第89話:英雄と未亡人の大暴走
セアフスシティにて
シュウノはトレッチの家に訪れて心願の剣を受けとりに訪れた
心願の剣とはノーマルオークのウードに殺されたセアフスシティの冒険者代表のオーバルが就任した時に受け取った他人の異能の力を充電し剣に効果を持たせる人間世界の最先端の魔法武器である
以前、命を救われたトレッチは山羊男を倒す願いを込めてシュウノに自身の異能の力を空いた時間に込めて渡すのだった…
「野郎を殺せ~殺ったー!大成功~!夢が叶ったと思うのが大事~。すでに叶ったと思う~。望まなければ結果もでない~。殺ったぜ!ゲットトレジャー!お前の生首―!ゴールキックイエーイ!顔面にキックオフ!怨敵の生首はマイフレンド~♪」
狂気じみた歌を自宅の庭で口ずさむ未亡人にシュウノが近くに来ると振り向いた…
「心願の剣を受け取りにきたのね。私の異能のチャージが完了したからこれで12時間は多分もつ…チャージはロスも多かったけどね…充電効率が良くないかんじ?」
トレッチはシュウノに心願の剣を渡した。ダマスカス鋼のように波打った美しい模様の剣だった
「ありがとうございます。これは是非とも活用したいですよ。トレッチさんの思いが無駄にならないように俺も手を尽くします。」
「この前の手紙の件だけど…パリウスから返事はきたの?付き合いたいなら私が空いてるって話よ。」
シュウノはトレッチを怖がりながら手紙を渡す
「パリウスさんには伝えましたよ。でもパリウスさんは俺の仲間のイグナが好きだって前に言ってましたよ…一応、トレッチさんの紹介の写真も文章も送りましたよ。」
トレッチはいそいそと手紙を空けて読んだ
~レセプトの守衛の騎士パリウスより~
「トレッチ君が俺を求めているなら率直に言おう。俺はババアが駄目だ。人妻みたいな中古も駄目だ。君はまだ若いならやり直せる…俺とはランクが釣り合わない。今度は聞こえないふりをするから会いたいと思わないでほしい…手紙は読まないふりをする。」
「もう書かないでくれ。そして恋愛には現実がある。恋愛市場という言葉あるように君はバーゲンセールを自分でしている。哀れだ。俺より亡き夫を思ってくれ。君は蟻地獄と同じだ。普通なら蟻地獄の巣には近寄らない。」
トレッチは椅子に玄関に置いてある椅子に座って漫画の話をし始めた
「あんた漫画は好き?私は好きよ?人気漫画って大体は殺し合いよね?現実にできないから漫画で殺し合いを見たいからだと思うのよ。殺す漫画だからコミック(殺気)…」
トレッチはシュウノを見てにやけた笑顔で見つめた
「ねえ。私が入院したい場所があるの…要人用の療養施設…あそこは最高らしいわね?」
「え?どうしたんですか?入院って…」
トレッチは酒缶を取り出し酒を飲むと見る見るうちに青ざめて血を吐いて倒れた…
「ちょっと!トレッチさん!大丈夫ですか!」
シュウノは急いで医者に連れて行った…
◆診断結果◆
医者が酒の成分を調べた結果、弱い毒を混ぜていたと説明した
「わざと弱る毒を入れていたね。入院したかったのかな?」
「わかりました…私はこれで失礼します…」
シュウノが医者に挨拶して後にしたがトレッチは不気味に見つめるのだった…
シュウノは要人用の療養施設にもどりルナムとセイルの部屋にきてパリウスの話をしていた
「パリウスさんは最近、ひどいことを言う…どうしたんだ?俺が知らなかったのかな…多分、女性関係で悩みたくないからわざとひどいこと言ってるのかもだけど…」
ルナムは殺せとボヤく
「まったく…これでは魔人と変わらんではないか。強くて他人に配慮がない…お主達と魔人は同じか?」
「ルナムはパリウスを参考にして人間を見るのは間違いですわ。ただのクズ男ですわ。」
