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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第三章 蠢く気配
29/85

Mission29.気づき始める、動き始める

この頃、毎日のように投稿する理由ですが…書き溜めていた量が大変な量になった、というのが主な理由です



大きな円卓を囲むように座る者達。そこには国彦達の教官であった小乃刃もいた。ここには本部の幹部数名と本部長、支部長が集っている。今回の議会はいつも通り“『禁忌』について”だった。

下には知らされていない事実がある。脇差に微かに残っていた神が言ったのだ。〈『禁忌』は、人間と神の近くにいる〉、と。そして、もうひとつ、ある部隊が任務のために『禁忌』が封じられているお社に行った所、お社の扉が破壊されていたと云う。その任務に赴いた彼らには箝口令を敷いたが……此処は軍隊でない。いつその事実が知れ渡るかわからない。


「『禁忌』が逃げ出したと云う証拠は」

「扉が壊されていた、と云うことで発見した部隊の者達には危険だから帰還するよう指示を出しました。ので本当に逃げ出したかどうかははっきりと申し上げられません。現在、こちらの研究部隊を派遣し、調査中です」


本部長である者がそう、低い声で問うと後方支援支部長が淡々と説明した。

扉は壊されていた、もし本当に『禁忌』が逃げ出していたら……想像するだけでぞっとする。世界が滅亡するカウントダウンが今まさに動き出そうとしているのだから。


「例の脇差かみは」

「現在、契約を結べる者を探しておりますが微かにしか残っていないので今後はなんとも言えませんね。妥当なところではやはり、戦闘支部の者が良いかと」

「医療支部でも脇差そのこにも治療を施していますが契約を結べるほどの体力は残っていないかと思われます」


本部長の問いに答えた後方支援支部長の足りなかった部分を補うように医療支部長が声を上げる。補われて不愉快だったのが後方支援支部長が顔を顰めた。医療支部長がごめんねと軽く頭を下げると後方支援支部長はいいよと手を挙げて答えた。


「例の脇差かみについては引き続き、保護と治療を優先的に。契約は…まぁいたら考えると云うことで。その脇差かみが今のところ『禁忌』に一番近くまで接近したものとし、協力を仰ぐように」

「「了解」」


医療支部長と後方支援支部長が返事をするのを見届け、本部長は一度、幹部を見回した。その目には何が始まるのかと云う疑問が浮かんでいる。本部長は小乃刃に視線を移し、軽く頷いた。小乃刃は軽く本部長に頭を下げ、テーブルの下で握り締めていた書類をテーブルの上に静かに置いた。


「これはあくまで私の憶測だ。それを承知で聞いて欲しい」

「飛鳥ちゃんが本部会議ここに来てる時点で分かり切ってるのに。なぁ」


1人の幹部がそう言って全員に同意を求めた。全員が当たり前だと頷く。それは信頼。小乃刃を信頼しているという証だった。小乃刃はコクリと力強く頷く。


「実はーーーー」


そして小乃刃はその憶測を話し出した。


**


〈よし、退院だぜ。お大事に〉


医療支部の病院のカウンター前に立つ国彦と灯茉、千聖。千聖の手には大斧が握られている。カウンター内には資料を書き終えた朝陽がいる。

任務禁止令中は病室から出られなかった千聖だが国彦が呼んだ光希達と久しぶりにみんなでお茶会をした。彼らも心配していたが千聖が眠ってしまった初日に亜矢都に事情を聞くまで光希達にずっと「千聖が起きなかったらどうしよう?!」と国彦が言っていたことを聞き、そこまで心配してくれるいい友人を持ったなと思った。国彦は恥ずかしがっていたが。


「いろいろとありがとな」

〈いいんだよ、仕事だしな〉


笑って朝陽が言うと千聖も笑う。と朝陽がいるカウンター内に彼の兄弟が入って来、内にいた別の兄弟に声をかけた。


〈物なくなった…〉

〈補充してるのがあるからそれ使って〉

〈何処だっけ…?〉

〈〈自分でどうにかしろっっ!!〉〉


場所が分からない兄弟は他の兄弟にそう言われ、〈えー〉と顔を顰め、違う場所に向かって歩いて行った。それを見た国彦が微笑ましそうに笑い、朝陽が恥ずかしそうに頬をかいた。


〈悪いな〉

「ふふ、兄弟がたくさんいるのも大変だけど僕には羨ましいなぁ」

「第十部隊は兄弟っていうか家族みたいなもんじゃんか」

〈ちーちゃんいい事言うわねぇ〉

〈まさにその通りじゃのぉ〉


国彦が言った事に千聖、亜矢都、灯茉が言う。それに国彦は嬉しそうに笑った。自分にもそんな感じの者達がいたことが嬉しいようだ。第十部隊は仲間であり、先輩であり、家族。


「じゃ、これから任務だから行こっ」

「そうだな。本当ありがとな」

〈いいえー気を付けろよー〉


3人は朝陽に別れを告げ、病院を後にした。


**


「おー!千聖!退院おめでとう!そして無事で安心した!」

「祝い酒するな西珠」


いつものラウンジに行くとソファに寛ぎながら西珠が叫び、手にしていた酒を飲もうとする。がそれを管狐が奪い取った。その久しぶりの光景にやって来た彼らが笑う。


「西珠は相変わらず酒飲む気か?」

「オレは酒がねぇと生きていけねぇんでな。管狐!酒返せ!!」

「返さん」


西珠と管狐の酒の取っ組み合いを見ながら彼らの隣に座っていた螢と弥厳がこっちにおいでと手招きし、ソファに座るよう促す。国彦と千聖はそれに従い、灯茉は空中を漂っている。


「おかえりなさい、千聖。国彦も怪我が治って良かった。で、早速で悪いけど今日の任務についt「あの、さ」?」


螢の言葉を遮り、国彦が問いを投げかける。それに螢がなに?と首を傾げる。国彦は躊躇したように一度灯茉を見上げる。灯茉は大丈夫と彼の意図を察し、頷いてみせる。国彦も頷き返し、言った。


「この前、西珠さんと狐さん、本部に呼ばれたんでしょ?普通、副隊長の螢が呼ばれると思うんだけど…なんで?」


今だ酒の取っ組み合いを繰り広げる2人を螢は一度ちらりと見ると国彦の疑問に答えた。


「普通はボクと隊長だけど本部に呼ばれる時は狐なの。お酒関係でねー可笑しいでしょ?」


クスクスと笑いながら言う螢に国彦も笑った。そしてそれに付け足すように「内容はこの前話した後方支援支部からの書類と同じだよ」と言った。螢は弥厳から書類を受け取り、本日の任務内容を話し出した。


「さて、今日の任務についてだけどね。ちょっと遠出します」

「「?」」


国彦と千聖が顔を見合わせる。その頭上ではヒマになった灯茉が空中で寝そべっている。


「遠出?」

「何処にだよ?」

「何処かは行ってからのお楽しみ♪でもちょっとだけ内容を言えば……」

「言えば?」


螢が内容を焦らす。国彦がなになに?と気になった様子で螢を見ている。螢は面白そうに笑って言った。


「戦闘支部防衛部隊と合同任務だよ!」


脇差の子もいつか出してあげたいなー

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