第71話:山羊男の秘書と少年
今回の登場人物
バロット:山羊男に付き添う鳥型亜人、風見族の青年でミミズクの特徴があります。
リメシュ:山羊男に奴隷市場から助けられた少年
山羊男:不満の化身で山羊の頭を持つ存在。紺色の半ズボンに中柄の人型に左角が折れたシバ山羊の頭をもつ白い毛の怪人であり神とは別系統の存在。
山羊男、キャベツの腰巾着のミミズクの特徴をもつ風見族のバロットはケセマ村に来ていた
キャベツの依頼で自分と同じ顔の品種の山羊を買いに来たためである
「あそこがケセマ村ですねー。山羊は1頭辺り千ルオン(10万円)前後ですから30万(三千万円)ルオン持ってきたから足りるでしょう。」
他の風見族の者から意味が分からないと苦言が聞こえる
孔雀の特徴を持つ風見族のグノッグが文句を我慢できず仕方ないらしい
「しかし山羊なんか買ってどうするんだ?あの化け物が同類なんか作っても困るぞ?俺は魔力量が少なくて短時間しか飛べなかったが奴が用意した呪詛の実で魔力量がUPして恩恵は受けた。だが山羊でも呪詛の実みたいなものができるのか?」
「文句を言うな…せめて理由がある意見や懸念を言え。下手に逆らって成果物の管理を鱗清族に任されても困るだろう?」
「そうだけどよ…山羊を買いに行かされて文句はねぇのかよ?お前はずっとキャベツの側にいるけど今ではアルガナ党の結成まで始めた上の立場だろ?下に任せりゃいいんじゃないのか?」
「頼まれたのに下にたらい回しにしたら信頼が減る…彼には信頼関係以外にこちらが提供できるものがない。それに眼能はすでにクジとウードの次にボクが真っ先に与えて貰った…最初に彼から力を授かった風見族が自分だ…」
「一番、信用できる風見族で死ねば困ると言う理由だそうだ…利益のためだと見透かされたがそれでもこれまでの付き合いと他の要素の関係で近くにいたら助かると言われた…」
思ったことを言わずに気が済まないのかグノッグはバロットの内心が気になり聞きたがる
「お前はあの化け物はどう思う?俺は言っておくが信者ではないぜ?最初にあいつが来た時に俺のキレやすい糞親父があの化け物に絡んでぶっ殺されたけどよ。俺は逆らわないでたかる方針だがお前はどうだ?」
「…お前とボクは同じ気持ちだったが今は違う。主従関係でも利害関係でもない同じ船の関係者という具合だ…」
「狂信者は生きる軸を無くした馬鹿がやることだがボクはこの船以外が無いから乗ることにした…それは歯車の関係だ。好き嫌いではなく無ければ互いに動きが生まれない意味だ…だが彼は主軸で他の者はその周りで動くしかない…」
◆ケセマ村に出発前のバロットの回想◆
山羊男のキャベツはケセマ村にバロットが向かう前に2人で話をしていた
「どうしましたー?ボクと二人で秘密の話ですかー?もしかして代理人の話ですか?代理人が必要だと言っておりましたよね?代理人とはどういう意味ですか?」
キャベツは机から立ち上がりバロットの目の前に歩いてきた
バロットは急な行動にかなり恐怖を感じる
「どうしました?…何かお気に召さないことでも?…」
キャベツはバロットの首を掴んで目を合わせる
「あああ!やめてくださいいいい!!なんですかあぁあああ!!」
キャベツは口をガパッと開いて歯を向ける
「やめろぉおおおお!化け物ぉおお!」
キャベツは手を放してバロットを自分の椅子に座らせた
「どんな気分だった?さっきの恐怖がセアフスから逃げる前の俺の気分に近いのかもな…俺の生い立ちの状況を教えたかった…」
「はぁ…はぁ…すいません…悪口を言ってしまいました…」
「お前はベルトラと違い、本音を言わない…お前より小賢しい亜人は他にいないかもな…だが度胸はある。本当に賢いなら俺のような怪物に近くに寄り俺の行動を利用しようとは恐れて思わないはずだ。」
