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第87話:龍人にボケた龍を聞いてみる

首都レセプトの修練場にてロジ・ジョットは修練に励んでいた

龍人のロジャノは龍に変身しロジはマイ・ルールブックで龍人の力を再現した紙の龍の中から操作して組手を行う


ドォン!同じ大きさの重量がある物がぶつかり合うような音を出しながらぶつかり合いを行うが年季の差で一向にロジはロジャノに追いつかない


「ちゃんとやらんか!こそばゆいぞ!」


10m級の巨体が2本足で立ち上がりロジが右足を浮かした瞬間に左に傾けてロジを転ばせた


「うわああ!」


ズン!と音を立てて転んだロジをみて、ロジャノの変身を解いた


「今日はここまでじゃ。わしは変身が2時間しかできん。1時間だけ相手にする。半分は残さないと敵襲に対応できないからじゃ。」


ロジも龍の力を解除し紙の龍から出て来たのだった


「ロジャノ様の人の姿での組手と全然違いますね…力負けはしていないのに技術でこちらが後手になる…僕の経験がたりませんね。」


「そうじゃ。この様子だと魔法を用いた実戦ができん。せめてわしを転ばせてからじゃ。」


ロジャノはタオルを持って休憩室に歩いて行った。


「はあ…家に帰りたいのう…あの小僧の相手は疲れる。弟子なんか考えたこともなかったからのう。あやつに会いたいのう…」


するとイグナが後ろから歩いて訊ねて来た


「ロジャノ様。お休みの所、いいですか?秘密ですがシュウノが隕石魔法を手に入れたそうです。詳細は知りませんがそれを使うと自滅するからすり抜ける魔法が欲しいと言っています。」


「どこから聞いたがしりませんがすり抜ける魔法が使えるボケた龍がいてその龍から教えてもらえないか考えています。ロジャノ様はボケた龍を知っていますか?私もツッコミたいところが山々ですがシュウノはセアフスにいて今から聞きに行けません…」


その発言にロジャノは目をひきつらせた…


「どこで知った?いや…シュウノに聞かんとわからんな。その情報を知っているのはノフィスくらいだ。過去に隠された聖域に勝手に踏み込んで調べていたからな…ボケた龍は教えん…シュウノを連れてこい。細かく聞いてからじゃ。」


「私もシュウノには文句を言いたいですよ。必要な情報と結果だけ手紙で送られても納得いきませんからね。」

「でもボケた龍はご存じなのですね。わかりました。しかし太古の龍がまだいるとは…」


「もうよい。あの小僧を鍛えるのは時間がかかりそうじゃ…一朝一夕じゃ身につかんからのう。わしが終われば次はパリウスが相手をする。パリウスが認めたら今度はわしとパリウスが組んで2対1であの小僧がわしらに勝てると判断したら合格じゃ。」


イグナがあきれ顔になりぼやく


「それって人間世界で一番強いって意味になるんじゃ…ロジが一番ならそれはそれで終わりかもね…」


「決してボケた龍は言うでないぞ?踏み込んではいけない情報もあるのじゃ。」


ロジャノは早めに訓練を切り上げた


「今日はもう帰る。たまには年休も貰わんとな。半日年休じゃ。ロジよ。パリウスと午後からは軽く相手にしてもらえ。」


パリウスに丸投げしてずかずかと歩いて立ち去ったのだった


「ロジちゃん?昼からは俺だって。でもロジちゃんは雑魚だから初回で俺に相手するのはおこがましい。だから今日は筋トレね。俺はイグナ君と近くにいるよ。」


「私がなんでパリウスと…確かに山羊男が死んだら何でもするっていったけど…」


「俺はロジャノと違ってずっと若くないんだ。ロジちゃんと一緒にいても俺のためにならないからな。せめてイグナ君がいないと俺もすねちゃうよ。ロジちゃんはずっと筋トレだけさせちゃうよ?」


勇者を目指すロジはパリウスに腹を煮やすのだった


(あの野郎…職権乱用ですよ。イグナさんに色目使って…かなりムカつきますよ。パリウス様じゃありません。馬鹿な薄のろだから馬鹿ウスでよ。)


「ロジちゃん?腕立てをやれ。俺がいいというまでやれ。疲れて駄目になると次は腹筋だ。頑張れよ?腹が駄目になると今度は背筋とスクワットだ。ちゃんとやれ。」


「はい…わかりましたよ。パリウス…様。」


「聞こえないなぁ。はっきり俺の名前を言うんだ。お前は面接だったら落とされる不良人材だよ。」


(こいつ…マジうざいですよ。僕、闇落ちしちゃいましょうか?)



