表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第三章 蠢く気配
30/85

Mission30.合同任務



建設中の建物が立ち並び、開けた場所で子供達が元気に遊びまわっている。そんな賑やかな雰囲気の中、至る所に『忌鬼』の被害の爪痕が生々しく残っているのが目に止まる。

国彦はその光景を驚愕した表情で眺めていた。


戦闘支部第十部隊『神樂』は数ヶ月前に『忌鬼』の襲撃によって壊滅的に破壊された街に来ていた。

戦闘支部防衛部隊が任務後でたまたま近くにいたため被害は最小に抑えられたが建物の崩壊と死傷者が出た。今、この街は復興作業をしていた。その手助けとして戦闘支部防衛部隊は復興するまで食料提供と周辺の『忌鬼』討伐をしている。

戦闘支部防衛部隊は他の部隊よりも人数が多いのは同時に『忌鬼』被害を受けた場所に分かれる目的もあるのだ。そして戦闘支部防衛部隊にも別行動をする時に他の部隊のように『玄武げんぶ』や『朱雀すざく』、『白虎びゃっこ』、『青龍せいりゅう』と云う異名がある。


「すっかり元通りだなぁ」

「でも、まだまだですよ隊長」

「わーってる」


螢の隣で西珠が元通りになっていく光景を見て嬉しそうに笑う。


人間ひとの生命力は凄まじいのぉ〉

「はは、そうだね灯茉」


灯茉の感嘆の声に自分の事のように国彦が笑って言う。それを横目で見ていた千聖が何かに気づき、国彦の肩を叩いた。国彦は千聖を振り返り、なに?と首を傾げる。千聖はある一点を指差した。その方向を見ると子供達が誰かに群がっている。此処からは子供達の中心に誰がいるかは分からない。


「懐かれてるねぇ」

「わかんね?」

「え?」

「ほら、よく見てみろ」


国彦が言った事に千聖がもう一度子供達を見る。国彦も首を傾げて千聖と同じ方向を見る。千聖はあの中心にいるのが誰だか分かるようだ。自分より背が高いから分かるのかな。と国彦は身長が高い千聖をちょっとだけ羨ましそうに思った。

目を凝らしながらよーく見た。見たことがある容姿だ。国彦はその容姿に見覚えがあった。そして国彦は誰だかわかった。


「みっちゃん!?」

「分かったか?」

「あれ?くー兄!ちー兄!」


光希だ。こちらに気づいた光希が子供達の群れを「ごめんねー」と掻き分けてやって来る。そして国彦にタックルするように抱きついた。それを受け止め、国彦が「数日ぶりだね」と彼の頭を優しく撫でる。


「みっちゃん、此処にいたんだね」

「うん!あたしは此処の担当なんだ!いち兄は別の担当になっちゃっていないけど」


光希がそこまで言うと彼は「あれ?」と首を傾げた。


「なんでくー兄とちー兄が此処にいるの?」

「合同任務だとよ」

「そうなんだ!じゃあ、副隊長呼んで来なくちゃね!」

「?隊長はいないのか?」


管狐が彼らの会話に横槍を入れるように問うと光希は一度、彼を見上げてそうだよと頷いた。


「隊長はいち兄と同じ担当になっちゃっていないの。副隊長ならいるけど……あ…そうだった…うーん」

「どうしたの?」


悩むように唸る光希に国彦が問う。光希が国彦から離れると答えた。


「副隊長ね、昨日『神譜』使っちゃったから今…」

「「あーー」」


光希の発言に国彦と千聖がそういうことかと理解し、声をあげた。千聖もつい数日前に埋めたばかりだ。理由は分かる。国彦の隣で西珠が顔に手を当て、天を仰いでいた。


「管狐、悪りぃ」

「嗚呼、大丈夫だ」

「なんの話?」


国彦が当たり前のように西珠の頼み事を了承する管狐に問う。すると弥厳が可笑しそうに笑いながら説明してくれた。


〈隊長は防衛部隊副隊長の臣下が苦手なんだよ〉

「なんで苦手なんだよ?」


弥厳の説明に今度は千聖が問う。それにどう答えたらいいのかと弥厳は苦笑した。


〈んー会えば分かる、かな?〉

「疑問形かよ」


千聖がそう言い、笑う。と向こうから誰かが歩いて来た。その人物を見て西珠が少々怯えた様子で千聖の背後に隠れた。それを可笑しそうに螢が控えめに笑い、国彦が頭に疑問符を浮かべながら見やる。光希は大きく手を振ってこちらだと教える。