療養施設の通路をギノが通り過ぎてシュウノからも見えた
「ルールルー♪若造が妻二人~ダブル妊娠~シュウノ君は魔人をはらませた~♪馬鹿貴族を孕ませた~♪浮気三昧~♪子孫繁栄~♪」
「おい!ギノさん!やめろ!なんでそこまで知ってる!」
「あん?そらお前が二人連れて来て片方は家出娘と角が生えた人間…つまり魔人だ。人間みたいな肌色は珍しい魔人だね。適当に言ったら当たったのかい?ぷふふ。簡単な思い付きでもあたるもんだな?怒った?かわいいね。」
「あんたって人は…いい加減にやめろ!もう許さん!」
「おお?許さないってなあに?坊やは怒ったら現実が変わると思ってる?だから坊やなんだよ。俺に怒ったらもう負けなんだ。」
するとトレッチが車いすでナースに運ばれてきた…
死んだ目で虚ろな表情だった…
「あれ?トレッチさん…なぜここに」
「あら…私も大金詰んでここに移してもらったのよ。オーバルは地位もあったからね。その妻だってことで入れたのよ。そして…」
トレッチは車いすから飛び上がってギノを捕まえて注射針を首の右側にさした
「あがあああ!なんだコイツ!いかれてる!助けろシュウノ!」
「おい!お前をいたぶり殺す…動いたらこの注射を押し込んで薬物が体に入るぞ?ちなみに中身は強力なトイレ用の洗剤だ。何が起こるかな?死ぬと思うよ?」
「おい!なんでこんなことをする?俺を殺してもメリットねえだろ!」
トレッチはギノの右耳をビスケットのようにかみ切って吐いた…ギノの右耳は2割ほどかけてしまった…
「うぎゃあああああ!こいつは食人族だ!最悪だ!狂人だよ!」
「メリットはお前の耳はビスケット~♪お前の耳はビスケットが二つ~♪」
シュウノは悲痛な叫びをあげた
「トレッチさんやめて!ギノさんが死んだら手がかりが消える!」
「こいつを調べても何の意味がある?苦しめて殺したいわよ…ねえ?コロッケ好き?いっぱい食べさせて殺してやるわ…うふふーふふ」
「要求はなんだ…ギノさんを離してくれ…頼む!」
「はあ?要求?じゃあね。強い男を10人くらい執事にして南国の島国の王様になって毎日、組体操やプロレスさせて酒と料理をたしなむ待遇をもらおうかな?このおっさんをダーツの的にしてね。オーバルが死んだのは貴様のせいだあああああ!」
ギノのかけた右耳に大声でトレッチは叫びギノは恐怖の絶頂になる
「こいつ…完全に狂ってる…狂犬病と狂牛病の合併症だ…」
トレッチは口を開いて今度は肩に噛みつくのだった…肩から血が滲みだす…
「うぎゃあああ!おいにいちゃん今が仕事の時だ!こいつをなんとかしろー!」
「わかった…トレッチさんの要求を呑むよ…俺にできることを言ってくれ…俺に出来る範囲でだ…トレッチさんを無罪にするようにも上に頼んでみる…だからギノさんを離してくれ…」
「え?あんたが私に?あんたは命を救ってくれた恩人なのに要求なんてできないわ…」
「ギノさんが死んだら困るんだ…じゃあ解放して。お願いだ。」
「ギノは私の獲物だからやだ…でも…旦那が欲しいわね。南の島も無理だし…そうだ!シュウノが私の夫になるのはどう?」
「え?…」(今は嘘でもうんといおう…冗談だろ…)
「ああ…わかった…再婚でもなんでもしてやる…だからギノさんを解放して…」
「本当?シュウノ…あんただけが私に構ってくれたのね…嘘ついたら全部殺すからね。この療養施設も柱をマシュマロテストで柔くするって脅して立てこもるからね。嘘つかないでね?シュウノ…あなたを手術台でカエルの解剖みたいに切り刻むから嘘はだめよ?」
ギノは過呼吸気味にシュウノを見る
「兄ちゃん…こいつは狂ってるぜ…なんとかしてくれ…」
