第57話:山羊男と発狂したアイドル
今回の登場人物
山羊男:不満の化身で支配者を嫌がる傾向。頭は山羊の怪人でマニーちゃんは45話で話があります
バロット:ミミズクの鳥型亜人・風見族の青年で山羊男の付き人になり利益を狙う
ベルトラ:チョウザメの半魚人・鱗清族の女性で亜人が統治する国を欲しがり山羊男の下で働く
マレロニー:発狂した元アイドルで芸名はラブリーキャット・マニーちゃん
山羊男のキャベツはケセマ村をエクラル皇女とスディッキュ領主を含む悪人達を獣畜達で皆殺しにして奴隷を解放した後、シルバナの族長の館に帰ってきた
丁度、出発して三日後であった
「今、戻った…お前らに報告があるから後ほどアルガナ村で集会を開くので党員に伝えておけ…時間は今週の日曜日の午前9:00だ。」
「バロットは仲間と一緒に後でケセマ村に俺と同じ顔をしている種類の山羊を全て買いに行け…シルバナに連れてこい。実験に使う…」
「わかりましたー。何の実験ですか?」
「結果が出たら教えてやる…今は細かく聞くな…俺と同類を作る意味ではないから安心しろ…」
ベルトラはケセマ村がどうなったか問い詰める
「で?ケセマ村はどうだったの?リボバルみたいにぶち殺した訳?」
「ローディグ王国の法から見ても重罪になる商売や違法行為ばかりしていた。俺はクジから貰った透明化の布を被って観察したが途中で効果が切れた。その後、奴隷売買は生きるために必要か質問したら連中が襲ってきたので戦った連中を殺し、家畜を獣畜と名付けた猛獣に改造して奴隷以外は好きにさせた。」
「人間が家畜に食われても文句は言えない…そしてエクラルとか呼ばれていた偉そうな若い娘が俺に挑んだから死んだ。命乞いは聞いて助けたが逃げる際に自分からチャンスを捨てて豚の餌になった。理由は不明だが著しく知能が低い人間だった。我儘の程はイテミスと同じかそれ以下だ。」
バロットは危惧を表情に浮かべる
「エクラル皇女を殺したんですか?ラグド帝国は馬鹿ですからね。独裁政権に近い国は身内のネタで簡単に周りを巻き込む戦争をする国ばかりですよ。人間の中でも知能が低い類で話し合いが通じません。」
「どこの国も民間人を平気で戦争に巻き込みますよ。民間人は戦いに巻き込むのは駄目と言われますが守る国は少ないです。ラグド帝国なら平気で相手のせいにして正当化します。」
キャベツはシルバナの将来の危険を与えたことに後ろめたさを感じたらしく
「今後、俺にラグド帝国が逆恨みで来るかもしれない…俺はその責任としてラグド帝国が何かしてきたらシルバナとアルガナ村のために戦おうと思う。お前らは住民の避難の訓練をさせておけ…」
ベルトラはそれなら今からやれと不満を言う
「今から、ラグド帝国をあんたが消しなさいよ。あんたなら簡単でしょ?」
「俺は先制攻撃をしない主義だ。奴らの出方を見る。このまま何もしないかもしれない。」
「あんたがずっと元気ならいいけどね…。野球選手だって手を怪我したらバットは握れないのよ?あんたが鱗清族に命令した大川の上流の避難所はまだ建てている途中よ。」
「それでケセマ村は残っているの?消えたの?魔の山みたいに爆撃して消したの?」
キャベツは日記を開いてケセマ村のレポートを書き始めた
「あそこは奴隷にくれてやった。生活できる設備はあったからな。行先がないならこの上ないはずだ…」
バロットはベルトラに勝ち誇った顔になり
「賭けはボクの勝ちでーす。ケセマ村が残るなら千ルオンでしたよね?消えるならベルトラさんが勝ちでしたが。」
「チッ…でもいいわよ。ねぇキャベツ…覚えているわよね?シルバナを攻める国が出たら征服して私にくれるって…ラグド帝国を私にくれるの?」
「お前にくれるは間違いだ…ラグド帝国が攻めてきたら指導者層の連中を殺し、シルバナに来させないためにアルガナ党に管理させてやる。お前だけ優遇はしない。風見族と鱗清族で共同管理しろ…取り分で揉めたら理由によっては罰を与える。」