〈光希よ、あやつは誰じゃ?〉


しばらく口を閉じていた灯茉が光希に問うと彼は笑って答えた。


「副隊長の臣下さんっ!!」

「…やっぱオレ、あいつ苦手…」

「なんだよ西珠…」


そう答えた横で呆れたため息をつく千聖と怯えた様子の西珠。国彦がどちらに何を言えば良いのかとオロオロしていると光希が呼んでいた人物がやって来た。


〈久しぶりだな〉

〈相変わらずのようだな、弥厳〉

〈ははは、貴方もな〉


仲良さげに話すその人物と弥厳。それにもどう反応したものかと国彦がオロオロしているとその人物が第十部隊を振り返った。管狐が一歩前に出て片手を軽く挙げるとその人物は弥厳とは違う反応を見せた。軽く頭を下げたのだ。知り合いらしいが弥厳のように仲が良い、と云う方向ではないらしい。

螢とその人物はお互いに視線も交わさない。苦手意識なのかそれとも知り合いではないのか。


「久しぶりだな」

〈嗚呼、お変わりないようで〉

「あの、2人って?」


管狐とその人物の会話に果敢にも国彦が割り込んで問うとその人物の表情が明らかに不機嫌そうに歪められた。それに国彦は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。灯茉は睨まれていると思ったのか彼の前に出て、壁を作った。逆に国彦がそれに少々慌てた。相手に変な印象を与えはしないか、と。管狐が大丈夫と口元で笑ってみせていた。


「大丈夫だ、国彦。こいつはそんな嫌な奴じゃないから」

〈そんなに嫌な奴に見えます?〉

「敬語は要らん。あと、感じ方は人それぞれだ」


その人物に笑いながら管狐が言うと灯茉と千聖、弥厳が釣られたようにクスクスと笑った。その人物も少し口元を抑えて笑う。


「いつもの西珠は気にせずに第十部隊うちの後輩に自己紹介でもしたらどうだ?」

「そうだよー!」


光希が「暇ー!」と駄々を捏ねるとその人物が軽く光希の頭を叩いた。


〈で、こいつは守護神の長谷部大御神はせべおおみかみ。通称、長谷部 〉

「俺の臣下の弟な」

「「弟ぉ?!」」


弥厳と管狐の簡潔な説明に国彦と千聖は驚いて声を上げた。すると今度はその人物の鋭い目が煩い、と2人を貫いた。それを千聖は肩を竦めて受け流し、国彦は灯茉が前にまだいたのでちょっと怖くなって彼の背に身を隠した。それにその人物は悪いと手を振った。


長谷部大御神はせべおおみかみ 、通称、長谷部はカナリア色のショート(短くもあり長くもあるちょうどいい長さ)で瞳はラベンダー色。銀縁眼鏡をかけている。服は灰色のワイシャツに烏羽色のネクタイを締めている。黒のロングコートを羽織っており、下は黒紅の長ズボンで靴は焦茶のローファー。


ロングコートを羽織っているので知らない人から見ればヤクザ…に見えなくもない。

国彦が灯茉に大丈夫だよと視線を向けると彼は承諾し、空中に漂う。国彦と千聖が衝撃的な事実に今だ驚いている。西珠や螢、光希は知っていたらしく無反応だ。驚く彼らの間に何故か沈黙が降りる。そこに〈…ZZZZ〉と寝ている亜矢都の寝息が響き渡った。意外に響いた。


「っこの亜矢都バカ…」

「あはは…」


千聖が恥ずかしそうに顔を赤くし、起きないと分かっていながら亜矢都にデコピンした。案の定、起きなかった。国彦が乾いた笑いを響かせる。余計に千聖が赤くなった。


〈宜しく頼むが取り敢えず、場所を変えるか。近くに仮の基地が有るからな。光希、案内しろ〉

「命令系、禁止ーー!」


長谷部に命令されて光希が怒ったように両腕を挙げた。


長谷部も弥厳の時と同じ友人です。眼鏡キャラやっと出せたぜ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