第67話:勇者は歓迎されて全肯定される
今回の登場人物
ロジ・ジョット:概念能力者のチート勇者
イグナ:魔法使いヒロインで専門は炎魔法
ティアニス:ヒーラーで呪魔法も扱います
メイリア:剣士ヒロインだが山羊男に倒された後に改造されて蘇った山羊耳ヒロイン
ロジャノ:ドラゴンヒロインでロジの実力を測る観測役で来た
セアフスシティに盗賊のクジとオークのウードが攻撃をしかけていたその頃
ロジ・ジョット率いるハーレムチーム達はレセプトへ向かう道中にサントシティについた
道中にA級の危険度の魔物を倒し戦いぶりを観測役のロジャノに実力を見せる必要もある
ビジ村を出る前にアルガナ党から呪詛の実を大量に盗み食いして龍化して怪物になった裏切者のカケマに襲われティアニスは耳を負傷したがロジ達はその後、無事にサントシティにつくのだった…
しかし、どこかで遠くからキーンと心地よい音が定期的に聞こえる…
「サントシティには前にも来たことがありますが田舎町みたいな感じですよ。でも楽器の職人がたくさん集まっている街です。空気も奇麗ですし都会にはない趣がありますよ。楽器を鳴らしてるんでしょうか?キーンって響く音がしますね…」
イグナは油断するなと顔を不安に曇らせる
「ロジ…敵はどこにいるかわからない。私達の近くにいるのよ?」
「大丈夫ですよ。視界に入る距離感でいれば大丈夫ですよ。」
「ティアニスさんは耳がまだ聞こえないから僕が近くにいますよ。しばらく散策しましょうかね。」
メイリアは山羊耳と山羊角を隠すために頭巾をかぶり街に入るのだった
「ここはまだセアフスみたいに検問が厳しくないな。私が一度、死んだと誰も知らないのか?まあニュースには騒ぎにならないように広めなかったらしいからな。好都合だがな。」
しかし、町民の様子がどこか違和感がある。
奇妙な態度をロジにとってくるのだった…
「ロジ様だ…」
「間違いないロジ様だ。救世主だ。」
「ロジ様。なんでもお申し付けください。靴の裏も舐めますからこの街を好きになってくださいね。」
ロジは不気味な表情になり寒気を感じる
「なんですか?気持ち悪いですね…」
イグナは驚いた表情だが呆れ顔にも見える表情で声を漏らす
「ロジがまともなことを言うならこの街も終わりだな…」
街の住民がNPCの住民のようにロジに物をあげる
「このブロッコリー、余ってるから君にあげるよ。」
「この野球ボール、落ちてたからあげるよ」
「私が男で生まれていなかったら、きみの子供を結婚してガンガン生みたいですよ。」
ロジは機嫌が悪そうになり
「罠ですか?こりゃなんでしょうか…」
不気味な街に思わすたじろぐロジだったが時間は昼くらいだった
空腹を感じ店に立ち寄ってロジがサンドイッチなどの食べ物を見ていると
「食べたいのですか?毒見してあげましょうか?食べ残しがあるならそれをください。間接キスでそれを食べてロジ様の唾液を取り込みますよ。」
「誰かに頼まれてるんですか?なんですか?ふざけているならやりすぎですよ…」
ロジはロジャノにこの異様な状況を相談する
「ロジャノ様、この街は変ですよ。なんで僕を持ち上げるんですか?」
「お主は山羊男と戦うのじゃろ?答えをわしに聞いてもなんの意味もない。自分でこの状況の意味を探して解決して見ろ。」
ロジは街を散策するが似たような返事がくるだけだった
「ロジ様。握手してください。手を洗いません。」
「ロジ様とベロチューしたいです。私は男ですがロジ様と同じ口の菌を入れたいです。」
ロジはかなり頭に血が上る…顔が赤面しはじめた
「もうこの街は出ますよ?僕のイメージが悪くなる…」
しかし、イグナ達には変化が表れていた
「キモいわよ。死んだら?ロジ…」
「え?イグナさん…いまなんと…?」
「生きる価値がねぇんだよゴミ野郎…」
ロジはパニックになり
「ちょっと…この街はおかしいですよ…気が狂うんですか?」
ティアニスは椅子に座って耳に手を当てている
鼓膜の治療がまだ続いているらしい
「ティアニスさんは変化がない…他の方は?」