◆ロジャノの秘密◆


身を隠すために修道女のように体を布で隠すような服を着たロジャノはレセプトの外れの中流層の何の変哲もない民家に来ていた


ドアを開けてロジャノは自宅に踏み込んだ


「お帰りなさい。ロジャノさん。」


「おう!帰ったのじゃ~ミウマ~」


ロジャノは男性に抱き着いてほおずりしていた…


「あやつはまだひきこもりか?しばらく留守にしていたからのう…」


「面目ない。僕の育て方が悪かったかな…」


「ミウマは悪くないのじゃ~♥あの馬鹿が脱却できんのじゃ~」


ロジャノは奥の子供部屋に移動した


「こらあああ!出てくるのじゃ!いつまでそこに隠れておる!」


「いやだもん!外に出たく無いもん!」


ドアを無理やり壊してロジャノは侵入したら娘は布団に隠れた


「あっち行ってよ!お母さん!」


「おい!わしは今、山羊男というわしより強いかもしれん怪物を国と一丸になって対策しておる。もしわしが死んだらお主はどうするんじゃ!」


「お母さん強いもん!負けないもん。お母さんが死んだら私も死ぬもん。」


「こやつ…もう怒ったぞ!お主に仕事をさせる!龍爺様の様子を見てくるのじゃ!やらないと飯は抜きにするぞ!」


「いつもお父さんが作るもん。お父さんが洗濯もする。お母さんは何もしないでしょ?」


ロジャノは布団ごと持ち上げて窓を開けて庭に投げ捨てた


「早くいかんかー!就職もせずにいつまでも居おってー!このニートめが!」


「お母さんも龍人じゃないならニートだもん。そんな口調じゃ社会じゃいれないもん!」


布団は盛り上がり布団に収まらない龍が飛び出した…

蛇のような横長の4本足をつけた4mくらいの龍になり嫌々な顔で素早く上空へ飛んで行った…


ミウマは申し訳なさそうにロジャノに近寄った


「すいません。僕がずっと家でお世話をしていたのが悪かったのかな…龍人の子を外にうろちょろさせられないから僕も普通の仕事ができず家事でずっといたのが悪かったのかな…」


ロジャノは抱き着いて大泣きした


「ちがうのじゃ~。金持ちで仕事もせず家にいるクズ男はいっぱいおる~。お主は十分働いておるから偉いのじゃ~。わしの夫になったばかりにすまぬ~。」


しかし別の部屋から学生の2人娘が歩いてきた…


「リプル姉さんが家からでたの?珍しい。学校、中退してからずっとあんな感じだったのに。ママ久しぶりだね。お帰り。」


「ただ今、帰ったのじゃ…学校から帰ってきたのか?話があるから耳をかすのじゃ。」


ロジャノが振り向いて過保護だったと愚痴をこぼして重要な話があると伝えキッチンに娘二人を座らせた


「なんなの?ひょっとして離婚とかじゃないよね?」


「ちがうわー!この馬鹿者!…娘たちよ。保健体育はもう十分習ったじゃろう?リプルにも前に教えたがお主達にも教えてやろう。わしが故郷を去った理由を。」


「光魔龍がわしに最後の龍血を与えた後、光魔龍はしばらくして亡くなった。その後、テル王国の王族が光魔龍の遺体を徹底的に刻んで調べ溶かして飲むという奇行までしおった…」


「そしてわしに王族と子を成せとわしの身内を人質にして脅迫までした…それに義理の兄のサンテガが怒り、わしを脅迫した王族の過激派を殺し、一緒に連れ出してわしと共に国を出たのじゃ…」


