第84話:勇者が修行パートを始める
ローディグ王国の首都レセプトにて
ロジ・ジョットはエリクトピ国王に命じれられロジャノとパリウスの指示に従い修練を行うように命じられた
ロジ・ジョットは山羊男を倒すために修練に励むのだった…
守衛の騎士団長のパリウスはロジに修練場に連れて行きぐるぐると走らされていた…
修練場は一周2kmくらいある飛行場のようなは広い場所だった…
「はぁ…はぁ…なんで走らされるんですか…今更、基礎体力作りですか…」
「ロジちゃん?走れ~それくらいで音をあげたら合格出さないよ~俺は走りたくないけどね。」
5周ほど走らされロジは汗がびっしょり出ていた…
「いくら魔力持ちの体力が一般人より高くてもきついですよ…肉体強化魔法も使用禁止じゃ余計辛いですよ…意味があるんですか?」
「ロジちゃん?苦しむのが目的だ。苦しくて敵に隙を見せる精神だと困る。15分後に修練開始だからストレッチするんだよ。魔力持ちなら常人が遠足にいったくらいの疲労だろ?」
「違いますよ…かなり疲れましたよ…魔力コントロールで疲れない工夫をしないと…」
疲れて椅子に座り水をロジが飲んでいたら王女の三姉妹が観覧席から見ていた
長女のタメールが笑顔でハンカチを振っている
「ロジー!下手をしたら殺しますからねー!」
「うわ…あの狂人が見に来てますよ…この前、僕が名前を知らないと言う理由でいきなりビンタして骨を食うとか言ってたお姫様ですからね…苦手ですよ。フィーロ様だけでいいのに…」
パリウスの後ろからそそくさとロジャノが歩いてきた
「まずはわしが相手をしよう。パリウスはわしが認めたら相手をさせてやる。」
「そうか?俺が相手しようかと思ったけどロジちゃんじゃ俺の防御は破れないからね。先にロジャノと攻撃の練習した方がいいかもね。」
(パリウス様…うざいっすね…なんで僕を煽るのかな…)
イグナも訪れて席に座った様子を見てパリウスは興奮気味になる
「お?イグナ君もきてくれたね。良いところみせたいけどロジ君を泣かしたらイグナ君も嫌がるから程ほどにしないとね。」
「おい?パリウス。黙るのじゃ…ロジ?今から行くぞ?」
「え?変身するんですか?待ってくださいよ?僕も龍人の力を実行しますから…」
しかしロジャノは高速で走りはっけいでロジを押し飛ばした…
ボキ…腕の骨が折れる音とともにロジは転がった…
「うああああ!」
「龍人は龍に変身せずとも魔人以上に体力はある…お主は甘すぎる。龍の力を使うまでもない。」
ロジはマイ・ルールブックで書き込みを実行した
<回復魔法:復骨(右腕)>
<強化魔法:血肉勇踊>
魔法が実行されると右手の修復が始まりロジの周りが熱気のようのゆらゆら魔力が噴き出した
ロジャノが蹴りを入れてロジが防ぐが吹き飛ばされてしまう…
「うああ…」
「その程度では魔人にも及ばん。これでは山羊男には挑む前の話だな…」
諦めずに立ち上がるその瞬間にガッと蹴られてロジは気絶した…
◆初日の昼◆
「痛い…目が覚めましたね…ロジャノ様にコテンパンにされたんですか?あんな華奢な若い女性に?僕はマッチョなキャラが細い女性にやられる展開は説得力が無くて嫌いですが僕はマッチョじゃないですからね…」
しかし目の前にはタメールがいた…
「ごらああああ!なにすぐにひっくり返るんですか?お前は死んだ虫ですか?お前、殺すぞー!」
「ちょっと…声が大きいですよ…すいません。龍人を舐めてましたよ…あんなのノフィスでも負けますよ…先輩が負けててもノフィスはやられてたんですね…」
次女のサフィートが蔑んだ眼で見降ろした
「まったく…ガッカリですわ。豚骨スープにも使えない豚野郎ですわ。」
「ううう…まだまだ…これからですよ…」
末妹のフィーロが心配そうに声をかける
「ロジさん。お怪我は大丈夫ですか?ご無理なら今日でおやめになった方が…」
「まだ大丈夫ですよ。しかし血肉勇踊がだめなら怪力乱心という強化魔法しかないですね…しかし怪力乱心は体がそもそも頑強でないと自壊して死ぬ魔法…困りましたね…」