「お前は生存本能を無視してまでなぜ俺に付き添う?俺は風見族の仇でもあるはずだ…正当防衛で100人近く殺したからな…だが正当防衛で殺されて納得はしないだろう?」
「お前は一番、長く付き合った亜人だ…お前のことを教えてほしい…お前は風見族の族長にも媚びへつらっていたのか?」
バロットは後ろめたそうに内心を吐露する
「ボクは戦士になる予定でしたが飛ぶのが遅い理由で戦士の立場にはなれないと嫌がらせをうけましてね。兵士同士の虐待やいじめは聞いたことはありますか?足の引っ張り合いはどこでも起きます。どこでも強弱の差で相手をなぶりものにして笑う者がいるという意味です。」
「自分が不幸な目にはあったとは言いません。逆らうのが立場的に難しい先輩戦士にボクの飾り羽をむしられたこともありましたよ。風見族などくだらないですよ。古い習慣や文化を繰り返して人間に利用され助けを求める立場を繰り返すのが亜人です。」
「そんな時、あなたが逃げた先輩戦士を追って来てシルバナに入って来て戦争になりましてね…あなたが世界を変えられる存在ではないかと思い近くにいたらボクも強い側になれるんじゃないかって…」
「一緒にいたら大金も入ってきてボクの手下の風見族も出て来て…大きな船にのって下を見ている気分でした…だから自分の手数や影響力が増えるのが楽しかったんです…」
キャベツは本を開いて例を説明する
「マキャベリズムという言葉がある…意味は合理的で利益を追求して上の立場なら自分の裁量を道理から背いてでも振るうという意味らしい。」
「お前はまさにこれだ。俺という危険要素を乗りこなして有利な立場と利益を目指している…ベルトラは国が欲しいと浅いことを言っていたがお前は自分の影響力を欲しがっているのだな?」
「国なら他人の暴挙や自分の采配のせいで消える可能性もあるが大金なり暴力なり強大な力が個人にあればやり直しや他人を動かせるとお前は考えているのか?それが影響力ならただの他人にとっての損害であり悪影響だ…」
「俺は利益や娯楽で騙したり利用する連中は生きる価値はなく死ねばいいと考えている…お前もアルガナ党を立てて下を持ったならその責任は負え…お前と同じ思想と立場の連中だ。自分は違うと思うな…」
バロットはフクロウが怯えて体を細めるように見ている
「ボクを怖がらせたいんですか?やめてくださいよ…まさか追い出したりしませんよね?後がありません…」
「お前を服従させる気は全くない。俺はそもそも部下の存在など無くても生きていける…だがお前は俺の近くで細かいことや調査などの頼みを下心はあっても見返りを聞かず行ってくれた…」
「俺が弱ったらお前はどうする?さっさと俺を見限るか殺して俺を消したい奴らの手土産にするか?俺はお前が品性を失わないなら救うと約束しよう…お前はどうだ?」
負ければ滅びるのは必然だとバロットは悟るのだった…それは国が負けた後はリンチや虐殺をうけるのと同じでその状況に自分達がいるのは理解できた…
「ボクはここまで来たら、あなたが消えれば何もありません…シルバナのアルガナ党を嫌う連中ともローディグ王国とも呪詛の実の取引を行っているモデファルさんとも揉めなきゃいけません…あなたが弱りそうな時はボクもできる限り手を尽くしましょう…」
「俺はお前らに俺のために働いて死ねとは絶対に言わない…人間のゴミ以下の連中が保身や野望や安心感のために相手の好感を利用する手口だ…お前が危ないなら好きなタイミングで逃げろ…だが組織を持った以上は手下を見捨てるな…」
「アルガナ党で所属している亜人の一種につき一人の代表を決める手段を考えるつもりだ…選挙も血統もだめだ…どちらも組織票や金や独占で不平等な人選になる…」
