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Witches-4

「あ、来た来た」


 紫の魔女は底抜けに明るい声色で僕を迎え入れる。

 両隣には紅と白がちんまりと座っており、よく分からない指遊びをさしたる盛況も見せないまま黙々と実行していた。


「黄は?」


 僕は分かっていながら、社交辞令のように尋ねた。


「あぁ、死んじゃったよ」


 黄の魔女はその死に目すら僕に見せたくなかったんだろう。

 きっと鮮やかに死んだ彼女の気高さが、今はただ、有難い。


 今回は順当に死んでいくねぇ。あたしは何番目なの?」


 白の眼球がぐるりと回るのが分かった。

 無言の嫉妬。僕は態と、目を逸らした。


「本当は僕だって、ずっとここにいたいんだ」


 紫は、僕の背中を軽く叩いて、共感するように何度か頷く。

 魔女は気丈、それだって、僕が彼女らにそうあることを望んでいるからに他ならない。

 死を恐れない存在はきっと存在者の顔をしていない。


「知ってるよ。でも、君は行かなくちゃいけないもんね」


 紅が立ち上がって、近寄ってくる。

 五人の中で一番小柄な彼女の歩幅は小さく、親鴨について歩く子鴨のよう。


「随分、失礼なことを考えますね」


 彼女は拗ねたように頬を膨らませ、紫の腕にしがみついた。

 紫の魔女は反対の腕で彼女の頭を撫でて、やはり幼い紅は頬を緩ませ、それを受け入れている。

 少しして、優しいその目で、僕と向き合った。


「わたしたちだって、本当は、死にたくなんてないんですよ?」


 分かってる。だからこそ、僕は彼女を救わなければならないんだ。

 決意めいた幻想が胸の内に湧き上がって、夏へ落ちようとしたとき、置き去りにされた白の魔女がじぃっと、こちらを見つめて言った。


「私は……死んでも……いい、よ……?」


 それは遅効性の貧困のように僕を絆す名画みたいだ。

 それでも、行かなければならない。青く染まる世界と――

 落ちる、夏へ。

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