「ギノさんがキャベツを虐待しなければトレッチさんは狂わなかったんだよ…もう刺激しないで…」
「カタム領主に頼んできます…トレッチさんが捕まらないように頼みますから何もしないで待っていてください。信じますからお願いです。」
「え?私を助ける…どうしようかな…でもシュウノは恩人だし。待っておこうかしらね。」
シュウノは急いで走り去っていった…
「おい!兄ちゃん!俺を置いていくな!…この女は野獣だ…」
セイルとルナムは部屋から出て来てギノの様子にほくそ笑むのだった
「奴に罰があたった…しかしあの狂人が暴れたら私達も死ぬ可能性がある。」
「早く建物から避難しますわよ?あの狂犬が何をするかわかりませんわ?」
トレッチは首をシュウノの妻たちに向けた
「逃げたらみんな切り刻む~みんなをひき肉にして混ぜ合わせる~そして大きなハンバーグをこねて仲良しの世界平和~♪」
◆無罪に出来るか?◆
シュウノは領主館に行きカタム領主に掛け合っていた
「司法取引かなんかでトレッチさんをなんとかしてください…お願いします。無理ならトレッチさんが療養施設の支柱を破壊するって立てこもっています…」
「トレッチ氏が?…狂気に飲まれたか…オーバル氏が死んでから様子がおかしいとは聞いていたが…しかし脅迫に折れていたら犯罪者の要求を呑むと思われる。しかし要人も入院する場所だ…」
「君はトレッチ氏を面倒見れるのかね?精神異常を起こしたということで刑務所送りはギリギリ私が止めることができるだろう…だが発狂して毎回されても困る。狂人は信用できない。」
「ギノさんが死んだらカタム領主も困るでしょう?ギノさんに薬品がはいった注射針をさして歌を歌っています。ギノさんもストレスで気が変になっています。領主様がトレッチさんを見捨てたら私も怒りますよ…彼女が哀れすぎる…」
「怒るとは何だね?人間に絶望して暴れるダークヒーロー気取りのクズになるのか?好きな女が死んで悪党に落ちぶれてクズになる展開は昔から小説では定番だがな。」
シュウノはストレスでいっぱいになりついカタム領主を困らせたい欲求に駆られてしまった…
「俺も山羊男にオークや盗賊のようにつきますよ。見切りを人間につけるって意味ですよ…もう人間がお互い見捨てあうなら滅べばいい。俺の子供も利用するんでしょう?勝手にしてください。俺がノフィスを倒した意味もなかったということです。山羊男のやり方が正しいんでしょうかね?」
カタム領主はやれやれという表情で椅子から立ち上がった
「この世には狂ったトレッチ氏や君以上に絶望を感じて何もできないまま生き延びるか死ぬ者もいる。私の弟が従軍していた時期に国境警備に行って国境を超えた超えないの小競り合いで意味もなく殺されて上が事件をもみ消したようにね。」
「君はそんな目にあったことはあるのか?私は何もできなかった。君は嫌になってみんなを殺すと言っている。たかが狂った女のために山羊男に人間を殺すのをOKと言っている。自分の主観で人間が醜いからという理由で…。言っておくが神が人間を殺せばそれは神ではなく悪魔と言う…」
「お前は何様だ?ただの下半身がだらしないクズ男だろう?ノフィスを倒したのは世界のためではなくお前の英雄になりたい願望のためだろう?」
シュウノは返す言葉もなく山羊男の話をしたことを後悔した…
「ノフィスがただの暴漢でこの街にいたら倒しに来ていたか?ノフィスを倒したら英雄になれるから挑んだんじゃないのか?景品につられた野次馬と同じだよ。冒険者共は。」
「山羊男に味方になるなんて…結局、免罪符が欲しいクズではないか?殺すなら他人の看板に頼らず自分でやれ。ノフィスを倒したんだから君でも魔王くらいは力があるんだろう?山羊男に味方するのは自分が悪さするのが後ろめたいんだろう?悪党になるなら堂々と自分の手でやれ!」
