第61話:冒険者組合と雑魚キャラの役目を放棄した存在
セアフスシティの酒場の裏口にて
千年前の伝説の英雄であるアルシオンはシュウノに説明を終えた
「要点をまとめよう。この宇宙と山羊男と神の関係だ。」
・宇宙はランクがありこの星アグルスがある宇宙は地球がある宇宙よりランクが一つ下
・アグルス星は異界宇宙の星の中では10段階評価では6くらいのステージ
・神は太陽系や自然環境など住民を守り育てる管理者で大家に近い存在。サラリーマン社会でへまによっては交代もある
・生者は生きている間に誠実さや生き様を評価されて死んだ後に次の星がどこかに行くか決まる
・人の評価は徳という加点減点のポイント制でヒーローや王様や権力や富や名声、才能では上がらず、自分のできる範囲で誠実に生きれたか評価される
・山羊男は神とは別の系譜の破壊と不満の化身で正当な不満や怒りの蓄積から生まれると言われている。神でも倒せない
・山羊男は弱点でしか倒せず弱点は個体ごとに違うらしい。決まった弱点が無いため手探りで探さないといけない。
・山羊男を倒せなければに危険な星が捨てられるゴミ捨て場の隔離宇宙に太陽系と担当の神ごと捨てられる。猶予は100年
・隔離宇宙に捨てられたら星は山羊男が好き勝手する場所になる上に死者も隔離宇宙内の星に捨てられた神に頼んで受け入れ先を探すしかない
「要点はこんなところかね?」
シュウノはどうしようもない表情で困り果ててしまい
「わかった…この際、全部、信じましょう…でも俺の妻が死ぬってどういう意味ですか?冒険者組合もセアフス支部はやられるって…」
「君は魔王を倒した英雄だろう?危険の保証を他人に求めるのか?簡単だ…君は妻を守ればいい…私の未来視を信じるなら妻の近くにいるんだな…」
「話過ぎた…不備があると思ったらまた話そう…私は酒場でマスターと話があるからね。」
「君に話したのは山羊男に挑む気持ちを捨てないからだ。そして君の子供のためだ…君だから特別に話したと自惚れるなよ?わざと、マスターの前で君の気を引いて今回、教えたのだ。情報は無駄にしないことだ…」
アルシオンは裏口から酒場へ戻っていった…
客の声が裏口まで聞こえる中シュウノは急いで家に帰ろうとする
「アルシオンが本当か嘘かどうでもいい!…俺も夢を見ていたというのなら途中で覚めるように今後は生きる!…」
しかし情報も気になり冒険者組合の施設に行こうかと考えてしまう
「組合施設で情報を聞いてから今日は帰ろう…まだ夕方だ…夜の12時までは空いている…」
◆セアフスの林ではつまらなくなり…◆
山羊男のキャベツから眼能:剛体を得たノーマルオークのウードは2等冒険者を相手に腕慣らしに飽き始めていた
「だめだ…面白くねぇ。1等を探さねぇとな。」
ウードは2等冒険者の女性の肩を殴り粘土が潰れるようにひしゃげさせた
「あああ!姉さん!」
若い男性の冒険者を見てウードが苛立ち
「おい小僧?3等までなら見逃すがよー…1等はいつ来るんだ?そろそろ俺がセアフスに行くぞ?」
「オーク狩りで三千体いた俺達を殺した時は200人も来ただろうが?俺じゃたくさんこないのかよ?」
「俺も弟がいたがお前の姉貴よりひどく殺されたぜ?頭から尻までバックり切られてその後はバラバラに不必要に刻まれたよ…俺はやった奴を探してる。名前はオーバルってクジが言ってたな…あとトレッチって女もだ…知らねぇか?余力があるならロジ・ジョットの頭も、もいでやる。」
首をかしげながら若者に冒険者組合に不満を漏らす
「早く逃げやがれ…泣かれると俺は苛つく…俺達は感情で涙腺は動かないから泣けないが悲しみはわかる。弟は馬鹿で嫌いだったが殺されたら悲しみや憎しみが湧くってもんだ。オークが人間に危険で殺していいならオークが人間を危険だと言えば殺していいはずだぜ?」
若い冒険者の男性はオーバルと言う名に反応する
「オーバルさん?…セアフスの…」
ウードは青年を両手で捕まえて質問攻めをする
「知ってるのか?教えてくれ。頼む。俺の目的の一つなんだ。」
「ゲホッ…冒険者組合の頭取になった方だ…有名人だが知らないのか?」
