を切る。男が国彦に向かって跳躍しようとした時、背後に気配を感じ、一つだけ残った紅く染まった刃物を背後の気配に向かって攻撃させた。


〈あら、残念〉

〈〈「「?!」」〉〉


紅く染まった刃物が消える感覚と自分の背中に走る痛み。男はここに来て初めて大きく顔を歪ませた。男は国彦がこちらに攻撃してこないのを横目で確認し、背後の気配に刃物を振った。ガキンッと音がして刃物同士が交わる。背後にいたのは千聖だった。千聖は男の刃物を弾き飛ばすと回し蹴りを放つ。男は弾かれた反動で蹴りを腹にもろに受け、吹っ飛ばされた。背中と首元から流れる血によって行動速度が落ちている。男は地面に足をつけて速度を落とし、憎しみがこもった目で刃物を再び構えた。千聖が助走をつけて大斧を振り下ろす。力強い一撃を耐え、男は千聖を武器共々、弾き飛ばした。ふらつきながら後退する千聖に向かって男が刃物を振ろうとした、


「お生憎と、読めてるのでな」


がその千聖の横をすり抜けて国彦が男の手首に向かって蹴りを放つ。当然の事ながら、反応を返せなかった男の手から刃物が飛び出す。男は理解した。罠か。

国彦は男の足を刈る。男が仰向けに倒れ込む寸前に大太刀を素早く振り回し、攻撃する。倒れ込んだ男の右腕に容赦なく大太刀を突き刺した。


〈〈「「グア?!」」〉〉

「国彦…やりすぎじゃ?」


千聖が後ろからそう国彦に声をかける。千聖も黙ってしまった亜矢都もなんとなくだが気づいていた。

国彦は千聖を振り返ると小さく、悲しげに笑った。その意味を一瞬理解出来なかった千聖。と、男が無理矢理、大太刀の下から這い出た。無理矢理出てきたため、右腕から流血が酷く、所々、白い骨や肉が見えている気がする。グロい。

男は痛みに息を荒くしながら言う。


〈〈「「………カミサマノチカラヲ横取リシ、使ウトハ………アノトキ二コロセバ…………今、コロシテヤーー」」〉〉


突然、男の言葉が途切れた。国彦も千聖もその光景に目を見開く。だって男の胸から刃物が突き出ていたのだから。男は口元から血を流しながら訝しげに刃物を見やる。なんだこれは。なんだこれは!!

困惑する彼らに別の困惑が降りかかった。












〈〈なぁ〜んだ、面白くないなぁ〜〉〉











1話の奴、回収…!

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