第79話:勇者といえば国王に挨拶をする
前回、城の守衛であるパリウスに連れられて首都レセプトに入ったロジ達は国王にカタム領主から預かった山羊男討伐の嘆願書とロジの紹介状を国王に届けるために城を目指すのだった
「皆さん。とうとうレセプトに着きましたね。国王陛下に僕がイグナさんと挨拶に行ってきますよ。カタム領主に頼まれたのはイグナさんと僕ですからティアニスさんとメイリアさんはどうしますか?」
ロジと一緒にピー太郎も国王に会いたい物申す
「ロジ様。私もシルバナの様子を国王陛下に申し上げたいのですが私も同行できますでしょうか?」
しかしパリウスがそれは出来ないと却下した
「お前はシルバナ出身だ。ロジャノから先に報告を受けていたが山羊男と関係がありそうな奴は城の近くには行けない。念のため身辺チェックするからオカメ君とメイリア君も来るんだ。カタム領主も遅いけどセアフスの人畜の状況をレセプトに報告したからね。」
「ずっとは上に隠せないと思ったのか君らがレセプトに近づいたタイミングで打ち明けてきたよ。老獪な内にはいるのかな?俺は国王陛下の側にいるからそういう情報も入るんだよ。」
渋々了解したピー太郎はくちばしをさすってロジを向く
「そうですか…風見族の窮状をお伝えしたかったのですが…ロジ様に託しましょう。私はパリウス様と一緒にいますよ。ロジ様。緊張なさらずにリラックスしてくださいね。私が陰ながら応援しております。」
(偽難聴野郎が…いずれその耳から矢じりをぶち込まれてぶち殺されればいいぜ…)
「はい。僕が風見族の状況をお伝えしますよ。そうだ!少ないですが僕が私費で2万ルオン(200万円)を渡しますよ。これでメイリアさん達と僕が行っている間に楽しんで来てくださいよ…遠慮とかしますか?」
「え?ロジ様。ありがとうございます!太っ腹ですね。でも太ってはいけませんよ?私が渡した風吹きの弓もあなたに使われて喜んでいますよ。ウフフフ」
(ほんとコイツはドードー鳥だな…山羊の餌にされているとも知らずに俺に金まで恵んで。上から目線でムカつくが金は貰っておくぜ。)
メイリアは山羊耳を上に立てて注意するのだった
「おい。ロジ…2等冒険者以上の悪癖だ。金銭感覚がおかしくなる…だが協力はしてもらっているからな。しばらくその金で余興でも楽しむか…」
ピー太郎の態度にうさん臭さを強めるティアニスは疑いの目を向けるのだった
(この鳥公がロジをおだてる理由を考えればこの先の結果を思うに山羊男と戦わせること…それは人間からも期待されているがロジがそれを放棄しないように塩を送っているってことでしょうか…人間と戦わせたいのがこいつの目的か?)
城下町を歩いているとイグナは渡り鳥の手紙をこっそり読んでいた…
「シュウノからレセプトに入る前に来た手紙…国王陛下にも伝えるべきかしらね…」
~セアフスの近況についての報告~
・山羊男がオークと盗賊の2名に自分の力のコピーを与えて飼い主の命を狙った。
・盗賊は浮遊の力では俺の家を襲ったが助っ人のおかげで撃退した。
・オークはセアフスを守る兵と冒険者を大勢殺し、セアフスの冒険者の代表のオーバル氏を殺して冒険者組合支部の施設を倒壊させたが俺が宇宙へ奇策を使い飛ばした。
・俺には協力者がいる。その人物が強力な魔法を俺にくれたが使えば隕石の威力で自分も吹き飛ぶ。
・隕石魔法を無事に扱うためにダメージからすり抜ける魔法を使えるというボケた龍が必要だ。
・ボケた龍を探して欲しい。ロジャノさんにも聞いて欲しい。すり抜ける魔法をぜひとも使えるようになりたい
手紙をしまってイグナは悩んだ結果、すべてを話すべきではないと考えるのだった…
「ツッコミどころ満載だけど今はシュウノに聞いてる暇はないわね…結果だけ聞かされても納得できないけど…」
「シュウノのことは国王には伏せて話そうかしらね…魔法の没収とかシュウノの拘束とか面倒になりそうだし…先にティアニスにも相談してロジャノ様に言わないと…」
