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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第四章 異変の歌声
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Mission40. 呪詛回避対策

あれー?イツノマニカヨンジュウイッテルーアレー?(棒読み)←



「仕事だぞ………狐幸こゆき!」

〈承知致しました、我が君〉


管狐の刀から美しい月光が波紋を広げて放出される。その波紋は呪詛である黒い靄を少し後退させたが完全には消し去っていない。危険はまだ目の前だ。次の一手が来ないと踏んだ呪詛は再び、彼らに向かって進行を開始する。


〈我が君とそのご友人に触れる事は、この狐幸こゆきめが許しは致しませぬ〉


再び、波紋が放出され、呪詛を後退させる。管狐は流れるような動作で刀を水平に持ち、片手を刃に軽く置いた。


「皆、頭下げろ」

「う、え」

「いいから下げろって」


管狐の指示に国彦が戸惑っていると千聖が彼の頭を掴んで下げさせた。全員が頭を下げたのを横目で確認し、美しい月光を放つ刀とその視線の先に移る呪詛を見やった。


「始めるぞ」

〈承知致しました〉


フゥ…と管狐は深呼吸をすると言葉を紡ぐ。


「‘ ‘ 悪しき祈りを祓え’ ’」


ズバッと刀を振った。刀から放たれ月光と一線が呪詛を襲う。呪詛はその一撃で呪詛は浄化されて行く。しかし、一撃の範囲は狭い。全ては浄化しきれないので生き残った呪詛が浄化された靄の間を縫って第十部隊に襲いかかろうとする。


「よっしゃぁあ!!管狐!そのままもう一回…」


西珠が呪詛が浄化された事に大いに喜び、管狐にそう指示する。が彼は刀を支えに膝をついた。額からは汗が流れ落ちる。


「「狐 (さん)?!」」


国彦と千聖が管狐に声をかける。国彦が管狐を覗き込むと彼の顔は青ざめていた。それを一瞬にして国彦は理解した。


「狐さんがもう一回使うのは無理だよ!体力低下、多分、防御力も低下してますっ!」

〈一か八かの浄化こうげきだったのか…!〉


国彦の言葉に弥厳が顔を歪める。先程の管狐の言葉の意味を理解した。多分、いや、確実に管狐は二度目の浄化は出来ない。体力低下、防御力低下している状態で浄化を行なえば彼の身になにが起こるかは想像出来ない。

退路を立たれた。担当の言う通り、残った呪詛をどうにかしてやり過ごすしかない。


襲い来る呪詛に無意味ではあるが灯茉と千聖、螢が攻撃する。やはり無意味で当たることはなく、少々後退しただけだった。国彦と西珠がもはや動けない管狐を両側から支え、後ろに下がる。管狐の臣下であろう声も途絶えた。さっきまでの威勢はどうなった。


「おめぇら!兎に角、武器を振ってろ!後退させるだけさせとけ!」

「それ、いくらなんでも限界があるよぉ…」


国彦が西珠の指示にそう弱々しく返す。武器を振っているだけでは明らかに限界がある。その限界が来る前に他の部隊が来てくれる事を祈るしかない。

と、その時、優しい中性的な声が響いた。


〈心配には及びませぬ。此処までは……予想通りでございますので〉

「………嗚呼、そうだな……狐幸」


今にも倒れそうな管狐の口元が笑みを浮かべる。聞こえて来た声は管狐の臣下。何が、心配には及ばない、だろうか。


〈ええ、我が君。これも、対策のうちでございます♪〉


笑う声が緊迫する空間に響き渡る。西珠がどういうことだ、と管狐を覗き込むと彼は今に分かる、と笑ってみせた。


「………そろ、そろ…かな」

「何が?」

【防衛部隊が到着した!!】

『?!』


担当の声に全員が驚愕する。良かった、これで安心だ。気を抜いた一瞬の隙に呪詛が一斉に襲いかかった。


〈ほぉうら、作戦通りでございましょう。後は任せましたよ、長谷部わがおとうと


ーガンッッッッ!!!ー


重たい音が突然、第十部隊の目の前からした。そこには大きな盾を展開させた戦闘支部防衛部隊・副隊長の臣下、長谷部と他数名の防衛隊員がいた。どうやって目の前に現れたのかは容易に想像がついた。彼らの足元に展開された『神譜』の瞬間移動陣。誰かの『神譜』を使い、瞬間移動して来たのだろう。緊急事態なんて言い訳だけども使ってくれた人、ありがとう。


国彦が驚愕のあまり目を見開く。残った呪詛は突然現れた者達に臆することなく、襲いかかった。


〈守護陣、発動。めい、浄化〉


ブワッと大きな盾、大盾から管狐の刀から放出されたのと同じ、美しい月光が放たれた。それは先程よりも広範囲。ヤバイと感じた呪詛をみるみるうちに追い詰め、いとも簡単に消滅させてしまった。


〈………此れで良いだろう〉


大盾を消しながら長谷部は誰に言うわけでもなく呟いた。

その後、第十部隊は防衛部隊に保護されながら帰還した。呪詛を真に受けたわけではないが一応のため、検査された。そして医療支部の治療も受けた後、彼らは事の顛末を聞かされたのだ。


**


浄化と云う攻撃を規定の範囲以上に広げて行い、戦闘終了直後にやったため…など様々な理由が重なり、管狐は一時的に立つのが困難になった。そのため、車椅子でその後ろには千聖の担当医から第十部隊の担当医になった朝陽が立っている。

全員がいるのは後方支援支部の小会議室。長テーブルを囲んで座った彼らの目の前のテーブルには戦況状況担当及び、この騒動に気づいた担当とその上司、後方支援支部長が座っていた。


「………第十部隊の隊員の怪我の状態は…」

〈担当医になった俺に言わせてもらえば、管狐以外は擦り傷のみ。明日には管狐の足も治ると予想される〉


心配そうに、オロオロとした様子で上司が問えば、車椅子の後ろに立っていた朝陽が安心させるように言った。それにそこにいる全員が全員、ホッと胸を撫で下ろした。


「で、早速で悪りぃが状況の説明頼めるか?」


西珠がそう言うと後方支援支部長はこくりと頷き、担当に目配せした。担当はゆっくりと立ち上がると大きく息を吸い込む。此処は、戦場じゃないかもしれない。けれど、報告これだって大事な戦果だ。


「あ、妃翠ひすいちゃん」

「螢ちゃん、大丈夫か?」

「うん、ボクは大丈夫だよ」


担当と螢は知り合いのようでお互いを労わる。担当ははにかんで自身の緊張をほぐすと目の前に置いていたノートパソコンの画面を彼らに向けて見せた。全員が身を乗り出す。ノートパソコンには第十部隊が受け取った任務の内容が表示されていた。任務内容それを実際に見た西珠と螢は「これがどうした?」と首を傾げた。担当はノートパソコンの画面を示しながら話し出す。


「本日、本部からオペレーター部隊、そして第十部隊に送られた任務内容です」


業務用の敬語を使い、担当は話す。画面には“近頃、『忌鬼』が増えているので討伐して欲しい”と書かれたファイルと差出人欄には“かない”と書かれている。


「……それがどうかしたのか?」

「普通の内容っぽいけど?」


千聖と国彦がそう漏らすと担当は「そう見えるよな」と苦笑いした。そして、次の言葉に彼らは驚愕する事となった。


「この任務内容、改竄されています」


管狐の臣下の名前に狐入れるって決めてたんで!

いつかキャラクター表入れたいです

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