第94話:山羊男と地獄のようなクズたち
山羊男のキャベツはアルガナ村に帰還した
山羊男は以前、奴隷商人のリボバルから解放した元奴隷のエルフのセヤが診療所に居座り邪魔だったので帰らせようとしていた
「おい…いつまでいる気だ?俺達はラグド帝国に警戒している…お前がいると邪魔なのだ…怪我人が出たら診療所がお前のせいで使えなくなるだろう?」
セヤはおならをブッとふりながらミカンを食べていた
「くちゃくちゃ…え?かえりますけど…もちゃもちゃ…1万ルオン(100万円)ください…」
山羊男は鞄を持ってきてセヤの服を入れ始めた
「ちょっと?なんで私の服を入れてるんですか?触らないでください。エッチですか?」
「お前はもう死んでいたのだろう…お前の内面は死んで枯れた木だ…枯れた木はしばらく立ちすくんでいる…無駄に頑丈で邪魔だ…心と成長が無いのは枯死という意味だ…一万ルオンも入れておいた…帰れ…」
「一万ルオンをあげれるってことはもっと持ってるんですか?」
「お前は恥を知れ…俺もお前のようになれば悩まずにいれたかもな…お前は食い荒らすしか能が無い害虫だ。」
「慰謝料ください。名誉棄損です!…ゲェ」
セヤは首を動かしゲップをしてむせた…
「後でお前を死刑にする法律を村に書いてやる…今度来たら死ぬ…」
◆害虫の里帰り◆
セヤは笑顔で手を振っていた
まるで退院して元気になった患者のようである
「ありがとう!山羊さん!この恩は忘れないからまたきたら恩を与えてください!お金に困ったらまた来ます。でも脳みそをかけないでくださいよ?」
「お前は犬と同じだ。餌が落ちたら制止を聞かずに食う…自分の排泄物を相手に投げつけている恥知らずだ…脳みそが必要なのはお前だ。脳がカミキリ虫にやられたのがお前だ。いや馬バエだな…お前は脳を食う蛆虫そのものだ」
「ウィィイイイ!さっきので一万ルオンの恩義はプラマイゼロですよ!ちょっといいですか?私一人だと怖いんで一緒に来てください。この辺は土地勘ないですから。後、勝手に里をでたって怒られたら怖いのでアルガナ党が悪さして良心ある方が私を里に送ったシナリオでお願いします。」
セヤは頬をぷくっと膨らませミカンの種をぷっと恥も無く山羊男の足元の先に吐き捨てた
それを見てキャベツは目を細める
「地図でいいだろう?…俺はお前を助けたことを後悔している…貴様みたいなのは初めてだ…お前の仲間はお前をどう思うだろうな…エルフの生態に興味が湧いた…」
キツツキの特徴を持つ風見族のルクセがセヤと一緒にアルガナ村から出るのだった
「では私がお連れします!前から私が連れていくように頼まれましたからね!後で褒美をお願いします。セヤさん行きましょう!」
ルクセとセヤは二人で歩いて行った
「帰りに遊園地行きたいです。焼肉を食いたいです。」
「一緒に行きましょう!でもアルガナ党には内緒ですよ!遊んで帰りが遅いって怒られない程度に遊びましょう!」
「ルクセさんは自分でお金出してくださいよ?割り勘ですよ。」
キャベツはセヤの寝ていた布団が食いカスや飲み物がこぼしてありかなり汚いのを見て撤去を始めた
ベットの床下に男性のボディービルダーの写真集や酒瓶や果物の皮が袋に詰められて置いてあった…美容品の空が山のようにありなぜか男性のTシャツまであった…
「時間と金とベッド…一人いるだけでかなり浪費した…エルフからの攻撃か?奴らはどういう存在だ?ただの疫病神か?あいつだけ異常なのか?」
キャベツは無言でTシャツを持ち上げるとゴミ袋に入れた…
少年のリメシュが急いでやって来て片づけをしようとするが…
「上様がする仕事ではありません。私がしますよ。」
「いや…セヤを救ったつもりの俺の責任だ。今回の教訓は例え奴隷商人から奴隷を救ったとしても奴隷がまともな性格とは限らないということだ。そして長生きにそこまで価値がないと感じた」