ロジはマイ・ルールブックを出して悩んでいた…
「今のところ、体を変化させる実行はできない…魔人に変身するとかもできませんし…こまったなあ…もたもたしてたら不合格でレセプトから追い出されますよ…」
「この前、パリウスさんの結界の異能は見ましたからね…あれはできるでしょう…ですが防いでいるだけでは修練になりません…うーん…あれ?厚さが変わってる…下の方にページが増えてますね…」
「この前はプロフィールページが追加された…今度は…スケッチのページですね…これは一体…」
スケッチページに試しに花のイラストを描いてみた…
するとスケッチページからスウウとペーパークラフトのような紙でできた花が現れたのだった…
「おや?どうやら描いたものを思念体として実体にできるということですか…もしかして…色々、試しましょうかね?」
◆午後3時から再開◆
ロジャノは暇そうにパリウスと会話をしていた
「あの小僧も使えんな。今日で不合格にしたほうがいいと思う。」
「え?今日が初日だよ?見切りが早すぎだろ?」
「ゆっくり強くしているつもりはない。この程度で怪我をするようでは何の役にも立たんと思う。育てるためではなく資質を見るために来ているのじゃ。」
イグナは内心、安堵する気持ちもある…
(ロジが駄目ならそれはそれでいい…見込みが無いのに山羊男にぶつけても死ぬだけだからね。でもロジ以外に山羊男に対抗できる異能なんて無いし…)
するとロジが帰ってきたのだった
「すいません。怪我を直していて待たせました。練習を再開しましょう。」
「ほう…まだやるか?また気絶して3時間以上も待たせられても困るがな。」
ロジャノが練兵場に歩いて来てロジに近づいた
「では行くぞ?5秒後に始める。」
ロジはマイ・ルールブックを実行した…
ロジの周りに紙のペーパークラフトが覆いぶかぶかのコスプレや鎧のように隙間を開きながらロジを覆っているようすだった
昔のゲームのポリゴングラフィックの角ばったデザインで魔人の角が紙の兜についていた…
「なんじゃそれは?…まあいいいくぞ!」
ロジャノが殴り掛かるが紙の鎧で受け止めてロジャノを払い飛ばし転ばせた…
「なに?理屈がわからん…」
「スケッチページはイメージを思念体で表現する能力…魔人のスケッチをまず描いた…そして過去のオーク狩りで参加していた冒険者が強化魔法の怪力乱心を使っていたのを前に見た…魔人の体力設定を持つ思念体の鎧に怪力乱心をかけて僕が着こなすことであなたでも払い飛ばせるということです。」
パワードスーツの鎧をロジの動きに合わせて動かす感じでロジャノを追い立てる
ロジャノが蹴りを入れても紙がはじいてしまう…
「表面にはパリウスさんの異能:ノーダメージクリアを再現すると実行しています…魔力消費も実行数が多いので大きいですがダメージも入りませんよ」
ロジャノを紙の大きな両腕で腹を掴んで持ち上げたのだった…
「わかった…強大すぎる異能だ…だがそれでは体術が身に着かん。パリウスの異能は使わず普通に戦え。今日は不合格にはしない。」
「わかりました。僕を不合格にしないんですね?よかったです。お手柔らかにお願いしますよ。オホホ。」
◆英雄たちの不安◆
その後ロジとロジャノは夕方の6時まで修練を行った
ロジャノの徒手空拳を魔人の装甲でさばいていく…
アッパーをしかけても腕で平行にしてひっかけて防ぎ頭突きでロジャノをひるませた
「ぬぐ…動きについていきている…呑み込みが早すぎる…」
「戦いながらロジャノ様の動きをプロフィールページに覚えると書いていましたからね。中は手を動かすスペースがあるから間が空いた時に書きましたよ。」
「体が覚えるっていうじゃないですか?マッスルメモリーって言うらしいですが…それにマイ・ルールブックが干渉してるんでしょうかね?」
「今日は終わりじゃ…休むぞ。お主は異能に頼り過ぎだから気をつけろ。わしも龍人の力ありきで強くなったが自分で鍛えた部分もある。気を抜くなよ?」