「サンテガと一緒に龍人に干渉しないと誓った比較的に平和な国のローディグ王国に来てわしはしばらく放浪した。サンテガは王族と関係を持ちどんな命令も聞いて戦い、魔族と戦い死んだ。わしのその後を保障するために王族に尽くしたのじゃ。」


「お主達を産んだのはこの国の王族がわしに子の話を振らなかったからじゃ。だがわしの子だとばれてはならん。人間も時がたてば人の移り変わりでルールも変わる。気安く龍に変身するのでないぞ?」


「龍人のDNAは人間と同じ…つまり龍人の子は人間じゃ。龍人の秘密は血液だ。現代の既存のDNAよりさらに高度な龍の遺伝情報物資である龍憶…」


「光魔龍がそれをさらに高度に改造した龍追憶が含まれる血液が龍血。龍追憶は魔力を込めると体を龍に変異させる…魔力が弱まると元の肉体に戻す機能も完備してな…」


「わしに渡した最後の龍血は他者に与えて増える力がある。それは生殖だ。生殖とは大雑把に言えば分裂だ。自分の肉体の一部から新しい個体を作る。やり方がどの生物も違うが根幹は同じだ。」


「お主達はわしの子。人間が最初に出来る臓器は心臓であり育てる要素が血液だ。わしの血液が生まれる前から流れておる。だから龍人の輸血ではなくわしの分けた肉体という意味になる。」


「この方法こそ光魔龍が編み出した龍人を増やす方法なのだ。最初は男も女も龍人を増やせるようにしたかったらしいが男は失敗した。そしてわしの龍血はリミッターが仕込まれている。」


「お主達もわしも女性しか産めない。人間社会に寄生することでしか存続できない歪な存在なのじゃ…」


娘たちは口を開けてあんぐりしていた


「それって蜂や蟻ってこと?私らはスズメバチ?三毛猫?光魔龍のせいで人間社会じゃ暮らしづらいってこと?」


「そうじゃ…お主達は恨むかもしれんが背負わねばならん。わしは過去にも結婚して別の男と子をなしておる。老いないわしに合せられず別れたがな。龍人の血は絶やしてはならぬ。それは義兄のためであり、光魔龍の悲願でもある。光魔龍はわしには気を使ってくれていた…」


「人間と龍は似ている野蛮な種族と光魔龍は人間に嫉妬していた。なぜ人間も龍も野蛮なのに人間だけ残っているのかと…魔人に味方をしなかったのは人間が強者優位の社会を作らなかったからだ。人間は強さ以外でも協調ができて生き延びる力があると思ったそうじゃ。」


「魔人は創魔龍から生まれたが人間は自然の流れから生まれた。龍と自然の最強種のかけ合わせが龍人のコンセプトなのじゃ。光魔龍は龍の系譜に魔人に龍の要素を足しても面白味がないと感じたらしい。」


「リプルはミウマの前の夫の子じゃ。お主達とは年も少し離れておる。あまり刺激してはならんぞ?妙に人間不信じゃからな」


「お主達は遺伝学的にはわしのクローンではなく親の遺伝情報を半々ずつ受け継ぐ普通の子供じゃ。わしの血液が流れて龍血を受け継いでいるがな。」


「龍血は肉体の持ち主が生きておれば普通の血液をすでに存在している龍血が龍血に変える。だから人間から輸血もできるが逆はできない。龍人から人間に輸血した場合は血液不全になり死ぬケースしかなかったらしい。」


娘の妹の方がロジャノに質問をした


「ママは何歳なの?お姉ちゃんは20歳過ぎているって聞いたけど…」


「それは絶対に教えぇええええん!年の話をするなぁあああ!」


ミウマがお茶を持ってきて気をなだめた


「何歳でも僕は一緒にいたいですよ。僕は老いますがね。例え捨てられても恨みませんよ。」


「馬鹿者~。娘の前で恥ずかしいことを言うでない~♪」


その様子に娘二人の顔はひきつるのだった…

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