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第40話:勇者とはパッケージ映えになるように

ロジ・ジョットは上機嫌でセアフスシティを出た

やっと勇者の旅らしくなったとかなりウキウキしている

街の外でメイリアと合流した


「ロジ、待っていたぞ?セアフスの近くに馬宿の集落があってな。お前がオーク狩りをしていた間はそこにいた。金もお前がくれたから助かった。シュウノは今回の旅に参加しないのか?」


ロジは鼻をならして


「先輩は今回につきましてはセアフスに留まるらしいですよ?カタム領主も去り際に冒険者に街を守るように頼むって言ってましたからね。先輩も呼ばれてるんじゃないですか?カタム領主は誰よりも街のことを考えているお方ですからね。僕を買いかぶりと思えるほど買ってくれましたよ。」


「僕も、マイ・ルールブックだけすごいと思われないように頑張らないと。後でメイリアさんの剣術を教えてくださいよ。僕は剣の腕は微妙ですからね。弓は自信がありますが。」


ティアニスはイグナと相談をしている


「チート能力者のロジさんと生き返ったメイリアさんを見張るんですよね?最悪の場合ですが二人とも殺していいんですか?」


イグナは困った顔で


「あなたはいつも、最後の選択を考える…私達でそうならないように見張るのよ?カタム領主は街は守る気だけど手段は選ばないわ。幸い、私はカタム領主からロジの子守を頼まれたから動向を掴みやすい。ロジをわざと不機嫌にしてはだめよ?管理が面倒になる。」


ティアニスはメイリアに話しかける


「メイリアさん?私はあなたの仲間でしたが山羊男によって生き返ったあなたを易々と信頼できません。だからおかしなことをしたらわかってますね?」


メイリアは百も承知だと心境を吐露する


「私自身も山羊耳と角を付けられて複雑な気分だ。本当は以前のように付き合いたいが私が本人だと証明するには行動で示す他ない。すまないが今後ともよろしく頼む。」


「イグナ?シュウノにも会いたいが生きていればいつか会えるだろう。今回はこのチームで行こう。」


メイリアはロジを見て不気味になびく態度を見せる

以前、山羊男がピー太郎に話した“人畜”の本能であるが人畜は自分に構う者や世話をする本能があり人畜として蘇ったメイリアは自分によくしてくれたとロジに本能的に安心感や慣れを感じてしまうのだった


「ロジ?お前といるとなぜか安心する…変だな。会ってあんまり経ってないのに…」


ロジは機嫌がよくなり


「え~?ひょっとして僕に恋しちゃいましたか?ちょっと困りますよ~。冒険中に色恋したら趣旨や目的がずれちゃいますよ。山羊男やっつけた後にそういう話はしましょうよ?ね?」


「でも嬉しいですね~。好かれるって勇者らしくないですか?僕はパリウスさんみたいな難聴のフリはしませんからちゃんと返事はしますよ。難聴癖はかなりうざいですからね。オホオーホ!」


ティアニスは顔に青筋の血管を浮かべた


(終わったらどいつもこいつも皆殺しだ…ムカつく奴らは私が一匹残らず殺してやる…)


イグナは早く行くぞと声を出した


「遠足じゃないんだから早く行くわよ?村と町を3個所経由していくから結構かかるかしら…さっさと城に行けばいいのになんでA級の魔物なんか道中で退治しなきゃならないの?


「でもレセプトから観測の者が来るってカタム領主が言ってたからA級を仕留めれるか上の人も見たいのかもね…」


メイリアは行先を地図で見て


「ビジ村が最初だな…ロジ、着いたら剣を教えてやる。私は厳しいぞ?一朝一夕では身につかんから甘えるなよ?」


「教えてくれますか?メイリアさん以上は難しいでしょうけど頑張って覚えますよ。勇者が剣術をできないと勇者のパッケージになりませんからね。勇者と言ったら剣ですからね?あんまりひどく言わないでくださいよ?僕先輩と違って覚えはよくないかもですからお手柔らかにお願いします。」


「全く…しかたない男だ。あんまり世話を焼かせるなよ?」

メイリアの反応にロジは嬉しそうである


「山羊男の名前ですが先輩はキャベツと言ってましたね?僕が覚えた剣技でキャベツの千切りにしちゃいますよ?トトトトってオホホホ!」


イグナとティアニスは山羊耳を上下に動かすメイリアに不信感を募らせる

ティアニスは心配と不安を隠せない


「以前なら、メイリアさんはロジみたいな男はぶっ飛ばしてたのに…山羊男は何しやがった?」


イグナはメイリアの態度を細かく記録している


「とりあえず、ロジに心を開いているわね…反応をメモに残しておくわ…」


ティアニスはかなり気分が悪そうな表情になるのだった


「山羊男もロジもメイリアもさっさとぶち殺したいですよ…墓穴が連中の行先だ…」



****ビジ村に行く道中


ロジはカタム領主から貰った資料を歩きながら見ていた

A級の魔物の居所のポイントをまとめた資料である


「奈落堀(巨大なオケラの魔虫)とアシッドドレイク(中型犬サイズの小型竜)が出るポイントがビジ村には近いですね。」


「行先でアシッドドレイクの群れを退治してビジ村を出た後に奈落堀を倒しましょう。」


メイリアは不安そうに


「アシッドドレイクは5000以上まとまって動く危険な群生の強酸を空から垂らしてくる魔物だ。大丈夫か?幸い」


ロジは任せなさいという態度で


「メイリアさん?僕はアシッドドレイクの群れは何度も一人で退治してますよ。奴らの胃袋は魔法の手袋などの材料なんかに使われますから業者を呼んで回収させてお金もたくさんも貰ったこともありますよ。奴らは大体、明るい場所を嫌がり決まったルート通り巡回するからやりやすいですよ。」