「…なんのために生きているか聞かれればセヤは恐らく迷惑になるためにしか生きていない…長生きするならせめて若い命を生かすためや教訓になるために生きるべきだ…」
「後で本を書くのが上手い奴を雇おう…見習うべき人物の本とクズの種類の本を書かせてアルガナ党の教本にしよう…ノフィスは見習うべき人物だがセヤとエクラルとイテミスはクズの特集ページだがな」
「あと狂人の種類の本も必要だ…マレロニーやリクオルのような狂人にならないためにもな…」
◆10分後に帰って来たクズ…◆
セヤがまたアルガナ村に戻って来た…10分後のことであった
「なぜ戻る…忘れ物か?それともベッドの下のゴミを片付けにきたのか?」
キャベツが苦虫を噛みしめたような顔でゴミを集めて外に運んでいる最中だった
「思いつきました!私、生存戦略で子供を産みます。人間とエルのハーフを産みます。でもハーフはエルフの里じゃ殺されます。そこでアルガナ村に預けて育ててもらおうと思います。私、人間の男性に好きな人がいるんです。Tシャツを返してください。」
キャベツは銃撃能力で歪んだ空間の粒を大量に浮かべセヤの足元に撃ちまくる…
チュンチュンと足元の土が飛び散りセヤは逃げて行った
「びぃいいいいい!また来ますぅううう!たかってやるぅううう!」
「クズの低知能のハイブリットだ…正真正銘の公害的病毒の化身だ。」
◆年を取ったモデルが若くなりたがる◆
山羊男は午後からアルガナ村の近くにある人畜に改造する建物に向かった
「これ以上、人間を人畜に改造する意味があるのか?社会実験には何人必要だろう…とりあえず500人にしておくか…」
「10年間、セアフスシティで人畜にされた人間をどう扱うか観察する実験。それで魔人と同じかどうか人類を評価する…」
「あまり増やしすぎても観測員たちも手が足りなくなる。風見族もローディグ王国から信頼が減っているらしいからな…セアフスから観測員の風見族が追い出されても困る。」
しかしキャベツが建物に向かう途中で茂みから女性が飛び出した…
「人間か?セヤの後で誰にも会いたくない気分だ…ここまでどうやって来た?」
女性は50代に見えやつれていたが身だしなみは良かった
「ねえ…あなたがセアフスシティでケモ耳人間を送ってる人?若返ってケモ耳で帰ってきた人間がいるって噂でもちきりよ?」
「それがなんだ?滑稽だという意味か?お前らには愛玩動物の扱いを受けて苦しめという意味だ…つまらないことを聞くな…」
「私はペペちゃん…内面が年を取らないで体だけ老いたモデルなの…結婚もできないし職場もない…オワコン☆サ終☆売れ残り…私は夢の残骸なの。めっちゃ可哀そうでしょ?」
「思わない。可哀そうとはなんだ?お前がみじめなことか?」
自分に同情しない怪物にペペは血相を変えて怒り出した
「私はかわいいの!みんな若い頃は注目していたし、タダで高い服を着て写真館でとったり絵を描いてもらったの!でも老いたらいらないって言うの…にゃああああん」
「お前の思考がわからない…恐らくだが人間離れしている。」
「だがお前など、これまでの狂人と比べれば程度が低い。所詮は見た目に苦しんでいるだけだ。」
「あなたにわかる?年を取って仕事も無い苦しみは?山羊さんは苦しむことはないの?」
「お前らが俺の前に現れて無意味に騒ぐのが苦しい。帰れ…」
なぜ自分が山羊男に訪れた意味をペペは近づいて見つめながら教えた
性格が年相応に見えない様子にキャベツもセヤと同じか違うのか考え始めた…
「ねえ?若くできるなら私もしてよ?できるんでしょう?」