◆国王に会いに行くロジ・ジョット◆
ロジとイグナは城の前まで歩みを進めていた…
「魔王を倒した祝勝パーティ以来ですね…先輩のツテで僕も参加できましたがあの時は惨めな気分でした…僕は一応、あの時は乾燥能力で魔人を一人弱らせて撤退させた実績があったんですよ?」
城の入り口の前にはロジャノが待っていた
「お主達もきたようじゃのう。それでは国王陛下に謁見しにいくぞ。」
門を潜るとエリートの近衛たちが巡回をしていた
その中を通っていき格式高い空気に緊張が走る
「この人たちは厳しそうな学校を出た凄い人ばかりなんだろうな…空気が重いですよ。冒険者組合とは違う雰囲気ですね。」
そして玉座の間に行きロジとイグナは膝をついたのだった
「わしがローディグ王国の現国王エリクトピである…お主が2カ月でA級魔物を10体も倒して名を上げたロジ・ジョットであるか?道中も活躍を上げて危険な魔物を倒して来たとロジャノから聞いておる…」
「一つ、お主に問いたい…なぜ山羊男を倒したい?お主にとってただの余興か?それならば今すぐこの件から降りることを命じる。」
国王の問いに緊張感を感じながらもロジは返事を返すのだった
「私は奴の非道には耐えられません。私の敬愛するシュウノ様のお仲間のメイリア様を殺し多くの惨劇を繰り返しています。私も食い止めたい。それは多くの者を救うために力を使いたいという欲求です。自分が思う大義のために戦いたいのです。奴を倒して魔王を倒した後の世界を取り戻したいのです。」
「私が山羊男を倒したいのは倒せる力があるからと自分が思うからであります。力ある者が何もしない…それは自他を救うことを放棄したと同義です。」
「すいません…正直にいいます。シュウノさんが英雄になったのが悔しいのです。みなアルシオンに冒険者なら憧れます…多くの場合は英雄たちを憧れて私たちは冒険者になります。だから私も英雄を志していましたが英雄が出れば他の者は諦めるほかない…僕に力と機会が巡ってきたと思い今回、山羊男討伐の希望したのです…」
「無力ならば山羊男には余興も大義も無意味なはずなのです。私に可能性があるならそれを救うために使う時間を無駄にするべきではないと考えます。私は山羊男でも魔王でも同じことをするでしょう…」
「私が国王陛下に許可をお願いしに来たのも力で自分の勝手で生きるよりこの世の営みを守りたいからです…私に頼ってくる者の声もございます…私も国王様に頼る側の一人なのです。私の異能で勝手気ままに生きる道もありますが私はそれを望みません。多くの者のために使いましょう。」
エリクトピ国王はロジャノの報告書とカタム領主の紹介状と嘆願書を読み始めた
「お主はまだ戦いの経験が浅いとロジャノからは報告が来ている…カタム領主からはお主の異能は前代未聞の力があると紹介が書いてある…ロジャノもお主の異能は龍人より上かもしれないと認めている…」
「わしは戦いの経験は若い時に少ししかないがお主はこれまで見た戦士達と比べてシュウノと似て軽い空気しか感じない。だがシュウノはノフィスを倒している。醸す空気で戦士の質は決まるわけでもない…」
「そこで…お主の力が魔族を消し去った山羊男に及ぶか試練を与えようと思う。ロジャノとパリウスにお主を鍛えさせる…その力の伸び具合で奴に戦わせる資質があるか見てやる…よいか?」
国王の指示にロジは深々と頭を下げるのだった…
「はい…ありがたき施しに感謝いたします…ご期待に沿えるよう精進いたします…」
(僕が先輩と同じ空気って…傷つきますね…しかたない。僕も若いですからね…)
国王は玉座に座りながら両手を握りながらイグナに視線を移しカタム領主の方針に愚痴を言い出した
「あの男はわしをあまり信用していないのか?セアフスにわしが下手な手を打ち人畜を虐げて山羊男を怒らせると考えているのか?愚かな人間なら確かにやりそうだがわしは歴史に乗る愚者とは反対の行動になるよう心掛けている…」