「何?そうなのか?ここに新聞なんか来ないからな…クジに頼めばよかったぜ…坊主、ありがとよ?街に行けば組合施設なんか少なくて目立つからそこに行くよ。林も飽きたからな。」
「だが俺に復讐はやめとけよ?お前もひき肉になるからな。俺も憎しみがわかるからお前と同じって意味だよ。仲良くしようぜ?」
ウードは青年を川に投げ込んで放り棄てた
「うああ!」バシャっと水しぶきをあげて流されて行き見えなくなった
「泳げるならどこかに捕まりな。冒険者は一般人より強いから大丈夫だろ。」
ウードが冒険者の遺体を積み上げていると上空から羽ばたく音が迫ってきた
カワラ鳩の特徴をもつ風見族の男が林の木に降り立った
「よう?ウードってオークだな?お前がアルガナ神に縋り付いていたのは見ていたから外見でわかるぜ?3mくらいの喋るオークはお前くらいだ。」
「俺はコベグって名前だ。よろしくと言いたいがその死体の積み重ねでは印象最悪だな。今後は俺がアルガナ神がクジとお前の伝言役だ。そしてお前らの魔力を少し貰う。『記憶磁針』という10万ルオン(一千万)もする魔力を覚えさせて方角を指し示す魔法のコンパスにお前らの方向を覚えさせる。」
ウードは首をかしげて口を走らせる
「山羊男が俺達の位置や伝言のために10万ルオンも使ったのかよ。俺達もさぼれないね~。安心しろよ。俺もクジも真面目にやってる。俺に大金を使われるなんてなんだが大物になった気分だな。俺も1等冒険者と同じか?」
「わかったよ。記憶磁針に魔力を覚えさせればいいんだな?居場所を気にされるのはちょっと怖いけどな。でも眼能は素晴らしいぜ…ようやく雑魚のオークにもツキが回ってきたってことだぜ…」
「一応、心配だがしくじったからってぶっ殺したりしないよな?よく下手な悪役が部下を処刑するだろ?あれは悪手だぜ?」
「さあな?だがアルガナ神はいかれた客でも見逃したらしいからな。リボバルみたいに外道アピールをしなきゃ大丈夫じゃねぇのか?だが失敗しても大丈夫だと思うのはお勧めしないぜ?」
コベグはさらに差し入れにと樽を渡す
「口惜しいがアルガナ神が魔物のお前に差し入れだとよ?この前、アルガナ神にクジは透明化魔法を披露したが、お前にはできることがクジより少ないのかって心配してよ?呪詛の実を2000粒持ってきた…」
「食えば食うだけ肉体の許容量を超えなければ魔力が上がる。ちなみに食いすぎて暴走したら亜人は知能がなくなり龍化するが魔物は不明だな。食べても体の細胞にいきわたる関係ですぐには効果がでないぞ。」
「アルガナ神が失敗しても困るって追加支援しているって意味だ。呪詛の実は俺達、アルガナ党にもアキレス腱だから誰にも言うなよ?貰わないなら俺が持ち帰る。ちなみにこの量で200万ルオン(二億円)以上の価値で売ってる」
ウードは笑みを浮かべながら樽を受け取る
「噂で呪詛の実のことは耳にしたが山羊男がやってたのか…それを俺に追加支援かい…やっぱ魔物を捨て駒にするイテミスとは違うぜ…キャベツだったか…一生の恩人だぜ…友人になりたいが友情はあいつはわかるかな?」
ウードはコンパスの針に自分指を噛んで血を垂らしてコベグに返し樽を掴んで呪詛の実をガツガツと咀嚼し呑み込んだ
「クジならセアフスに先に行ったぜ?最近、セアフスは検問が厳しいからな。風見族も簡単に出入りは難しいかもな。」
「クジをコンパスに覚えさせるから俺は行くぜ?あばよ。俺も褒美のために動いてるからな。好きでセアフスには来たくねえな。お前らが暴れてるならなおさらだぜ。」
飛び去って行くコベグを見てウードはセアフスシティに向きをぐるりと変えるのだった…
「腕慣らしも終わった…呪詛の実とやらの効果が表れ始めたら街に行くかね?俺もノフィス様みたいになれるかな?だがノフィス様は正面突破はしない知略家だから俺は無理か。切り込み隊長だぜ…ククク」
◆セアフスシティの組合◆
シュウノは噴水広場を通って組合事務所に向かった
「メイリアが投げられて死んだ酒場はここだったな…アルシオンがいた店とは別の店だが俺は行けないな…あれ?酒場が営業している…壁にメイリアが投げられて突き破った場所は違う色にされてる…まさか店のアピールに使ってないよな?」
シュウノが心配しながら歩いている