「時期が来たらお前らもクジとウードのように眼能を欲しければくれてやる。俺が不在の時に攻められて死ぬリスクは少ない方がいいだろう?ラグド帝国が来るリスクを高めたのは俺のせいでもあるからな…」
ベルトラは納得した様子で
「わかったわ…私もその約束を信じてあんたに命をかけるから裏切らないでよ?今度、モデファルが来た時だけどね…私らでいくつかモデファルと取り決めをするけどあんまり干渉しないでくれる?一族の方針まであんたは口出さないのよね?」
「俺にお前らの未来まで決める資格はない…魔王や人間の支配者のような矮小で暗愚な目的には興味が無い。エクラルやイテミスの内面はどこまでも浅はかで死んで初めて他人によかったと思われるだろう…俺は死んだ後にどんな評価になるだろうな…奴らと同じか?」
「お前らは俺をどう思う?お前らの目的を叶えるための存在か?」
そう話していると風見族のキツツキの特徴を持つルクセが入室してきて早口で報告をしてきた
「異常者が来ました!あなたを呼んでます!」
「お前はルクセだったな…リボバルが連れて来た奴隷のエルフはまだ送ってないのか?」
「あの人はまだ落ち着いてませんからまだ帰せません!しかし異常者がものすごくうるさく吠えています!」
ルクセが早口でしゃべり、唾がキャベツにこの前のようにかかる…
「異常者とはなんだ?おかしなことをする奴か?変な奴を俺にいちいち会わせるのか?」
ルクセは困った顔でごもっともと言いながら
「その異常者というのはアイドルのラブリーキャット・マニーさんなんです!本名はマレロニーさんというらしいですが、かなり錯乱状態であなたを呼んでいます!」
「…わかった…どういうことだ?なぜ俺に会いたがる?あの雑誌では確か人だかりで目立つ仕事をしている連中だったはずだが…それとお前は唾を飛ばすのはやめろ…」
****狂気の元アイドルのマレロニー
外に出てキャベツはマニーちゃんが捕まった木の檻を見ている
「私を見ろ――!!!!俺が何に見える?お前は正気の化け物ですかー?お前に会いに来たぜ?実際に見るとマジキモいなお前。頭は動物の山羊に白い毛で体は人間…紺色の半ズボンだけ着てるって意味わかんないね。」
キャベツは山羊男になって初めてショックというものを感じたらしい
顔は不安そうに下を向き耳が垂れてしまう
「…雑誌と全然違う…だいぶやつれているな…髪もぼさぼさで顔つきも違う…部屋に戻って持ってくる…」
バロットは「ボクが持ってきまーす」と言って雑誌を部屋に取りに行った
狂乱の様子としか言いようがないアイドルにキャベツはマニーちゃんを怪物と感じたらしい
「どうしたんだ?何がしたい?なぜ叫ぶ?お前の全てが理解できない…」
「お前がそんな顔してるから俺がこうなったんだよ!!草しか食わないからお前ら馬鹿なんだ!」
「名前はなんだお前?教えろよ?気色悪い顔しやがって、私に興味あったんだろ?俺のいた町で噂でな…画家が『ぷにぷに肉球天国・極上至福』をてめぇから聞かれたって意味不明な話が俺の耳に入ったわけよ。」
「お前、ほんとキモいな?俺の事、殺してみろよ?ムカついて悔しくねぇのかよ?」
支離滅裂な様子にキャベツが理屈や話が通じない人間に興味を持ってしまう
近くにいた風見族と鱗清族が思わず感想を漏らす
「哀れだ…いかれてやがる…狂人とはマジにいるんだな…」
「病気だよコイツ…アル中か?酒の匂いもするし…狂ってるぜ…世も末だな…」
山羊男のキャベツは檻の鍵を貸してくれと頼みマニーちゃんを外に出す
「俺の話を聞く気があるなら答えてくれ…お前は何者だ?」
マニーちゃんはキャベツに乱雑に殴り掛かりキャベツは無言でか弱い暴力を受けている
「私は病気だよー?病原体の人類代表でこの星のスーパーウィルスでーす♥全ての命を食い荒らし資源を浪費し汚しつくす存在でーす♥」
キャベツは初めて混乱でしかめた顔をするのだった
「人間の内面も壊れるのか?お前の話は筋が通らず滅茶苦茶だ…積み木で言うなら積みあがらずひたすら散らかすだけだ…」
するとバロットが帰ってきて雑誌を渡す