「セアフスの状況なら山羊男が噴水広場で暴れた時から常に連絡員から情報を送らせてカタムの報告とずれがないか聞いておったわ…まあカタムを責める気はない…清濁併せ含むだ…従順な政治家はペットより悪い…自分で考えないからだ…」
「お主はわしに隠し事はあるか?一応、わしはオークが山羊男の力を一つ使いセアフスで暴れた話までは知っている…お主は伏せた情報はないか?シュウノはどうしている?」
イグナは冷や汗をかきながら返事を返す
「シュウノは現在、山羊男の飼い主の護衛をしているそうです…私も詳しくは…」
「飼い主は聞いていたがあの男は医学的にも身辺調査でもただの男以上の情報は出なかったのだろう?…あまり守る価値もあるとは思えんがな…」
「わかった…今日はもうよい。また用があるならわしが呼ぶ。明日からパリウスとロジャノの指示に従うように。」
ロジとイグナは後ろに下がり玉座の間から退席したのだった
「やっぱり国王にはシュウノの話はできないわ…ロジャノ様に相談しないと…」
◆王女の三姉妹◆
ロジがイグナに緊張したと心情を明かした
「よく勇者を持ち上げる本の王様とは全然違いますね…雰囲気が重い…」
「そんなこと城の中で話さないでロジ…はやくみんなに今日のことを話すわよ…」
すると王女の長女と次女が歩いてきた
「あら…あなたが噂の出世魚の冒険者のロジさん?私知っていますよ?」
長女がロジに話しかけて来たのでロジが笑顔で返事をする
「はい。私がロジ・ジョットです…あなたは確か…すいません…思い出せません。」
その時、長女が急に手を動かしてバチ!っとロジの頬を鳴らした
「痛い!何をするんですか!」
バチ!バチ!バチ!バチ!
うずくまるロジの後頭部を雑に長女はビンタをする
「私が知っているのにお前は知らないとはどういうことだー!私はタメールだー!覚えろこの愚図が!死ね!この駄犬が!薬殺してやる!」
次女がクスクス笑う
「お姉さま。あまり激しくやると折れてしまいますわ。しかし弱そうな男ですね、こんなごぼうみたいな軟弱者で何ができるんでしょうね?」
ロジが思い出した様子で
「確かフィーロ王女様の姉のサフィート王女でしょうか?」
そのセリフに余計にタメールが怒りビンタを繰り返すのだった
「死ね!私の名前は知らないくせに妹は知っているなどそんな奴は腹を壊して死ねー!」
「ちょっとこの人、異常ですよ!助けて!」
サフィート王女は冷笑してあざ笑うのだった
「雄豚の悲鳴は名曲のレコードより聞き心地がいいですね。私、家畜の悲鳴を聞くのが好きでして。あなたもいい声を出しますわね。」
タメールがため息交じりにロジの両肩をつかみ目を見合わせる
「おい?可愛い系男子のクズ男?私はね。悲しいんですよ。お前がもしふざけた山羊男を殺したら私はお前と結婚する羽目になる。アルシオン家の家系は名誉ある英雄が出たら結婚してきたからだ…わかるよな?山羊を殺して英雄になるなんて誰が聞いても情けない。」
「でもあの山羊は龍でも殺す。それを相手にしているお前は命知らずではなく生まれてもいない馬鹿だ。私がお前を産み直して根性叩き直してやる。恥かかせて無駄死にしたら死体を回収して穴を空けて遊んでやりますよ。」
ロジは落ち着いてとなだめるが猛牛のような長女にはマントをひらひらしているようなものである
「結婚って…僕はそんな年でもないですよ…無茶を言わないでください。僕はもっとおしとやかな人が良いですよ…」
「なんだと?この甘党野郎…お前の虫歯を全部引っこ抜いて治療してやりますよ。お前は自然に死ねない。私の機嫌次第で殺すから結婚したら尻に敷いてやる。お前は椅子ですからね!」
しかしサフィートがロジをみて長女にいらないなら貰うと笑顔で話す
「お姉さまがいらないなら私が結婚しましょうか?私…弱そうなのが好きなんです。いじりがいがありそうで…見た目も可愛いですし。」