「使命感も平和が目的もすべて自分の欲望だよ。善意も悪意も欲望が原因だ。誰も頼んでいないからだ。自分がしたいからボランティアも犯罪をするのだ。お前は自分の思い込みを正論だと思い込んだ知能が足りない若造だ。」
しかし…カタム領がお茶を棚から出し入れて飲むと表情をやわらげた
「だがトレッチ氏は強い。死なせるのはもったいない。治療させてやる。今回の事件は揉み潰してやる。そのかわりトレッチ氏が暴れたら君が殺せ。ギノを守るのだ。ギノを優先し、君の妻が人質なり足かせになるなら妻を見捨てろ。それができるならあの狂犬は見逃してやる。」
「…ありがとうございます…トレッチさんを説得してきますよ。あなたは恩人です。」
「自分の要求が通って恩人というのは気分が悪い。都合がいいパシリが欲しいと言え。君は言葉の意味も理解できていない。少しは教養を身につけろ…」
「そして人類が醜いなどとほざくのは歴史の教科書を読んだガキでもできる。そのガキらも飢えて無知のまま社会に出れば強盗になるケースが多い。所詮は自分が特別だと思い込んだ凡人共だ。客観視だけでは感想で終わりだよ。具体的に何かをしろ。できないならただの文句だけのクズだ。」
◆狂犬を落ち着かせるには◆
トレッチはギノと一緒に診察室に立てこもっていた…
「はい。いまから診察しまーす。るるる~私はカエルのドクター~学生の頃はカエルをいっぱい解剖した~中身を広げた~カエルをたくさん捕まえた~嫌いだから~ギノはカエルだ~」
「やめてくれー…俺がお前に何をしたって言うんだ…」
「お前が山羊男を育てた~お前のお腹にはお宝があるかも~ひらけゴマ~宝箱は~開けるまで中身はわからない~わくわく~あったかい内臓~♪」
「死者の世界の扉がお前の腹を開いたら開門してオーバルが帰ってくる~♪山羊を虐待したら山羊男になる~♪ギノを解剖したら死んだ人がお腹から生き返る~♪金の斧と銀の斧みたいに~内臓の女神が現れる~♪」
ギノはもううんざりしていた
「お前はもう病気じゃなくて病死しているよ。現実に生きてねぇ。」
「じゃあ一緒にあの世にいこうか?現実じゃないんでしょ?お前のお腹を開いて~♪屋上からくす玉みたいに~逆さにして中身を~ボトボト落としたい~♪外にいる患者が恵の雨だと喜ぶから~♪」
「タンタタターン♪太鼓を叩く~死の行進を彩るために~♪レミングが飢えて川を渡る~♪その最中に押し込みあって溺れ死ぬ~♪みんなが自分のことしか考えないから~♪自己中心主義者の群れの中で無自覚で殺し合う~♪」
ギノの腹をトレッチは殴打して苦しませる
ドボッ!
「うげぇ…やめてくれ…頼む…俺を虐待して楽しいのか…」
「お前も山羊~お前を虐待したら変身してみんなを生き返らせる神になるかも~♪」
「知能が低いから~自省ができない~男の大半はそれ~腹をたてれば自分の主張に意地になる~♪お前の腹は福音を鳴らす鐘~♪」
慌てた様子で診察室にシュウノが入室してきた
片手には書類を持ってきている
「トレッチさん。カタム領主が今回の事件を見逃すだって。死人も出ていないしまだ間に合うよ。これがこの書類だ。トレッチさんが前から精神異常者だってことにしてあるよ…今回は投薬事故扱いになる…」
「私が異常者?うふふ…私は正常だあああああああ!!!」
トレッチはギノのかけた耳に大声で叫んだ…
「俺はなんだ…糸電話の代わりか?こいつはもう狂った犬だ…いかれすぎて壊れる場所が残ってねぇ…」
「糸電話?お前の腸を糸電話の糸にしてやるわ。多分よく聞こえる。」
「お前の内臓をくりぬいてセミの抜け殻にしてやる。空っぽの腹に腐葉土を詰めて花の種をまいて心の中を奇麗にしてやる。」