「マニーさんは先週から行方不明みたいですねー。原因は不明ですが多分、加齢で仕事関係で捨てられたかなんかだと思いまーす。」
「あの業界は最悪に人間関係が汚いと世間からも言われているのにみんな注目しますからねー」
「しかし、あなたに暴力を挑むなんて命知らずですねー?今回は反撃で殺さないんですかー?」
デタラメな行動をするマレロニーにキャベツは意味を考えようとする
「殺す気でこいつは俺に攻撃していない…でたらめで力任せで勝算もなく俺に殴りつけている…理由がない猪のようだ…」
「うふふ♥山羊さん可愛い!私はお願いに来たの―♥魔族を皆殺しにしたんでしょー?人間さんもお願いしまーす♥星を奇麗にしましょーよ?」
「私とーってもエコロジストなのー。私も山羊さんみたいになりたいなー。そしたらみんなを消せるのにー!うらやまし―!」
「クズどもを殺してエコにしましょー。エコロジーと殺すってコロがかぶってるから同じ意味だよねー?」
キャベツは気分が悪そうな表情を浮かべてかなり焦った顔をしている
「なんだ…言いようがない気分だ…俺もこの女と同じか?ボロボロにされて暴れている…」
「ひとつ違うのは俺には手段がある点だ…」
「人間を全滅させるのは間違いなのか?この女を見ても答えは出ないから人畜のテストは継続するが…」
マニーちゃんはキャベツの耳を引っ張りまわして草をむしって口に入れようとする
「はい!あーん!アイドルが食べさせてますよー?シャッターチャンスイエーイ!私、動物園でよく山羊に餌をやってたのー!いつも餌にたかるからあごのひげ引っ張っていたずらしてたの―!」
キャベツは過去を思い出したのだった
「思い出した…俺をギノの家に連れて来たのはギノではなく奴の妻だった…俺に名前を付けて草をよく口に近づけて食わせようとした年が中年の女だった…」
「しばらくして俺とギノを置いて家に帰らなくなったが…ギノが俺をなぶりものにしだしたのはその後だ…」
キャベツは拳を振り上げてマニーちゃんに振り下ろそうとするが途中で止めてしまう
「こいつはしばらく様子を見る…家にも帰らんだろうしな…」
「はぁ?俺が帰るわけねぇだろ?ウイルスやばい菌はくっついたら死ぬまで離れませーん!お前が潔く死なねぇから俺も死なねぇんだよ?わかるだろ馬鹿たれが。だからお前は草食系男子なんだよ。」
「わかったか身の程知らずの豚野郎?俺達は悪霊だよ…全てを呪い死に向かわせる特大がん細胞でーす!お前も私と同じドクサレアイドルなのー!」
マニーちゃんに圧倒されてすっかり後手になるキャベツは名前を答える
「…名前を聞いたな?俺は他人からつけられた名前でキャベツと呼ばれている…」
「え?キャベツちゃん?可愛いー!ペットの名前みたい!貴様はキモすぎて誰も飼いたくない見た目だけどね~!」
マニーちゃんを見て言葉を失うキャベツだった…山羊男になって初めて戦いに負けた気分だった
キャベツは雑誌を見て“ぷにぷに肉球天国・極上至福”の質問をする
「もし、お前がこの雑誌の“ラブリーキャット・マニーちゃん”なら“ぷにぷに肉球天国・極上至福”を歌えるのか?」
「どんな歌か教えてくれ…最初にこの雑誌を見たときに歌と言う物が何なのかわからなかった。人間を引き寄せる要素があるのか?」
そういうとマニーちゃんは絶対に見たくないものをその場にいた者にみせた
「1曲歌いますか?私の歌はこれでーす!」
キャベツにキスをした…
****キャベツの敗北
山羊男はかなり苦しんでいた
怒りともストレスとも違うどうしようもない衰弱感だった
「あの女はなんなんだ?初めてだ…怪物とはこういう意味か?」
「…俺の口に自分の口をつけたのはどういう意味だ…俺の味見か?肉食動物は味見をするらしいから俺を家畜として餌に見たということか?」
バロットは気分がかなり悪そうに
「あの人は誰にも理解できませんよ…ある意味、死んでますよ…」
「あれは…キスといって親しい異性に口をつけてスキンシップの意味ですが…」