「だめだー!お前にはあげない!私がこいつを食い殺す!骨まで噛み砕いてやる。おい!恥をかくなよ?私の恥になりますからね!私の亭主にふさわしくならないなら去勢して犬のように棒で叩き殺してやる!」
タメールはロジの胸倉を掴んで揺さぶりながら目線を合せて唸るのだった…
「僕はレセプトが嫌いになりましたよ…先輩がセアフスに引っ越したのがなんとなくわかりました…英雄ってこんな扱い何ですか?」
◆フィーロ王女へ来た手紙◆
イグナにシュウノから手紙が来た頃にフィーロ王女にも手紙が来ていた
~フィーロ王女へ~
久しぶりだが頼みがある。
山羊男を倒す手がかりを見つけた。
だがその手段には魔法使いの協力がたくさん必要だ。
二人きりでその内容を話したい。
その手段を教えるから俺と会って欲しい。
しかし、俺は業務でセアフスを離れられない。
これを頼めるのは君しかいない
シュウノより
フィーロは手紙を置くと窓を眺めていた…
「久しぶりに連絡したと思ったら…用がある時にしか呼ばないのですね…まったく…ですが来年には私はこの国にいない…ラグド帝国のクロイヤ皇子と結婚してもうシュウノにも会えない…」
「丁度、嫁ぐ前に国を見て回る許可が下りますからね。セアフスにも行ってみましょうかね…」
そう黄昏ていると執事が連絡をしに来た
「フィーロ様。シュウノ様のお仲間のイグナ様達が来られています。ご面会はされますか?」
「イグナが?シュウノは来ていないのですか…噂のロジとかいう男ですかね…見ておきましょうか…」
フィーロは応接室に向かい席に座ってロジ達の前に座った
ロジの顔は赤くなっていた
「あなたがロジ・ジョット…その様子だとタメール姉さまに好かれたみたいですね。前の婚約者も逃げ出してお姉さまは不機嫌の極みですからね。好かれた証拠ですよ。」
「僕はロジですけど王女様ですか?あの人…狂人ですよ…」
イグナが声を荒げてロジを叱った
「ロジ!王族に無礼なことを言うな!」
「いいんですよ。タメール姉さまは暴走気味ですからね。婚期が過ぎないか焦ってるんですよ。」
「いきなりビンタする人は美人でも結婚できませんよ…あの人、なんで僕を殴るんすか?おまけにサフィート様もへらへら僕が殴られるのを笑ってましたし…印象悪いですよ…」
「フィーロ様が一番、お姫様らしいのに外国にいっちゃうんですか?ラグド帝国は植民地主義の国なのに…タメール様が行けばいい気もします。」
フィーロはローディグ王国もラグド帝国と大差がないと話す
「お父様の先代の王の話ですがね。半世紀以上も前ですが農地の開発で水源のある土地を鱗清族を大勢殺し奪った…フレムト共和国には戦争で偽金を印刷し農地を攻撃してフレムト共和国の民間人ごと大勢殺して領土を奪い賠償金も勝ち取った…ラグド帝国と大差はありませんよ。」
「ロジさんが当時に生まれていれば侵略者は大勢殺しましたか?山羊男が魔族にやったように…」
返答が難しい問にロジが困った顔でこう返した
「戦争は嫌がる人も巻き込まれます。個人の反戦派の意見は通りません。もしその時に生まれてマイルールブックが使えたなら助かりたい人の場所を用意する方針で行きますよ…どっちかの味方で片方を超能力で大勢殺すというのは僕にはできません」
「…山羊男は危険な種族を女子供も大勢殺すというやり方をします…人間もフィーロ様の話では似た話をしていますがそれなら英雄の意味がないんでしょうか…人間に守る価値があるかないかも悩むのは力がある者の傲慢ですか?」
奇麗な王道ヒーローを目指す若者にフィーロはロジは王族にはなれないと冷笑する
「シュウノさんもロジさんも政治の世界には入れませんね。足の引っ張り合いとトロッコ問題の連続ですよ。大勢殺されて泣いた方が負け…戦争は誰も同情せず敵国の死者の増加が国民の安心感になる…良心がない世界ですよ」
「ロジさんは帰ったほうがいいかもしれないですね。私達は降りたくても降りられない。王とは国と民が生き残るためなら敵国の善人ごと皆殺しの決定が出来る者しかなれませんよ。」