「実はメイリアと付き合いたかった気もあったんだがな…メイリアが死んでセイルがその後、妊娠したって言うからそんなこと考える暇もなかったけどさ…魔王を倒して酔ったあの夜に流されて…でもそんなこと言えばセイルに失礼だし秘密だ…」
「メイリアも人畜になって戻ってきたから一度ゆっくり話したい気分だよ…俺の悩みを聞いて欲しい…でもメイリアにルナムもセイルも妊娠したって話したら斬られるかもな…言えないって辛いよ…」
冒険者組合施設に着いたシュウノは中の様子に驚いた
トレーニング道具がたくさん置いてあるのだ
「どうしんたんですか?これはいったい…前は机やゆっくり話すカフェもあったのに」
受付嬢に話しかけると代表がオーバル氏の意向の影響だと語る
「現、セアフスの冒険者組合代表のオーバル氏ですが弱い冒険者が多いと嘆いておられます。そこでいつでも自発的にトレーニングができるように施策を考えているのです。」
「仲良くするために組合は無いとの意向です。『強くなって頼られよう』がセアフスの支部のスローガンになりました。」
「新聞があれば人は読む…トレーニング道具があれば人は使うというアイディアでございます。きっかけが大事ですからね!」
明るく言う受付嬢に違和感を抱きながらも
「ここ最近の、セアフスの冒険者の動向とか変わったニュースとかある?」
「セアフスの林で冒険者の2等以上が殺害されている話が上がっています。その犯人がノーマルオークという話が被害者の付き添いの冒険者から証言がとれています。現在調査中ですが調査に向かった者も殺害されたとのことです。」
すると後ろから声をかけられた
最初に会った時の似たような状況でオーバルが近づいてきたのだった
「よお!兄さん。この前の結婚式の祝儀はありがとな?マグロまで切ってくれて。俺もでかい家が買えたぜ。この街に限るが兄さんより偉くなっちまったな。俺が今の代表だってよ?人生わからんものだよな?」
「オーバルさんが施設をトレーニング場所みたいにしたんですか?それにセアフスの組合の代表って…」
「まあ半分は当たりだな。俺が鍛える場所を増やせって会議で主張したらこうなった感じだ。冒険者が弱かったら一般人と差が無いだろう?ボクサーのパンチが弱いんじゃ見世物にもならん。カフェなんかしてる場合じゃないぜ。」
「支部の代表についてはA級をトレッチと一緒に倒していたら俺も出世したのよ!就任して貰えたものなんて任命状の書類と細い最新の魔法の片手剣くらいだがな。俺は大剣を使うから部屋の飾りにしかならなかったがね。」
「聞いてくださいよ。オークが林で冒険者狩りをしているって…どう思います?」
「俺は真っ先にその話を聞いて眉唾かと思ったがどうも本当らしい…強さは種族とは無関係な場合もあるということだ。人間の中に天才が生まれて普通以上だと言われるようにな…」
シュウノが不安を抱えた表情になり…
「山羊男が関係があると思いますか?セアフスを攻撃しに来る理由があるなら…」
(多分、飼い主のギノが狙いだろうな…あいつは兵士とメイリアを叩き殺したから恨みがあるのはもうギノしかいないはずだ…)
「そうだな。1等を林に依頼してみるか。それでやられるなら俺が行こう。そんなオークがいるなら俺が倒して功業にしてやろうじゃねぇか。だがオークを倒しても一般の連中は自慢にもならないと言うかもな。ネズミが熊のように強いって話はだれも信じないからな。」
◆セアフスの入り口で◆
ウードはセアフスの検問所の前に歩いてきた
見張りの兵士が槍を構えて威嚇する
「魔物だ!このあたりにオークがいるなんて…だがオークごときにここは破れん!」
弓が壁の上から飛んできくるがウードの肉体には硬いものがぶつかって落ちる程度でしかない
「ちょっと痛いけど石を軽く投げられた程度だな…俺は普段、弱いから回りくどくやるが今回はストレス解消だ…正面からやらせてもらうぜ…」
ウードはイノシシのように突っ込んで検問所を破壊した
「ゴバァ!」
「うあああ!兵士はドカドカと蹴散らされ検問所の壁を破壊してぶち破られた
「さて本日のメインキャストの入場だ…英雄の本はこういう時に駆けつけて女と吊り橋効果で恋仲を深めるが今回はそいつら全員が死ぬ。」
「下らんメロドラマをぶっ壊してやるぜ…」