(おそらく史上最低最悪のキスシーンだよ…見た奴、全員呪われたよー…)
「今、あいつはどうしてる?話はできるのか?」
キャべツはすっかり怯えてしまったのだった
人間の狂気は怪物でも理解できないらしい…
「落ち着かせて医者に見せた後にあの人に空き家を貸してあげましたが大声で歌って周りを困らせます…。」
狂人の様子を見るためにキャベツはマニーちゃんの家を見に行った
「なんで俺はあの壊れた女に興味を持っている?本を読んだ方がマシに決まっているのに…」
すると窓から勢いよく飛び出してボトっとこけて着地したマニーちゃん
「見に来てくださいましたねー☆私は歌を作ってたのー♥タイトルは『ゴート・トゥー・デストロイ』でーす!」
「おいしげる無垢な緑色の草たち~♪すべてを食らいつくし~荒野の無に帰す~♪めぇ~!後にはぺんぺん草も生えない~♪」
キャベツは埒が明かないことに怒りを募らせる
「もうやめろ…お前は何がしたい?助かりたいのか?なぜ森にきた?」
「ぐすん…私はね…愛が欲しいの…あなたも同じでしょ?愛ってね、殺したくないって意味なの…大事に思う人が元気にいてほしいって意味なの…」
キャベツは愛という言葉に興味を持ち
「愛とはなんだ?男女が好きと言いあう確認の挙動のそれか?お前らは勝手で残酷な存在だろう?命を大切にするのが愛と言うのならお前たちの種族はそれができていないはずだ。」
「ブー!違います―!やっぱり山羊は馬鹿だよな~これだから雑食の人間に負けるんだよ。俺が教えてやるよ。それはこの前のチューでーす。」
キャベツはマニーちゃんに余裕があるのかと聞き
「お前が帰れる余力があるなら元の場所に帰れ…俺を困らせるな…俺は戦いになればだれでも躊躇なく滅ぼす…お前が俺を倒す気ならもっと本気で来い…」
「無理だよ…お前弱いもん…私みたいな雑魚人間すら相手に出来んだろ?貴様は強がってるだけの着ぐるみ野郎だよ。敵をぶっ殺すのはお前の弱さの表れだよ。ビビッて膨らむハリセンボンだよ。」
「では、何が強いのだ?お前のように内面が壊れて行き倒れるのが強いのか?」
マニーちゃんは笑顔で振り向いて
「死に場所は俺にとってどこでもいいんだよ!俺の存在を覚えてくれる奴がいれば俺は不死身なんだ!それが愛情でーす!強さなんか死ぬ前に幻だって気づくものだぜ?存在しないんだよ。若さと同じかもな。」
「お前がぶっ殺してきた連中なんてお前の汚点にしかなってねぇだろ?誰もお前がすごいとか思わねぇよ。ただの親にキレて暴れるクソガキだよ」。
「その証拠に人間がお前を襲ってるだろ?普通、頻繁には来ないよね?人を食った熊とお前は同じで自然の摂理を言い訳に暴れてるんだよ。お前って頭よさそうで馬鹿だよな?」
キャベツは耳が垂れて黙ってしまうが
「お前の言う通りかもな…しかし戦いを止めれば敵に命を投げ捨てるのと同じだ…お前の言い分は弱者の捨て身でしかない…それは的を射たことを言うだけでは無意味なことだ…飢えや暴力で苦しんでいる者が現状や理想を説明されても助かりはしない。」
「そう思う?だったら俺と結婚しようぜ?私と結婚したら馬鹿な化け物とアイドル崩れのババアのコンビで最強夫婦だぜ。」
「そのダサい半ズボンは何ですか~?お前のセンスは豚の糞以下だよ。結婚式はタキシードでこいよ?間抜け面。そんな顔だからお前は舐められるんだよ。」
山羊男は人間のマレロニーに人生をやり直せと聞いてみるが…
「お前はまだ若いだろ?なぜ自分から人生を捨てる?雑誌の顔より印象が違うが大差はないはずだ…別の方向でやりなおせないのか?」
「ほんと、毛むくじゃらの馬鹿はデリカシーねぇな?おいケダモノ?俺達はフルーツと同じだよ。みずみずしくないと美女じゃなくてババアなんだよ?」
「キモいジジイのショタコンやロリコンが会長やトップの業界とか想像できないだろ?客もお前より馬鹿ばかりだが山羊ちゃんも馬鹿だから想像できないよな?」
「私は今年で27歳でーす!まだ26歳だよ?山羊ちゃんは何になりたいの?鳥さんと魚さんと仲良くしてるの?」