メイリアが帽子を露店で買おうとしていると住民から指をさされていた
「あいつゾンビらしいぜ?バケモンだよ。死んだって噂なのにな。あの頭巾はなんだ?頭を隠してるのか?ひょっとしたら脳みそ丸見えかもな。」
ロジは疲れた表情になり考えるのを面倒がり始める…
「なんですか?僕を混乱させたいのでしょうか…目的がわからない。」
ロジャノとイグナは苛立ったようにロジから離れていった
「わしはしばらく自由にする。街の中にA級の魔物はおらんじゃろう?お主のやり方で調査するんだな。お主は正直、頼りない。少しは仲間に頼らずやってみい。」
メイリアは傷ついた様子でロジのために宿を探すと不気味な態度を見せる
「ロジ?私が今日の宿を探す。もし私が人間として生きれる場所がなくなったらお前の山羊になるから飼育してくれ。毎日、尻尾を振って懐いてやる。お前に可愛がられるように尽力する。」
「ちょっとメイリアさん?正気ですか?どうしちゃったんですか…」
ヒロインチームがロジから離れていき街にポツンと取り残された
「なんなんですか、一体…」
すると、一人の女性がロジに寄ってきた
肌色は人間より赤い色だった
「うふふ。マジあんたウケる…」
「なんですか?その肌…魔人ですか?角もある…魔人は皆殺しにされたって話なのに…まさかこの街になにかしたんですか?」
「あたし、レドナちゃん。魔人の生き残りでーす。あたしのせいだと思う?勇者はこういうのが好きなんでしょ?」
「何がしたいんですか?嫌がらせには度が過ぎますよ?」
レドナはロジを見て蹴りを入れた
「メキッ」肋骨にヒビが入る音がしてロジは転がる
「がは!」
「女だからって油断したねー。魔人は弱い方でも熊の数倍は体力はあるんだよ?」
「あたしね。山羊男を殺せる男を探してあんたを見つけたけどそれじゃだめだね。だからお前の仲間の大量生産ヒロイン共を殺して闘争心というものを教えまーす。」
「けほっけほっ…なんですかいきなり…」
ロジは弓を引いて撃つ構えをするが手が動かない…
「なんだ?ためらいが大きい…あの魔人を攻撃したくない気持ちが出てくる…」
「あたしはね?あんたみたいな覚悟がない奴ほどはめやすい異能があるの。好感と嫌悪感に干渉する異能。『バレンタインブーム』と呼んでるけど荒い奴には効きづらくてね。馬鹿で暴れっぽい魔人には無力に近いけどあんたみたいな、なよなよ野郎には効いちゃうの。」
「何がしたいんですか?それでこんな状況を…」
「うーん。ノフィス様もやられて新顔のイテミス様も殺されて魔人も巻き添えで山羊男に皆殺しにされたら復讐しかないかなって…でもあたしじゃ山羊男に勝てないしお前ならいけるかなって思ったけどその腕じゃ無理そうだね。」
「あたしパパが人間なの。魔人には異能は普通は無いからね。人間の血がある魔人は異能が出る場合もある。魔人はルーツを気にする派閥がほとんどであたしは外回りのパシリしか仕事を任せれなかったけどそれで魔の山に居ずに済んだかな?」
「山羊男は女も子供も敵と判断したら殺します。ロジ君はそれができないから山羊男には勝てない意味です。だからあたしがロジ君の仲間を殺しちゃおうか考えてまーす。」
ロジは怒った表情になり勇者の在り方を力説する
「勇者はね。そんなことしたら誰も勇者なんて言いませんよ。冷酷な戦士じゃないんです。血の通った正当な戦士なんですよ!」
「お前はマジで甘いです。だからお前が戦う資格があるかどうか調べてやりますよ。」
「炎魔法:遊追火…焚火程度の大きさの炎の誘導弾…食らえ!」
「ボォオ!」ロジにめらめらと炎の塊が5つボールが飛んでくる速度で迫る
ロジが建物に隠れて避けようとすると民間人が集まってくる
「ロジ様。どうしましたか?」
「ちょっと!逃げてくださいよ!前を邪魔しないでください。」
炎が迂回してロジに飛んでくるがマイルールブックで水魔法:滝壁を発動する
「滝が目の前に落ちるがごとくの水の壁…滝壁をマイルールブックで実行します!」
「ザバア!」と水の壁が現れると炎の誘導弾はロジの目の前で「ジュン」と炎を鎮火するがレドナが猛追してロジを捕まえて押し倒し顔を殴る
