劇団王太子のその後
寧々たちが異世界に遊びに行った数カ月後。
寧々の元に、直江状顔負けな長い手紙が届いた。
「あらま〜。」
「寧々様、国王陛下はなんと?」
一通り読み終えた寧々は、茶々に手紙を渡す。
茶々の隣に座る竜子も覗き込んできたので、一緒に読んだ。
キャサリンとは婚約解消、王太子は廃嫡。外に出すには危険なので、北の離宮に幽閉。
取り巻きたちも軒並み廃嫡で、炭鉱送り。
あの名前がやたら長い令嬢は、実家の男爵家が爵位と領地の自主返上をし、平民となり市井で暮らしているそうだ。
「新しい王太子に第二王子ですかぁ。」
「まぁ、妥当やな。」
手紙のとある文面に、竜子は目を細めた。
「……へぇ、第二王子の婚約者は王妃教育に燃えてるんやねぇ。」
「元々、やる気満々の子やったって書いてますね〜。良い方向に向かっていてよかったです。」
茶々は手紙を読み進めて行く。
「あの姫君、どうしたのでしょ?」
キャサリンは、王太子の元婚約者ということで、次の結婚のハードルが上がりそうだが……。
王家の分家筋の当主の後妻に迎え入れられたそうだ。
波長が合ったようで、夫とはラブラブだとか。
「新婚さんですしねぇ。」
「良かったわぁ。」
手紙を読み終え、茶々は丁寧に折りたたんでいると、最後に王妃からの追伸があるのを見つけた。
「寧々様。王妃陛下から追伸があります。」
「え?なんて?」
寧々はお茶を啜る。
「……また遊びにいらして下さい、お待ちしております。だそうです。」
沈黙。
三人は顔を見合わせる。
「説教係で?」
「それは勘弁してほしいです。」
「せやなぁ……。次は観光したいわ〜。」
「ホンマに。」
三人で笑い合っていると、廊下から正則がひょこっと顔を出す。
「酒ある〜?」
「お前はこっちや!!」
三成に首根っこ掴まれ、秒で引き摺られて行った。
「なんでよぉぉぉ!!俺、飲めへんかったもーーんっっ!!佐吉らだけズルいわぁぁっっ!!」
「うるさい!節度守れるようになってから言えっ!!」
正則の泣き声を聞きながら、寧々はゆっくりとお茶を啜る。
「はぁ〜……。平和やなぁ。」
「はい。」
「誠に。」
豊臣家は今日も平和だった。