「私から見たらお前は犬の糞で鳥さんも魚さんもお前という糞の周りにたかるハエと蛆虫でーす!」
「それとも山羊ちゃんはサーカスの座長で鳥さんとお魚さんと芸をしてますかー?座長さーん。私は野蛮人の猿の人間だからお客さんでーす。」
鱗清族のベルトラがかなり苛立ち我慢の限界を迎えた
「おい…糞女…黙って死ね!」
長い串のようなシンプルな槍を構えてマリーちゃんに急加速をかけて突っ込む
「水魔法:流走…魔力で水を再現して自分が急な勢いの川に乗るように直進移動をする移動魔法…」
しかし、キャベツがかばい背中を突かれてしまう
「な…!」
キャベツはベルトラに振り向いて警告をする
「お前の行動だが今回は許す…この女が過失を出さない間は手を出すな…もし今後、お前らが何かしたらその部族には二度と手を貸さない…」
「…こんなに礼儀知らずのいかれた女を許すの?私達に恥をかかせたのよ?」
「まだこいつは何も壊していないし誰も傷つけていない…侵入者だが檻に入れていたなら罰なら十分与えただろ…公平な理由もなく暴力を振るうな…」
「こいつの言っていることはただの荒唐無稽だ…それでもやるなら俺が相手をする…」
マニーちゃんはがっかりした様子で
「なんだよ?別にぶち殺されてもよかったけどな。目の前で死んでお前が覚えたならそれでいいよ?お前はぶち殺すのが好きだから人間救ったらキャラぶれるだろ?」
「私をぶち殺せ~☆でも山羊ちゃんは去勢されて玉無しで腰抜けだから無理か…拍子抜け―☆」
キャベツはマニーちゃんの腕を掴んだ
「えー?私に興味あるの?私はババアでーす!山羊は若い人よりババアが好きなんですかー?それとも俺をぶっ殺してくださりますかー?オホホ楽しみ楽しみ~!」
キャベツはベルトラから槍を借りてマレロニーの腕に傷をつけて自分の肉を毟ってつぶし液体を傷口に入れて歪んだ空間を覆って作業を始めた
マニーちゃんは雑誌の頃のような若い状況になった
「これでいいのか?年齢で苦しんでいたのならこれでやり直せ…お前は年をもう取らない…年を取りたいならまた来い…もう帰れ…」
「はー?勝手になにしてんのお前―。頼んでねぇのになー、うける~♥ お前、私がこんなことで喜ぶと思ってんなら人間を見くびりすぎだよ。やっぱり山羊は低能の馬鹿野郎だねー。決めた。俺と結婚決定なー?どこまでも付きまとうぜ。」
「でも、花嫁修業にいったん帰るよ。私も乙女だからね~。お前、戦争する気ならちゃんと人類滅ぼせよ?俺と一緒に最後は死のうぜ?」
「でもお前ビビりだからな~人のせいにしないと暴れる度胸がねぇだろ?悔しいならなんか言えよチキン野郎。お前、襲われたら滅ぼすって言ってたな?」
「僕は悪くなーい!敵が悪いからいっぱい殺した~!言い訳してぶち殺してますけど僕悪くなーい! お前の正体はこれでーす♥堂々とバンバン問答無用でぶっ殺したほうがマシじゃねぇの?」
「お前はほんと馬鹿でビビりだよな?正当防衛を口実にするってこと?お前そもそも人間じゃねぇから大勢ぶっ殺しても無罪だろ?なんで理由を気にするの?マジだせぇーぷぷぷ!」
キャベツは黙って聞いていたが我慢できなくなり苦し紛れなのか言葉を返す
「…お前は狂っているのか?それとも本質をついているのか?どの道、現状を変える力を無い存在が何を言おうと何も変わらん…何度も言うが帰れ…帰ってくれ…」
「ぷりぷりーん♥弱い側もさっさとぶっ殺せない雑魚山羊が強がってやんのー♥」
「そういえば肉球天国が聞きたいとかアホ丸出しのこと俺に言ってたな?今日は演奏が無いので歌声だけじゃステージになりません。」
「おい烏合の小鳥さんたちと雑魚の小魚さんたち?また来るからその時まで“ぷにぷに肉球天国・極上至福”のバック演奏の練習と会場の設営を頼みまーす!私の歌だけだと森じゃ盛り上がらんからな…あ、私ったらダジャレいっちゃった。えへへ!」
「アホ面の不細工野郎?お前が期待してた“ぷにぷに肉球天国・極上至福”はおあずけでーす☆また来るからその時ね~結婚式の会場も考えといてね~。」