「お前は風見族のアルガナ党の代表みたいに扱われていたな?俺は亜人の代表は特別に2つ眼能を許可しようと思っている…お前にはこれまでの付き合いとして褒美として今日1つ渡そう…」
「後ほど、お前には眼能を下の者に与える権限を与える。俺の持つ能力のどれかを俺がいなくても与えられるように手段を考えておく…」
「だがお前は代理人にはできない。風見族の代表で我慢しろ。お前は利益以外の思考ができないからだ…」
山羊男の言い分にたじろいでしまう…
「そんな…でも利益のためは当たっていますがそれで悪く言わないでくださいよ…不利になりたくてあなたに近づく者はいませんよ…」
「それはわかっている…だが俺はお前がこの状況に役立つ人材だと思っている…だから代理人ができたらお前にも協力するようにそいつに伝える…それで不満が無いなら俺の近くにいろ…俺としては居てくれた方が助かるがな…」
気を取り直し今後の関係にバロットは決意を固めるのだった
「ついていきますよ…ボクはあなたの秘書ですから…」
回想を終えケセマ村が眼前に近づいてくるのだった
◆ケセマ村の入り口にいた猛獣◆
「他の亜人に彼が目移りすると風見族の恩恵が減るから今後は鱗清族以外に彼に近づく亜人は遠回しに妨害しようと思う。唯一の懸念は彼が心変わりして暴れる暴君になることだ…今の性格のままならいいが…」
「ケセマ村はスディッキュ領主が一味ごとぶち殺されて今はどうなってる?奴隷に明け渡しをしたってキャベツが言ってたんだろ?」
「行く前から聞くな…山羊を買うだけなんだから降りて確認すればいいだろ…」
バロットはグノッグに苛立ちを覚えながら村の入り口に10人ほどの風見族の一団で到着した
しかし、入口に獣畜となった豚が草の茂みから出てくる
ライオンの特徴をもつおでこに山羊の目が追加された豚の獣畜が唸りながら近づく
「キィイイイイ!」
「なんだありゃ?囲まれた…」
落ち着いた表情でバロットは獣畜とはキャベツに改造されたキャベツの体力に近い家畜やペットの猛獣だと説明した
「皆さん落ち着いてくださーい。キャベツさんは獣畜の本能に風見族と鱗清族は襲わないようにしているそうでーす。さらにアルガナ党員なら指示に従うそうです。腕章を目立つように獣畜に見せて言ってみましょう。」
「豚さん。道をどいてくださーい。」
バロットがアルガナ党の腕章を見せるとライオン豚は後ずさりして茂みに隠れた
「どうやら奴隷の言うことを聞くようにもしてたらしいから門番代わりをしてたみたいですねー。入村しましょうかー。」
グノッグは気色悪いペットだと思いつつも
「こいつら俺達のペットで兵力にもなるってことか?魔物を扱っていた魔族みたいだな?怖がられる側になるかもな。」
「あんまり趣味の悪い命令をして娯楽や攻撃に使っては駄目ですよー?彼の信頼を損ないまーす。もし彼が嫌がることをアルガナ党員がしたらボクが殺しまーす。鱗清族がやれば嬉しいんですがねー。魚共を追い出したいですが連中も馬鹿じゃないからうまく付き合いましょう。」
◆ケセマ村のあの時の少年◆
アルガナ党員の風見族の一団は入村するとバロットは村民に身分と立場を説明した
「すいませーん。代表の方はおられますかー?山羊男の使いでボク達は来ましたー。あなた方もあのお方に救われたお聞きしましたー。」
それを見ていた少年がいた
過去に奴隷オークションに出品されていたリメシュである
「風見族?山羊男とはあの人のことか?」
リメシュがバロットに近寄り事情を聴く
「あなた達は何ですか?風見族のお方ですね…久しぶりに見た…」
「すいませーん。未成年には用はないでーす。…失せろ小僧…暇じゃないぞ?」
リメシュは距離をとりバロット達の動向を見ることにした
ケセマ村の仮の村長が歩いて来て話を始めた