イグナは心配そうな顔で


「この前の3000体のオーク狩りは200人の冒険者がいたけど今回は4人よ?大丈夫なの?」


ロジは自信たっぷりに余裕を見せ


「まあ、見といてくださいよ。巻き添えが怖いなら遠くで見ていても構いませんよ。」



****いつものやり方


ロジは洞窟を地図で確認し発見した


「さて、資料が正しいならあの洞窟がアシッドドレイク巣ですね。」


「それではいつものやり方で…マイ・ルールブックで雷罰伝播をやりますか。」


「雷罰伝播は電撃を落とし浴びた奴の近くにどんどん、帯電した電撃を浴びせていきダメージを群れに連鎖で広げていく強力な魔法です。アシッドドレイクは小型の魔物なのでこれで死なせるのは十分です。彼らは酸には強く電撃などの耐久力はあまりありません。」


イグナはまたかと言う顔で


「この前のオーク狩りは衰弱冷雨で弱らせたが今回も構図は同じね。そのマイ・ルールブックとかいう異能に頼りきりではないの?山羊男に通用しない場合は考えたことはある?高度な魔法をあなた一人で容易くと…世界中の魔法使いも面目ないわね…」


ロジはこれからだイグナに語る


「そうですけど、イグナさん達も持ち味が通用しない場合も同じでしょう?僕も欠点は補って励みますから大目に見てくださいよ。勇者は旅の間に強くなるものです。僕もこれからですよ。」


「そして僕もマイ・ルールブックだけ頼るわけじゃありません。セアフスを出る前に爆響玉という大きな音を出す消耗アイテムを買っておきました。これを風吹きの矢とコンボしますよ。」


「マイ・ルールブックに書き込む内容は…」


<爆響玉は土魔法:追足をかける(追足は物体に動くものを追わせる土魔法で磁力や引力に近い性質を与える魔法)>

<爆響玉が追う物体は矢>

<雷罰伝播の準備:発射タイミングは矢がアシッドドレイクより高い高度へ行った瞬間であり命中目標はアシッドドレイク>


「これでいいでしょう…では始めますよ?実行開始!」


空に異変が始まり、黒雲が起こり始めてバチバチとなり始めた


「次に洞窟に矢を打ちこみますよ?大きな音が出るからふさいでくださいね?」


ロジが風吹きの矢でバシュッ!と射抜くとロジは念じて風吹きの矢の魔法で矢の軌道が洞窟まで修正されて洞窟の暗闇に消えていった。爆響玉も矢に似たスピードでついていき大きな音が鳴った


「ドォオオオオオオオン!


打ち上げ花火に似た音が洞窟から響き渡りアシッドドレイクの群れが大量に飛び出した


それは目が小さく、蝙蝠に似た見た目の犬のサイズの毛が無い不気味で醜悪な真っ白な肌の小型の龍だった。カエルのように首は無く、ピラニアのような歯がならんだ怪物がおびただしい数で飛び出していきその鳴き声はカエルと犬の唸り声が混ざったような不気味な声だった


「ガァ!ガァ!ガァ!ガァ!ガァ!」


「外に出ましたね?では雷罰伝播をやりま~す!」


ロジは発動条件のアシッドドレイクより上の高度に矢が飛ぶという条件を満たすため矢を上空に射抜いた


「バシュッ!」


するとゴロゴロ鳴っていた雲から雷がアシッドドレイクに命中し感電と放電が連鎖していき群れがあっという間に全滅した


「ボゴォオオオオオン!」


雷の音が鳴りアシッドドレイクは「ガバッ!」と悲鳴を上げて虫が農薬で駆除されるように落ちていくのだった


「どうですか?感電死を狙ったから後で業者に連絡したらお金も貰えますよ。皆さんは2等だからすでに買えないものは豪邸くらいでしょうからお金はあまり嬉しくないかもですけどビジ村でお土産でもみんなで買いましょうかね?オホホ。」


しかし、問題が起きた…洞窟から大きな音が聞こえた


「ゴバッ!」と洞窟を崩しながら超巨大な羽がないアシッドドレイクの一体が飛び出したのだった


「誰じゃ…どこにいる?」


ロジは青ざめた


「…なんですか?喋った…未発見の魔物?」


巨大なアシッドドレイクは死んだアシッドドレイクの群れを見つけた


「…よろしい…わしを怒らせたいということだな?人間どもの集落を探す…隠れているなら今しかないぞ?全員、全身が徐々に溶けて惨い死に方になる…この毒沼主を怒らせた報いを知るがいい…」


イグナも汗をたらし


「ロジ?ビジ村に行く前に止めるわよ?」


「わ、わかりましたよ…怖いっすね、かなりキレてますよ。あの化け物…」


ティアニスがロジに不満を漏らす


「お前が怒らせたんだよ?ついでに私もですよ。逃げたら私がロジさんを殺しますからね。」


ロジは慌てた様子で意思表示をする


「に、逃げませんよ?見損なわないでくださいよ?今回はハプニング回で終わらせますよ…怖いですね…」

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