「歌う代わりによ~?今度、私が来たらお前と同じ顔の黒山羊さんにしてもらおうかな?俺もそのキモイ顔になってみたいぜ。お前だけ哀れなら滑稽すぎて、しょーもないから俺も混ぜろよ?同じ穴の狢の仲間だろ?」
「貴様みたいな世界最悪の脅威と子供もつくりまーす♥七人産んで七ひきの子ヤギのお母さんになっちゃいまーす!そいつらを率いて狼さん達を絶滅するまでぶち殺しましょうー!井戸に捨てたら死体が溢れちゃうかもねー。」
「7匹分の子ヤギのために母乳も出す練習もしときますかー?山羊のミルクと人間の母乳は似てるらしいから逆に山羊が人間の母乳飲んでも問題ないだろ?俺が哺乳類代表としてお前に無理やり飲ませてやるよ。」
「愛情を知らない可哀そうな甘えん坊だからな。マジに感謝しろよ?ママ~って情けなく甘えやがれ、マザコンのカス野郎。お前みたいな不細工な7匹の子ヤギとお父さん山羊にミルクあげるでちゅ~!」
「たてつく奴らは1匹残らず皆殺しにしようぜ?家族でピクニック気分の破壊活動を行えば生き物より死体の方が増えちゃうかもねー。恐怖の生ライブだぜ!みんな恐怖コンテンツ大好きだろ?」
「俺達、教科書の特集ページに掲載されるのは間違いなし!教科書はクズ以下の征服者や戦争狂ばっかしか載らねぇからな。ギャハハ!」
「私は滅びを生む母でーす♥お前もパパだからな?育児放棄しないように家族計画立てとけよ?題して『世界滅亡・7つの大罪断罪計画』でーす☆」
その場にいた風見族も鱗清族も同じ気持ちになっていた
「完全に狂ってる…精神異常者だ…どうすればこんな奴が現れるんだ…狂気の権化だ…」
マニーちゃんは森から去って行った…
「おい…俺は引っ越しを早める…お前らに俺がいなくなろうと続く褒美をやるから家を建てるのを早めてくれ…今からでも本の移動を手伝え…マレロニーが来ない場所に俺は住む…奴は正真正銘の怪物だ…」
****山羊男とアルガナ党を嫌うピー太郎の派閥のシルバナ党
マレロニーの様子をみていた鰻の特徴を持つ鱗清族のネリモはピー太郎の仲間であるラルエグとポーチに相談していた
「あの怪物も人間を恐れるらしい。何か使えないか?」
鷲の特徴を持つ風見族のラルエグは頭をかきながら“くだらない”と一蹴する
「あんな狂人なんか無意味だ。なんに使えるんだ?」
しかし九官鳥の特徴をもつ風見族のポーチがマレロニーの存在に食いつき
「あいつに恨みがある風見族は多い。マレロニーがシルバナにまた来たら演奏してあの怪物にショックを与えるのに使えかもしれない。」
「バカバカしいけどそれで精神的な弱点が露見できれば何もしないよりいいかもね。あたしはあいつが弱るならなんでもやるわ。族長と風見族を殺したあの怪物とそれに乗っかるアルガナ党は全員殺す。」
「ラルエグが無駄だと思うなら演奏できる戦えない風見族に相談して山羊野郎に嫌がらせをするわよ。マレロニーがきたら歓迎するわ。」
ネリモは不安そうな表情になり
「マレロニーであいつに不安を与える作戦も狂っているな…どうも全員がいかれはじめているらしい…」
「キャベツの家はそろそろアルガナ村にできるから奴はシルバナの族長の館を去るだろう。この族長の館よりかなり大きくて立派だ。鱗清族と風見族の建築技術がふんだんに詰め込まれた具合だ。あの化け物は何も命じていないのにアルガナ党の連中は奴に恩を売って少しでも利益になる行動を奴に期待している。」
ポーチは怒鳴り散らし
「あんたも協力する気なら鱗清族の糞山羊をぶち殺したい奴を一人でも呼んできなさいよ!あいつはあたしの父親の族長を殺したの!あいつが死ぬなら例え糞でも食うわよ。あんたも演奏くらいは手を貸しなさいよ!」
「今から『ぷにぷに肉球天国・極上至福』のレコードをサントシティに買いに行くから練習するわよ!」
「やはり敵も味方も狂っているな…私は太鼓を叩けるから演奏には手を貸そう…」
ネリモは呆れながら楽器をとりに向かうのだった