「お前は内面が育ってないというよりは退行しようとしている。恐らく、苦しむあまり進むことを放り投げたのだ。今からでも街に帰って仕事を探せ…無理なら俺がいる村で紹介してやる。俺は無駄に死ぬ奴らは減るべきだと考えている。」
「私、腰痛なの。もうここで駄目かもしれない…」
「お前が世の中を暗く見られるなら逆もできる。洞窟の中でお前は明かりを失っただけだ。松明は自分で火をともさなければ火はつかない…お前は歩いてここまで来たのだから人間の中でもやり直す力は残っているはずだ。」
「いやだにゃあああ!最もらしい正論を言わないでぇええええ!そうだ!私が戻りたい時に53歳に戻すのはどう?それなら現実にもどれるにゃん!正しいこと言っても結局、辛い場所に戻れって言ってるにゃぁああん!」
おかしな言動をとる53歳の女性に理解が及ばないキャベツは年を取らないことは辛いのではないかと考えを伝えた
「どうすれば貴様らはそこまで自己主張が強くなる…いいだろう…だが若くなろうとお前の渇きはおさまらない…年を取らないとは未来が無いのとそこまで変わらないはずだ。ガラスはいつまでも透き通っているが年数で徐々に曇ってくる。若いままに耐えられなくなる日が来る。」
「だが人畜にする。人間ではいれないがそれでいいか?未来を見れない奴が人間でいる必要がないからだ。」
「え?…人畜ってケモ耳人間ってこと?それって萌えキャラか…飽きられそうだけど猫耳もいいかもね。うふふ。男もみつけようかな~。ありがとうー!」
「お前の心は未来から逃げている。だが年を取らない若いままならいずれ未来を欲しがるようになる。写真の時は動かないがアルバムにしまわれてたまにしか見られない。それは誰も昔の記憶にそこまで関心がないからだ…」
「お前がどうなるか見てやろう…しばらく村にいろ。すぐに人間に戻りたくなるかもな…」
「特別な人畜がいいにゃー!肉球も手足につけてもらうかなー。他とは違う感じでうふふ。」
「退行しても若くはならない。お前は狂うことで苦しみから逃げようとする狂人未満だ…」
◆雇われたプロの不満◆
建物に入るとキャベツは呪呟族の蛾の亜人であるイコノから文句を言われていた
イコノは社会実験で人畜にされた者がアルガナ党の関与の口を割らせない呪いをかけるために雇われた呪魔法の達人である
「私はあなたが改造した人畜がセアフスシティでアルガナ党の関与を喋れないように口を封じる呪いをかけています。しかし報酬に不満があります。」
「なぜだ…呪詛の実を一名につき10粒と200ルオン(2万円)を渡しているはずだ。どこに不満がある?10年過ぎたら呪詛の木も10本与えるという約束だ。これ以上何が欲しい?」
イコノは机の上で指をとんとんと不満そうについている
「10年もしている内にアルガナ党はもっと利益を得る。時間の効率の問題ですよ。私の報酬は固定ですがアルガナ党は自由に金も力も得て複利がつきます。」
「そして、私はアルガナ党に入っても幹部になれない。風見族も鱗清族もまとまった数で徒党を組んでいる。私1名では立場が弱い。」
「わかった…お前が望むなら眼能も今度、1つくれてやる。それでいいだろう?これ以上、報酬で揉めたくない。」
「ふむ…あなたがうらやましい。コーヒーの木も山羊も価値は少ないのにあなたが手を加えれば計り知れない価値になる…あなたには嫉妬しますね。」
イコノはキャベツが去った後、手紙を書いていた…
「奴を捕まえる。魔導士協会と一緒にね…ふふふ…呪詛の木も眼能山羊も所詮、奴がやめれば止まるもの。ならその根源の方が価値はありますよ。」
「力づくなら無理ですが私には呪魔法がある。呪魔法は力押しではなく苦しめ行動を制限する魔法…馬鹿力にはうってつけです。そしてあのリメシュとかいう少年は奴の心の弱点かもしれません。見捨てる気なら家で風邪の看病をしませんからね…試しがいがありますね。」