「ロジさんより山羊男の方が王には向いているでしょう。もっとも彼は支配の王にはなっていませんが…なぜなら森で静かにしています。本気なら世界を火の海にして世界の王になれるのに…彼は何を望んでいる?実は平和かもしれませんね。ロジさんはそんな彼と戦えますか?」
厳しい選択があることを聞かされたロジは気を沈めるのだった
「必要なら善人を大勢殺す決定をするのが王…人間世界も魔王と変わりがないんでしょうか…目立ったのが魔王ってだけ?僕も状況次第で大勢殺すことを偉い人と付き合えば命令されるかもしれない…」
「僕は助かる人が増えればいいとしか考えていませんでしたが…答えが出せませんね…悩んでおきますよ…今日は何も言えません。」
「でも…それなら悪いことをする種族を消す山羊男がヒーローって話になるんですか?それならあまりにも救いが無い…人間は救いようがないって話でいいんでしょうか…そんなのみんな暗くなる話ですよ…」
ロジの煮え切らない態度にイグナが手まねをしながら苦言を言うのだった
「手を汚さないように人気が出そうなルートが組んである少年漫画の主役みたいになりたいの?ロジは殺し合いが出来ないわね。山羊男が人間をロジにぶつけるように仕組んだらロジは殺せるの?」
「できないならロジもシュウノも山羊男が奇麗な悪役でいることを期待するしかないわね。いい?例え外道や非情な手段を使わないと生き残れない状況になったら厳しい選択をしないといけないの。市民からは悪人と思われることもしないといけない場合もある。引き返すなら今よ?」
しかしロジは実力をつけてから考えると返すのだった…
「とりあえずパリウスさんとロジャノさんと稽古してもらって実力がついてから答えますよ。どの道、弱いと何を言っても無駄ですし…」
「メイリアさんが心配ですね…レセプトに連れてくるんじゃなかったかな…解剖とかされてないか心配ですよ…」
しかしフィーロが心配しないでと返すのだった
「メイリアさんは英雄です…死んで生き返ったと噂では聞いていましたが誰もそれを証明できません。死体から生き返った瞬間を見てないからです。解剖は私がさせませんよ。生き返った人を解剖するって誰が聞いても狂人扱いです。私が止めなくてもされないと思います。」
「それよりシュウノはなぜセアフスに?ノフィスとは戦ったのに今回はイグナさん達と一緒に戦わないのですか?」
それを聞くとロジが微笑を浮かべて鼻で笑ったが
「先輩は山羊男に折れてしまいましたよ。僕が戦うって言ったら八つ当たりに胸倉掴んで怒鳴る腑抜けになっちゃいましたよ。彼の時代は自分で降りちゃいました。だから後輩が先輩の分まで頑張ります。どうせパリウスさんとロジャノ様のおまけみたいなもんでしたし…」
その態度にフィーロは顔を赤鬼のように真っ赤にした…
「うがああああ!!ちがう!小僧!シュウノを悪く言ったら首をもぎ取る!お前の喉笛をかみ切る!首をもいだ死体を逆さにして血抜きして精肉工場で開きにしてやる!」
「ちょっと!フィーロ様?落ち着いて…どうしたんですか…」
王女は身をぶるぶるふるわせると気を取り直した
「ごめんなさい…取り乱しました。シュウノには昔、ノフィスの手先の魔人に攫われた時に救ってもらってレセプトまで自分の足で帰った話がありまして。一緒にいれて楽しかったですよ。」
「今度、結婚するラグド帝国のクロイヤ皇子も世界的な魔導士協会主催の魔法使いコンテストの若手部門で1位をとったそうですからね。生まれつきの異能より学力がいりますからクロイヤさんのほうが才能はロジさんやシュウノさんよりあるかもですが性格と才能は別ですからね。」
「うまく私がつきあえるならいいのですが…」
ロジは王女達に寒気を覚えて猫背になるのだった…
「僕は王女の3姉妹はみんな怖いですよ…みんなどこかおかしいかもしれない…」