シュウノは苦渋の表情で声をかけるのだった
「トレッチさん…今はもうやめて…ギノさんを殺さないで…俺がギノさんの代わりに死ぬから頼む。俺の秘密を教える。トレッチさんを助けるために俺はカタム領主の前で頭も下げたし恥もかいた…お願い…俺の苦労を無駄にしないで…助かってください…」
「だめ…シュウノは死んだらダメ…私を助けた…」
トレッチはギノから注射針を抜いてギノから離れるのだった…
「はぁはぁ…シュウノ…よくやった…俺はこの部屋を出る…耳の治療もしないと…兄ちゃんは恩人だ…この恩は忘れないよ…」
ギノが出ていくとトレッチはシュウノに近寄る
「秘密って何?何を見せるの?実はシュウノは南の島の王様?」
「俺は妻が二人いるんだ…最初はでき婚で次はノフィスの娘が俺から生活を保障してもらいたくて脅しのカードで転がり込んで妻になったんだ…だからトレッチさんの夫にはなれないよ…」
「そう…じゃあ私もいれてよ。東西南北を制覇できるじゃん?あなたも入れたら4人じゃん?」
「え?…普通、クズ男だって思わないの?」
「クズでもいいじゃん?人生いろいろじゃん?私がお前の妻をカエルの解剖みたいに帝王切開して子供を取り上げれるじゃん?乳母になれるじゃん?妊婦はカエル腹っていうからカエルの解剖と同じで帝王切開じゃん?」
シュウノはとりあえずこの場を納めようとするのだった
「トレッチさんとしばらく話をしましょう…落ち着いたら元に戻りますよ。」
「うん。私、間違ってた。優性論みたいなメダカがヤゴに食われる話に傾倒していたわ。カエルもヤゴも鳥の餌にしようと思うわ。カエルの解剖も全ての動物でしないとカエルが可哀そうだからね。動物愛護のためにもお腹を開いて中身を見ましょうね。」
「もう俺を苦しめないで…ハーレムは地獄だ…」
◆ギノのその後…◆
ギノは手当を受けて耳に布を巻いていた…
「最悪だ…あの化け物女は逮捕されたのかな…無罪になるって騙して捕まえるのはよくあるだろ?」
ギノが自分の部屋に戻ろうとしたらトレッチがギノの隣の部屋のシュウノの部屋に無言で出て来てギノとすれ違った
「…なんでいるんだ…なんで何事もなかったかのように…おい!兄ちゃん!あいつはなんだ?」
シュウノが出てくると恨めしそうな表情でげっそりしていた
「ギノさんのせいで俺の妻が3人になったよ…俺はあなたを呪う…」
セイルとルナムが腕を組んでシュウノを睨みつけていたのだった…
「こっちにきなさい!困りますわ!あんな狂犬がわたくしたちと一緒にいたら…また糞女が増えてわたくしの幸せをぶちこわす気なのですか!」
「そうだ。あのいかれ女は妻にするな!同情でもしたのか?シュウノ、私で最後にしろ。」
「セイル…ルナム…断れれば君たちがトレッチさんに殺される…揉めないで…でもトレッチさんは俺がいないときは君らを守るだって…味方だと思って頼むよ…」
ギノは新聞を落として呆然とするのだった
「俺はキャベツと同じ目にあってるのか?…あの狂犬は俺なのか?俺が間違いだったのか?山羊を虐待したら殺戮の怪物になってトレッチが狂人になって俺を襲う…何の因果関係でこうなるんだ…全てが狂ってるよ…」
トレッチは戻って来てギノにイラストを渡した
「昨日描いたの。私、昔は画家になりたいとも思ってたのよ?」
スケッチブックのイラストはギノの腹が裂けて人間の死体があふれ出している絵だった…
「兄ちゃん…頼む…この女から俺を守ってくれ…俺が山羊になっちまうよ…」
「え?本当?それなら助かるわ。山羊の肉は食べたかったから。山羊になったら残さず食べるわ。ジンギスカン。」
「ジンギスカンは羊の肉だよ。いかれポンチが…」




