第52話:勇者のチームはキャラゲーみたいに余っては駄目
ロジ・ジョット:概念能力者の類です。概念能力者は大体はつまらないからこのキャラを考えました。
シャト:正義の味方を志す、ヒーロー願望の氷の能力者
ロジたちがビジ村の外へA級の危険度の魔物の下見に行った後、ロジャノとイグナはビジ村に残り自分たちの状況を話していた
「ロジャノ様は観測役で来たならロジについていかなくてよかったのですか?」
「わしは毒沼主との戦いで魔力をかなり消費したから休憩もいる。それに下見じゃろう?戦う時は見るからそれで十分じゃ。下見で死ぬようなら山羊男に戦う資格がないということじゃ。わしはお主達を心配するために来たわけじゃない。」
ロジャノは国王の様子をイグナに教えて悩みを打ち明ける
「イテミスが山羊男との戦いを全世界に魔映という映像を飛ばす魔法で放映した。映す道具があればそれで見れるのだが映像はイテミスの最後の攻撃で中継が途切れた。わしはイテミスが勝ったと思ったが後日、魔の山が消えたから山羊男がイテミスと魔人を殺したということじゃ…」
「エリクトピ国王じゃが、その件でかなり不快感を感じておる。シルバナは山羊男の国になったも同然じゃ。奴を刺激しないように手を出さなかったのが裏目になり風見族が奴に寝返った者までいるらしい…山羊男を倒せる戦士がいないことをかなり不満を漏らしておる…」
「風見族に金くらい出せばという批判もあるが魔王ノフィスとの戦いで財政も余裕がないからのう…国民からも少数派の風見族の亜人を優先するのかという批判も出るから国王だけのせいでもない…そこにロジの話がカタム領主から来たから陛下も関心が出たと言う意味じゃ。」
イグナはロジでは性格が心配だと先行きが見えない
「ロジは軽薄ですが悪人ではありません。この際、善人か悪人かは関係がないですが今の精神状態で望めば間違いなく私達も死ぬでしょう。山羊男は噴水広場で戦う経験がまるでなかった状況でもメイリアを片腕で殺してしまうほどの怪物です。実際に見た時は私も固まってしまいましたよ。」
「まったく、山羊男といいロジ・ジョットといいこの時代はカオスじゃ…わしとパリウスがで済めばいいのじゃがレセプトの守衛の立場で離れにくい立場じゃ。どうしたものか…」
イグナの上空から渡り鳥の手紙が飛んできて手元に降りて来た
開封して中身の暗号化を解くとシュウノからの報告だった
<セアフスの状況とこのシュウノの現在の状況について>
・俺はカタム領主の下について山羊男の飼い主の護衛についた
・メイリアと似たような改造を受けた人間がセアフスに現れ始めている
・改造人間は人畜と呼ばれているらしく、セアフスを出入りしていた人間が改造されてペットのような耳や尻尾を付けられて健康体と若い状態にされ、また帰されているらしい
・目的は不明だが恐らく人間社会の反応を見ていると俺は思っている。カタム領主は人権を認め仕事を紹介する方針でケアをする気らしい。
・まだレセプトに報告するかはカタム領主も悩んでいる。中央政府が人畜を乱雑に扱えば山羊男がどんな反応をするかわからないため
・風見族がツアーで警備を固められて大量に買い物をしている。カタム領主は山羊男が稼ぐ手段を風見族に提供していると怪しんでいる。俺は客の盗み聞きで争いが起これば需要が安定するという内容の会話を聞いた。何を売っているかは不明だがカタム領主の予想が恐らく濃厚。
イグナは迷った表情でロジャノに話すか悩んでいた
「また面倒になったわね…ロジャノさん山羊男の件ですが…」
そう話しているとティアニスとロジとメイリアが帰ってきた
「すいません。奈落堀は見つけたんですが別の未発見のカラスの化け物から大声の攻撃を受けて奈落堀は死んでティアニスも耳を負傷してカラスは逃げました…」
