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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第三章 蠢く気配
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Mission35.緊急会議


大きな円卓を囲んで座る全支部長と全部隊隊長(+メンバー1名)、本部長、幹部数名。そして、組織内ではあまり見ない勲章を胸に飾る者数名とその者達に守られるように座る人物。


少し大きめに作られたこの部屋、大会議室が少し蒸し暑く、狭く感じるほどに人が大勢いた。

戦闘支部第十部隊『神樂』隊長・西珠は管狐と共に出席していた。その目に青い顔をした小乃刃が写った。具合が悪いのだろうか?遠くて定かではないが今度、教え子である国彦と千聖の様子を教えるついでに酒に誘ってみようかと西珠は呑気に考えていた。


ザワザワする彼らに本部長が静かに、と手を鳴らす。途端に静かになった空間に本部長の低い声が響く。


「これより緊急会議を始める。その前にご紹介するが、私達を集めた政府の方々がおいでになさっている。大丈夫だろうが無礼のないように。それでは先に、後方支援支部長、報告を」

「はい」


ガタッと後方支援支部長が本部長に呼ばれて立ち上がった。全員の視線が後方支援支部長に注がれる。


「数日前、『禁忌』を封じ込んでいたお社が何者かに破壊されると云う事が起きました」


ーザワッー


思いがけない事実に周囲が一気にざわめき立つ。

『禁忌』が逃げ出した?それでは世界は滅亡するのか?というか『禁忌』の正体は一体?どうするんだ?これから戦闘が激しくなるの?まだ死にたくはないなぁ。対策は?

いろんな憶測と感情、意見が交差する。本部長が再び、静かにするよう手を鳴らす。と、途端に静かになった。それほど彼らは本部長を信頼しているのだ。後方支援支部長は本部長に軽く頭を下げた後、報告を続けた。


「研究部隊によりますとお社の扉は中から破壊された傷と外から破壊された傷、両者があり、どちらが先かは全く見当がつかないそうです。現在、後方支援支部研究部隊と物資回収部隊、整備部隊と合同で調査に当たっています。尚、『禁忌』の正体が不明な以上、まだ逃げ出したと云う確証はありません。何か分かり次第、ご報告致します」

「ご苦労様」


本部長が労いの言葉をかけると後方支援支部長は軽く頭を下げて席についた。本部長は幹部数名と目配せした後、「続けます」と云う意味合いを込めて政府の方々を見やった。それに気づいた政府の方々の代表はこくりと頷いた。


「では次にもう噂になっている『忌鬼』について。戦闘支部長」

「了解致しました」


西珠の隣に陣取っていた戦闘支部長が立ち上がった。


「数日前、戦闘支部防衛部隊『玄武』と戦闘支部第十部隊『神樂』の合同任務中、『忌鬼』の群れが接近していると戦闘支部第五部隊『黄金帝龍』より通達がありました。第五部隊と第十部隊が『忌鬼』と戦闘致しましたところ、復活しました」


ーザワッッッ!!ー


噂でしか事情を知らなかった他の人々が再び、ざわめく。本部長がまた手を鳴らすと静まり返る。戦闘支部長はテーブルに置いている書類を手に持つと話の続きを始めた。


「その場にいた者達によりますと、一度目は何者かの凄まじい殺気を感じ、復活。二度目は男とも女ともわからない濁声が響き、復活。第十部隊の『神譜』を使うと云う案により三度目の正直、復活せずに倒す事が出来ました。『神譜』が復活を止めたのか、復活は二度までしか出来なかったのか、そこは不明です」

「それは、新種と云う事かな?」

「断定は出来ませんがその可能性は高いです」


戦闘支部長の答えに支部長は「分かった」と頷いた。

復活する新種(仮)の『忌鬼』。倒し方も不明の新たな脅威。『禁忌』が逃げ出したかもしれないこの事態と関係があるのだろうか?


「復活する『忌鬼』、か…」

「テキトーに呼ばれる前に名前付けちゃう?」

「こら2人共、政府のお偉いさんがいらっしゃるんだから私語は慎みなさい」

「「はーい/うへーい」」


本当、どうやってこいつら幹部になったんだろうと西珠は思った。上から順に全員幹部である。まぁ幹部も本部長と同じく信頼されているが。幹部数名の中には性格に難がある者が多い。特に先程の2人に注意した幹部が良い例である。


まあそれは置いといて


確かに適当に呼ばれるよりは名称があった方が良い。

本部長が同意するように頷き、戦闘支部長も幹部3人の会話にクスリと笑いながら頷いた。


「それが宜しいでしょう………では、『アラーヴァ』なんてどうでしょう?」

「うん、それを採用しよう。反対意見は?」


戦闘支部長の提案に本部長が同意し、他の者達にも賛同を求める。無言。賛同の意味だ。それに本部長は頷き、言った。


「では今後は『アラーヴァ』が出た場合、『神譜』を使用する、と云うことで一応の解決策としよう。それでは、政府の皆様、お帰り願います」

「なっ!?まだ会議は終わっていないだろう?!何故、我らだけ追い出そうとする?!」


本部長の決断に政府の方々が反発する。本部長は細めていた瞳を開くと低い声で言った。


「ここからは我々の、組織内に関係する事だ。政府あなたがたには一切関係のない事柄だ」

「っっ!貴様らを集め、組織させたのは我らだぞ?!蔑ろにする気か?!」

「だから?」

「っ?!」


本部長が首を傾げる。


政府あなたがたが集め、組織したにしても政府あなたがたがこちらに権限を全て与えた時点でこちらは独立しているんだ。政府あなたがたに全て指図される意味合いはない」

「…………民間人への公表はこちらでおこなう。そちらの“組織内”での話が終わったら公表内容を確認しよう。それで宜しいかな?」

「はい」

「では、我らはこれで」


代表者が長い沈黙から声を上げ、そう締めた。代表者が立ち上がって出て行くのに周りの者達が顔をしかめながら連れ立つ。

周りの者達がどう思っていようと代表者は微笑ましい限りだった。組織かれらは政府直属の軍隊でもなければか弱い民間人でもない。一つの目的のために手を取り、団結を深めた者達なのだ。ただ政府は人を提供したに過ぎないのだ。


政府の方々が出て行った後、本部長は立ち上がり、全員を見回した。何か始まる。全員がそう直感し、気を引き締めた。


「さて、話さなければならない事がある。ただし、これは万が一に備えての予測だ。本当は起こらない事を願っているが………皆、よく聞いておくように」


ちらりと見た小乃刃の表情は始まる前よりも凛々しかった。具合は良くなったようだ。

そして、本部長は低い声で告げた。


「数ヶ月の間に、『忌鬼』との大きな戦闘せんそうが起こる」


教官の出番が少ない。何故や←

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