「我々を解放したあの怪人の使いですか?彼はなんですか?裁きの神ですか?」
「初めまして。ボクはバロットと申します。彼のお付きの者でーす。ボクも正体はつかめていませーん。今日は家畜の山羊を買いにきましたー。できればいるだけ購入したいのですがいいでしょうかー?」
「わかりました。そういえば彼は山羊だけは獣畜にしませんでしたな…獣畜は警備や護衛に使っています…この前、スディッキュ領主が行方不明になったことを調べに来た憲兵をうっかり獣畜が食ってしまいまして…」
「どうしたものか…憲兵が行方不明なると今度はたくさんの憲兵が来ます。」
バロットは何かを思いついたらしく…
「密談ですよ?あなた達は獣畜を繁殖させて僕たちに売ってくださいよ…他の亜人に売らないでくださいよ?どうですか?それをしてくださればボクたちが憲兵どもはなんとかしましょう。あなた達は知れば嫌なこともあるでしょう?」
「憲兵がくれば奴隷のあなた達は恐らく取り調べや村や土地の没収も起きる可能性もあります。ボク達が火の粉をなんとかしましょう。後は何も知らなくていいですよ。」
「はあ…それは私が知る必要がないという意味ですか?トラブルを処理してくださるならそうしましょう。」
グノッグはどう対処するか考えが読めずにバロットに聞く
「どうするんだ?憲兵なんか俺達が命令できねぇよ?」
「獣畜にケセマ村に近寄る連中を食わせればいいですよ…この村長は手を汚すのが嫌がっているならボクらがやればいい。何も知らないでこちらが汚れ役で守るって意味ですよ。獣畜に食えと命令するだけで済むから仕事でもない。」
バロット達は山羊がいる場所に案内された
「めぇー」「めぇ~」
キャベツに似た声で連呼され苛立つ風見族もいた
冠オウムの風見族が飾りの羽を広げる
「蹴り飛ばしたくなる匂いと鳴き声だ…」
「山羊にそんなことしたらボクがあなたを殴りまーす。」
「一頭あたり1500ルオン(15万円)ですか。相場より少し高いですがいいでしょう。」
「皆さん帰りますよー。帰りは徒歩ですがねー。」
「村長さん。残りの金ですが…鞄を置いていきまーす。獣畜の値段は一頭辺り2000ルオンでいいでしょうか?新米兵士の初任給は1500ルオンらしいので獣畜の値段も妥当でしょう?強い獣畜を作れたらさらに高くかいまーす。この鞄は手付金ということでいいですか?」
村長は鞄の大金を見てビジネス関係を考え始める…
「特産品もないですからね…獣畜を増やせばいいんですね?なんとかやってみましょう…結果がでれば連絡しますよ。」
◆エクラル皇女亡き後のラグド帝国について◆
「この村の壊滅した状況を聞いていいですかー?ラグド帝国は何かしてきませんでしたー?」
村長はバロットにその後を伝える
「山羊男がケセマ村にきてスディッキュ領主とその客人と手下を獣畜で皆殺しにしました…話にきたのに彼らが山羊男を攻撃したからです…その際に愚かにも山羊男を異能で殺そうとしたエクラル皇女も死にました。」
「ラグド帝国はケセマ村に調査に兵を送るためスディッキュ領主が掘った秘密のトンネルを通ってエクラル皇女が来客したように通って来ましたが獣畜をトンネルに我々が置いておきましたのでそいつらは食われました。トンネルはいつでもふさげるからまだ残してはいます…」
「まだトンネルはふさいでないのですかー?わかりましたー。そのトンネルをみせてくださいー。」
(後でトンネルに獣畜を大量に放り込んでラグド帝国に向かわせて連中のリアクションを誘ってキャベツさんとの戦いを煽るべきか?)
(エクラル皇女が死んでシルバナを危険にさらした責任としてラグド帝国がきたら連中を殺すって約束しましたから早めにキャベツさんと戦わせた方が良いよねー?)