「ゴッ!ガッ!」拳を振り降ろしながらロジに隙を与えない
「うああ!」
「この雑魚が!殴り合いも出来ねぇのかよ!」
「バレンタインブームを見せてやるよ?みんなー!ヒーローが無様だよー?」
「ブン!」レドナの頭上に縦にヒビが入った左右が青と赤に色分けされたハートの物体が現れた
ハートの丸い左右の部分に音叉がついていおりハートの尖った部分にロープのような尻尾の先端に音叉を叩く小さな鉄球がついていた
レドナは青い部分の音又をキーンと脳裏に突き刺さるような音を叩いて鳴らすと住民たちに変化が現れた
「ロジ様が負けてるぞ?」
「ありゃだめだ…なんもできねぇな」
「見てられねえよ…」
住民たちは傍観したり帰り始める者も出始めた
「ぐふ…嫌悪感とかを上げれるんですか?…あなたはフーリガンですよ。」
「ブー!他人の期待はこんなもんです。私は0から1にできません。思っていることを過剰にする能力なのです。お前なんか世間ではこんな扱いです。感情の振幅と言ったところですかねー?」
「そうか…ティアニスさんが効いてなかったのは音が聞こえなかったからか…どこかのタイミングでみんなに聞かせてたんですね…」
ロジはレドナの背中に蹴りを入れて自分にのしかかったレドナを自分の頭の上に転がした
「おろ?女を蹴れるんだ。チキン野郎の癖に。でも元3等だからそこまで糞雑魚でもないか。」
ロジは光魔法を発動する
「我、眼に眩い光に立ち眩みて…光魔法:避光瞳!写真機の光のようなフラッシュを10秒ほど連続でパシャパシャと光る玉を出す目くらましの初級と中級の間の魔法…これはマイルールブックじゃなく僕の自前ですよ?」
ロジの手から光の玉のような魔法が放たれレドナの近くで炸裂する
「うあ!せこい魔法かよ?でもこれはお前にも食らうタイプだろ?背を向けて逃げるための魔法だな?」
だが予想外のことが起きた
しばらく静観していたティアニスが立ったまま見ていた町民が邪魔と言う理由で容赦なく蹴散らしながらレドナに後ろから接近して蹴りを入いれた!
「ドッ!」
「ぐあ!そうだった…こいつもいたんだった…聖女ヒロインじゃねぇ!血の気多すぎだろ?」
ティアニスは呪魔法を発動する…
「我が痛み…無知なる多くの者が知ることを望む…呪魔法:同傷痛苦…自分の肉体の傷を相手にも徐々に与える呪魔法…」
レドナに呪いを飛ばし、レドナの耳から血がではじめる
「ああ!こいつ!魔法防御の基本所作…魔装でできるだけこいつの魔力を払い飛ばす!」
レドナはブワッと魔力を全身から放出して呪いをある程度、排出して距離をとるがティアニスはさらに追撃の治療魔法の逆の衰弱魔法をレドナにかけようとするがジャンプして店の上に飛ぶ
「あー…わかった。わかった。あんたらそこの坊やが大事なんだね?でもあたしから点数を言いますが赤点です。このままじゃ勝てません。何人か勝てそうな人を探して応援しようと思います。また会いに来るよ。弱い方の魔人にやられてるようではダメですねー。」
「強い魔人は異能が無くても火力が高い魔法と強靭な体力を駆使します。ロジ君はあたしとそういう魔人が組んだら死にます。今度、会う時はどのくらい強いか見ますんでよろしく~。期待に応えれたらプレゼントもあげまーす。」
レドナはジャンプを繰り返し去って行った
「行きましたか…やられましたね…僕が甘いってことなんでしょうか…勇者がひどくなったら勇者じゃないですよね?冷酷キャラになるのが正しいんでしょうか?」
ティアニスは血走った目でロジを見つめて叫んだ
耳が聞こえず興奮した様子で声量をコントロールできず大声で叫ぶ
「敵は全て殺せー!邪魔する奴も全てだ!虫のように何も思わず踏み殺せ!」
「お前の敵は殺されるために生まれた!殺せるならでき限り敵を殺せ!敵の死体を見て安心しろ!そしてお前は殺すために生まれた…躊躇なく殺せ!奴らは褒美だ…金を貰えると思って殺せ!」
「ちょっと…やばすぎますよ…耳が治ってからゆっくり話しますか…落ち着いてください…」