「ティアニスさんは自力で治療すると言いますのでしばらく休ませます…」
しかし、ティアニスは「歩きながら治療するから早くでましょう」と主張する
「困りましたね。治ってから移動した方がいいと思いますが…カラスを探すのは難しそうですね…トンネルに逃げちゃいましたし…カラスは情報を人里から出るのを待ちましょう…奈落堀は今回では無理でしたので飛ばして3体目を討伐しますよ。」
「えーと…3体目はサイズによっては危険度がAから特殊の危険なスライムですね…」
「名前は“骨食肉”です。骨食肉はミンチ肉みたいなスライムで食べた獲物の骨を体内に貯蔵して飲み込んだ相手を骨で刺したり包み込んで骨とスライムの肉体で揉み砕いたりして獲物をすり砕く嫌な魔物です。筋肉でできたスライムみたいな化け物でサイズによっては危険度が特殊になって軍隊と1等冒険者が出動するレベルです。」
メイリアが不快そうな顔になり
「スライム系の魔物は剣術が効きにくいから私は出番が無いかもな。すまんが骨食肉は相手にできんかもしれん。カラスの化け物を探したほうがいいか?」
ロジは骨食肉の居場所はまだ先の場所と語る
「骨食肉はサントシティとアスト村の間の湿地帯にいるらしいから焦らなくていいですよ。スライム系の魔物は水気が無い場所にはほぼいませんからね。カラスの化け物は探しようが無いですね…情報が出ないことにはこちらも手は出せません。ビジ村に出たら心配ですが…」
「明日、ビジ村から出発しましょう。ティアニスさんは今日まで休憩させたいですよ。」
ロジはメモにその意思を書き耳が聞こえないティアニスに渡した
「今日までは休んでくださいよ?僕もティアニスさんが心配で安心して移動もできませんよ。」
チームに話していると魔法使いの服装の男が話しかけてきた
「話は聞かせてもらったぜ…お前がロジ・ジョットだな?俺の名はシャト…山羊男を倒すためにラグド帝国から来た…」
ロジは「は?」と言ったような表情になった…
****正義の味方が味方を欲しがる
「なんですか?山羊男を倒すためにきたって何ですか?外国の方ですよね?どういう意味ですか?みなさん、すいません二人で話してきますよ…」
ロジはチームから離れてシャトと会話を始めた…
シャトは以前、シルバナに訪れたが山羊男のキャベツに論じ合いの末に行動原理の矛盾を突かれて戦意喪失して戦う理由を欲してロジ・ジョットの話を耳にして仲間になって共に戦いたいと考えているのだった…
「俺は奴に会ったぜ…風見族を洗脳していた。俺に助けを求める場どころか奴がいることを望んでいたぜ…」
ロジは笑いそうな顔になり
「ちょっと…嘘ですよね?山羊男はこの国ではA級を超える危険度の存在は特殊と呼ばれていて偉い人の無許可で近づいたら重罪になるんですよ?」
「正義の味方にはルールが枷になる場合もある…奴は世界の脅威だ。俺がルールに縛られたら後手になる場合もある。」
「それであなたは僕になんのようですか?」
「俺もお前の仲間に入れてくれ。俺は水の魔法と氷を扱う異能がある…役に立つはずだ。」
「結構ですよ。これ以上メンバー増えたら観客もキャラを覚えれませんよ。キャラゲーとか使わないキャラが多いでしょう?それじゃあキャストの活かし方が難しくなりますよ。舞台に上がれる人は必要な数がいればいいんです。」
シャトは焦り気味で口を尖らせる
「お前の噂は聞いている。凄まじい異能があるんだってな?俺もすべてを凍てつかせる力がある。お前と負けじと劣らずだ。イグナとは逆のキャラになっていいんじゃないか?炎の魔法使いだろ?」
「じゃあ、シャトさんでしたっけ?その技を見せてくださいよ?」
「いいだろう…ここに川があるな?まず水魔法:水形を行う。水形は水を浮かしてイメージにそって形を整える魔法だ。」
シャトが水形を行うと水を魚の形にして浮かべた
「ピチャ」