「でも今回はトンネルの場所を見るだけでいいか…勝手に刺激したのがばれたら怒られそうだし…」
山羊を60頭以上連れてケセマ村から出て行ったバロットをリメシュは尾行するのだった
「やはり神様はいるのですね。山羊男が彼らを送ったのなら山羊男は私が会いに行くように運命を作ったのです。絶対に会いますよ。山羊男は私の神様なのだから…」
◆帰り道に待ち伏せ◆
アルガナ党の一団は山羊を連れて移動をしていた
その時、布を被った男が立ちふさがった…
「なんですかー?布で顔を隠すなんて気取り屋しかしませんよー?」
バロットが苛立ちながら見つめるとフードを脱いだ…しかし肌色は人間ではなく白い肌で一本の角が生えていた…
「よぉ…てめぇら…あの山羊の仲間だな?よくも魔族を消してくれやがったな?お礼にあの山羊の仲間も殺してやるよ…てめぇらが外に出ているのはマークしていた…魔の山に山羊男と一緒にいた風見族がミミズク野郎のてめぇなのも知ってる…」
憎悪に駆られた男は魔人だったのだ
「ボク達は山羊なんか知りませーん。この家畜の群れを仲間って言うならあなたは心の病気でーす。…さっさと死んで失せろ、敗残兵が…頭の治療に行け…」
「このパルネスを舐めてるな?風見族ごときが…水と火の混合魔法を食らえ…火水魔法:激沸渦!…一人で混合魔法をできる奴は上級魔法使いでもそうはいねぇ!」
パルネスと名乗った男の両手から火と水の魔力が漏れ出して混ざり合い湯気を出しながら膨らんでお湯の大きな塊の大玉が飛んできたのだった…
ボコボコと泡を沸騰させながら巨大なお湯の水球が迫る
「あああ!」風見族達が怯えて逃げようとしたがバロットの前に歪んだ空間が現れた
巨大な長方形の立方体がブン!と現れてお湯がぶつかり遮られた
「バチャアア!」
「眼能:歪物…硬さと重さと大きさを設定できる立体を重なっている物がない空間に出せる能力…魔人さんは死んでもらいましょー。キャベツさんも魔人をみつけたら報告するかできれば殺せって言いましたから殺せば喜びますよ…」
バロットは右足の足首近くから山羊目をビキッと出し眼能を発動する
パルネスの頭上に大量の立方体を出し投石を行う…民家のように大きな積み木が大量に降り注いでいるようだった…
「ブン・ブン・ブン!」
「な…化け物からなんかされたってことか!」
「ズン!ゴン!ドォン!」投石が落ちるたびに地面を揺らす大きな音がなる…
左右に素早く走り落下地点から逃げるがバロットは最初に出した目の前の直方体の重さをゼロに近づけて風魔法をかける
「風魔法:風進…物体の後ろから風の魔法をシールのように付着させ風を推進力のように吹かせせる初級魔法…ちょうど膨らんだ風船をはなすような感じだ…風船と違って方向は直進でもできる…」
直方体は横に倒れてまっすぐ高速に転がりパルネスに当たる
その瞬間にバロットはバスのように大きな直方体の重さを大きな鉄塊の重さにするのだった…
「ドガァ」と音を出しながらパルネスはひかれる…
「ぐああ!」
下半身がひかれて胸だけ地面と直方体の隙間から飛び出している状況だった
アルガナ党員たちは気を取り戻し罵声を浴びせる
「ビビらせやがって…この負け犬魔人が…神木盗んだだけじゃたりねぇのか?バロット、こいつはどうするんだ?恐ろしかった魔人も眼能の前では雑魚だな。哀れにも見えるぜ。そのオブジェクトを出す眼能、かなり便利だな…俺らも強そうな眼能を貰えるかな?」
「今のボクは中距離か遠距離なら1等冒険者が相手でも殺せまーす。でも被るから歪物はあんまり貰う人は増えてほしくないでーす。眼能は魔力消費もなく既存の魔法とのコンボも可能でーす。」
「可哀そうですけど、生かす方が可哀そうな場合もあります。一人だけ魔人が残っても可哀そうなので慈悲をかけまーす。…惨めに地獄に行け…生まれる価値も無い欠陥種族め…迷惑だから最初から生まれるな…」
バロットはパルネスの頭の上に円錐の立体をブンッと出現させ尖った部分を落として突き刺したのだった…
「グショ…」
「鳥のくちばしにつつかれたということですかねー。自分が強いと思い込んだらこんな風に早く死ぬって意味でしょう。どんどん、こんな奴は殺しまーす。自分から死ねばいいのにー。でも魔人を殺したら後であのお方もお礼をするって言いましたから期待して魔人を殺しまーす。」
その様子をリメシュは遠くから眺めていた…
「あれは確かエクラルを敷き潰した時の能力…あのお方はやはり弱い側の救世主ですよ…風見族が個人で魔人を殺すなど不可能に近いはずなのに…神に会わずに死ねませんね…教会を立てても神には会えませんが私にはチャンスがありますよ…ふふふ…」