ロジャノはイグナとパリウスを休憩部屋に呼んで話をした
「あの小僧は軽い。強いだけだ。中身が軽すぎる。立派な名馬にお調子者が乗っているようなものだ…」
それを教えるのが自分たちの役目と騎士が苦言をする
「しょうがないね。俺達も後続から強いのが出て抜かれる時もあるのが宿命だ。俺達が他の連中より前に出たように。ロジちゃんを育てるしかないだろ?糞チートだが俺達も似たり寄ったりだ。タイプが違うだけだよ。亀の甲より年の功らしくどんと構えたらいいよ。」
「年の功…貴様、後で表に出ろ。わしと喧嘩したいようじゃな。」
「聞こえないな。俺は耳が遠い。ロジャノは確か秘密があるだろ?怪我したらまずいだろ?」
「なに?貴様、適当なことを言うなよ?」
となりにイグナが割って入った…
「お二人ともやめてください。今は耐える時です。私達のほうがロジといる時間が長くて我慢しています…」
「ほら?イグナ君も言ってるよ?ロジャノも不満を愚痴ってる場合じゃないよ。」
「まったく…わかったわ。明日は組手をした後で龍に変身して戦ってやる。あの小僧を少し荒波を渡らせんとな。」
◆王女に隣の国の皇子が会いに来る予定◆
ロジとフィーロ王女が国王に夜に呼ばれていた
「今日の修練は聞いておったぞ?初日でロジャノを体術で渡り合ったと…この国で龍人と正面から戦える者はほぼいないはずだ。例え変身せずともな。貴殿は十分期待できる素質がある。」
「だが天狗にならんことだ。周りが褒めている間は自分が一番だと思いやすい…それは弱さだ。わかるな?」
「はい…国王様。ありがたく受けとめておきます。」
頭を下げながらロジが嬉しそうに聞いていると話題を変えた
「娘よ。近く、お前の婚約者のクロイヤが来る。ラグド帝国の皇子だ。迎える準備をしておけ。失礼がないようにな。」
「クロイヤ皇子がですか?この時期に視察ですか…わかりました。私も結婚の時期が近づいてきているのですね…お父様。クロイヤ様と応対した後ですが…この国を去る前に町や場所を見て回りたいのですが…いいでしょうか?」
国王はひげをさすった後にうなずいた
「よかろう。別れの前に故郷を見て回るのは昔からある習慣だ。今のうちに懐かしむ光景を目に焼き付けておけ。」
「ロジ。クロイヤ皇子に会っても失礼が無いようにな。クロイヤはお主と違って学もあり社会の過程を積んでおる。冒険者のノリのような生意気な態度をしたらお主でも罰を与える。」
「かしこまりました。失礼が無いように心得ておきます。」
(冒険者って態度悪いってイメージなんですね…国の偉い人達だから失礼と思われないようにしないとタメールに噛みつかれますよ。)
ロジが廊下を歩いて帰っていると不気味な影が忍び寄る…
「さて…夜はティアニスさん達に挨拶して今日は寝ますかね。メイリアさん達も身辺調査は終わってるでしょうし…」
しかしロジの目の前にタメールが現れた…
「行くぞ?今から飲もう。」
「え?僕はお酒を飲みませんよ?」
タメールはロジの両肩を掴んで睨みつける…
「いいから来なさいよ。来なきゃ殺す。死ぬ前にお前の細胞をプチプチマットみたいに潰して遊んで殺す。来いいいいい!」
◆酒の席で◆
城の中には酒を飲む席があった…小さな飲み屋のようなカウンターだった
「毒殺を恐れてこういう場所でしか私達は飲めないのです。おい?私のことどう思う?」
「そりゃ…怖いですよ。タメール様は自分から怖がられてますよ。」
「お前さ?私ら好きでもない男と結婚するってわかるだろ?だからお前も同じなんだよ。私と結婚してお前は寿命の前に殺されるんだ。」
寂しげな目を見せたタメールは酒をぐびぐびと飲んだ
「私が死んだら化けて出る。死んだらお前のいる場所に出るから気をつけろよ?」
「お前は他の女が寄らないように除菌してやる…」
タメールは酔ったのか酒をブーとロジに吹きかけたのだった…
「もうやだ…この城…山羊男を倒したらタメールと結婚ならさっさと手柄上げたら先輩みたいに逃げますよ…この狂人に好かれたんですかね…とほほですよ…」