水が落ちる音がなり3mほどの水の魚を浮かせている
「次に異能:アイス・スクリームを行う。それは低温や凍った物体を扱う異能であり水魔法以上に氷を自由に操る…水魔法でも氷は扱えるが俺の異能はそれ以上だ…」
アイス・スクリームは氷山に似た王冠を被った子供のペンギンのようなデザインである
小型ペンギンのサイズでシャトの側に浮いており力を行使すると浮かんだ水の魚はすぐに氷になった
「パキパキ」
「さらに、俺は粘土のように固い氷を自在に動かす…」
氷の魚は凍ったままビチビチと跳ね回り川に落ちて泳ぐのだった
「どうだ?戦いになるともっとすごいぜ?」
しかしロジはプロフィールページにアイス・スクリームの内容を書き込み…
「ボシュ…」
紙の質感の様なアイス・スクリームが発動するのだった
「僕もできましたね?氷の城でも川から作ってみましょうか?でもあんまり芸をする時間もないですし…」
「水魔法:水花火をしましょうかね?見世物のための魔法ですがまあ見てくださいよ。」
水花火をマイ・ルールブックで実行すると川の水が上に伸びだ思ったらタンポポの綿のように水が広がる
「パシャア」
「それにアイス・スクリームをかけると…」
水花火は凍って水が広がった様子を固めてさらに毛のようになびかせるのだった
「これじゃあ長い毛がくねくね動いているみたいで嫌ですね…まあ異能は使えたからいいでしょう…僕もあなたと同じ真似ができますからメンバーは入らなくていいですよ。僕にできないことがあるなら考えます。」
シャトは呆然としてしまうのだった
「…ああ、俺も発展途上だからな…修行して出直すぜ…必要なら呼んでくれ…名刺を渡しておく…」
「自首した方が良いですよ?勝手に山羊男に会いに行けば重罰ですからね。あなたが山羊男を怒らせて他人が巻き添えになったらあなたの罪ですよ?今回はあなたが妄想癖で言ってると見逃しましょう。あなたがそんなことをしたって証拠もないですし…」
「俺は正義の味方を志している…いつかチャンスは巡ってくるさ…お前も困ったら頼れる仲間は必要になると気づくさ…女性ばかりのチームでお前だけ男だと違和感を持たれるぜ?」
ロジは苦笑を浮かべて返答に困るが…
「あなたは知らない人から声をかけられて要求を呑んだら駄目って習いませんでしたか?あなたは僕から見たら知らない人ですよ。そうだ!今日、カラスの化け物が出ましてね?危険度は奈落堀を倒すほどなんですよ。見失いましたがね…」
「僕たちはビジ村を出ませんで、もしあなたが正義の味方ならカラスの化け物がビジ村に出たら守ってあげてください。無理なら僕らに連絡してくれたら助かります。渡り鳥の手紙の白紙を一枚あげますからお願いしますよ。」
(…ち、ちくしょう…この国に来てから俺は全然かっこよくない…なんなんだ?俺は運が悪いのか?この国は俺にとってアンラッキースポットか?)
~魔物の危険度の等級について~
E:兵士1名であれば対処可能。
D:兵士10名と連携で対処可能
C:兵士100名の連携と充実した武装であれば対処可能
B:被害を抑えるために事前に作戦を立てるなど準備が必要で安全に討伐するには地形や罠を利用するのが望ましい。兵士500名の作戦活動が必要。
A:単体か群れで活動する危険な魔物。兵士1000人以上の人員とまとまった武装と食料や医薬品の補給が必要。一般兵が損耗なく討伐は前例無し。
特殊:極めて危険で組合での依頼や受注は不可。作戦の参加にはその地域の指導者や国王の許可が必要。街に壊滅的な被害を与えるような危険度で一般兵が数をそろえて対応するのは不可。
住民の生活区域に来る時期が予測できる場合は速やかに非戦闘員の避難に協力すること。
一般兵は支援に回り異能者や魔法使いと連携して対処する必要がある。無許可で関与した場合は免許はく奪の上に厳罰もあり。




