第39話:醜く罪深い種族は滅んだ方が良いのか?
登場人物
シュウノ:落ち目のハーレム主役
ルナム:魔王の娘
セイル:貴族ヒロイン
シュウノは謎の清掃員の正体を考えながらオムツを買って店を出て家へ向かった
「甘んじて滅びろって…そんなの無になるだけじゃないか…醜いから消えろってどうなんだ?あの男は何者なんだ?アルシオンって呼ばれたが本人なのか?そんなこと聞きようがないよな…」
途中で渡り鳥の手紙が飛んできた
イグナからの近況報告がシュウノ宛に飛んできて開封して暗号化を解除して読む
「イグナからだな…ロジの近況だな…」
・メイリアをロジが拾ってきて同行、反対したが揉めたので刺激しないのとメイリアの観察のために許可
・カタム領主がロジを煽てて懐柔する態度を見せる。静止を挟みつつロジに警告
・国王陛下にロジの紹介状と山羊男の対処についての嘆願書をロジが持っていくように指示
・実力証明のためカタム領主にA級の魔物を数体、倒すように指示を受けたので最短距離では行かない
「ティアニスからも聞いてたが、メイリアも行くのか。間違いなくロジは破滅するがイグナ達が見張るから大丈夫なはずだ。信じよう。俺も近況を書かないとな…」
家に帰宅するとルナムが腹を立てていた
「覚悟はできたのか?今日から子を成すぞ?その前にお主に父上の結界術を授けてやる。お前たちとの戦いにも使ったであろう『魔障』だ。」
「魔障は自分から次から次へと波のように結界を張り続けて攻撃を防ぐ父上の自信作の防御魔法だ。魔力もかなり食うしお前には体得できないだろうがお前のアイテムコンプで私がかけた物を発動させれば2分は守られるはずだ。」
「私は体力では最弱の魔人だが父上の魔術はある程度扱えるからな。魔力もすでに日頃から蓄えている。こっちに来い…いや、やめた。子を成すときに渡す。」
セイルがその発言にキレてしまい
「このドクサレが!ぶち殺してやる!」
そう言って飛び掛かるがシュウノがルナムの前に立ち代わりにボカボカと叩かれてしまう
「殴るなら俺にしてくれ…ルナムの機嫌が悪くなると山羊男を呼ばれる…俺や街を危険にさらさないでくれ…」
「全く、同居人がこれだとシュウノも早く死ぬかもな。私が困るから死ぬなよ?10人は産むからな」
「ギャァアアアア!この糞女!言わせておけば!わたくしが山羊男なら真っ先に消してやりたい気分ですわ!」
ルナムはセイルに呆れてしまい
「山羊男を甘く見ているな…滅んでない種族は余裕があっていいのう?だがロジ・ジョットはイテミスと同じだ。イテミスは肉体と魔力で圧倒しようとしたがロジは異能で同じことをしようとしている。このままではお主達は我らと同じ道だろうな。」
シュウノは振り向いて
「そうだ。だが、ロジは俺と同じかもな。俺にとっての魔王がノフィスならロジは魔王の代わりに山羊男を目標にしている…だが今回は山羊男に魔王と同じやり方は通用しない。このままじゃだめだ…」
「もうよいわ。言葉ばかり並べても無意味であろう。今日から子を成すために付き合ってもらうぞ?ベビー用品も後から買い揃えに行くから金を準備しておけ。」
セイルは鬼の形相でシュウノをにらみ
「わたくしが金の帳簿を計算するのが得意なのは知ってますわよね?領収書は一枚たりとも持ってきなさいまし!収入と支出はきちんとわたくしに報告するのですよ?この糞ったれがいくら使うか把握しますわ?未来永劫呪ってやる!」
ルナムはあくびをして風呂に入りに行った
「まったく、お主も人を見る目がないの。シュウノは人付き合いしたことがないのか?」
シュウノは心がボロボロになっているのだった
「俺はかっこよくなりたかったのに、この状況はなんだ?清掃員にも家でも糞みそに言われて…ヒーローじゃないよ…」
****パパになる予定
シュウノはルナムに相談していた
清掃員の話を聞いてもらいたかったらしい
「今日、清掃員が山羊男について何か知っていそうなことを言ってたんだ。神と人の業の表れだって…だから山羊男に滅ぼされても甘んじて受け入れろって…何だと思う?」
「おまけに俺は弱いから笑って隠れて暮らせだってさ…山羊男にできることはないって言われたよ。金や地位を欲しがる冒険者が客観視できたとしても同じだってよ…」
ルナムは少し考えた様子で
「その者が狂言を言っているだけかもしれんがお前は罪深い種族だから滅べと言われてどんな気分だ?大人しく受け入れるのか?山羊男は魔族の子供も女も消したが当然だと思うか?他の種族にはマシな世界にはなったかもな。」
「だが、風見族は聞いた話では山羊男ついたらしい。魔族を滅ぼしに来た時に同行者までいたらしいからな。お主も怖いなら風見族みたいに尻尾を振って山羊男に命乞いをしたらどうだ?」
シュウノは首をふり
「人間が魔族と似ているのは認めるけど…山羊男の物差しで殺されてもなんの救いにもならない…無駄かもしれないけど俺はあがくよ。こんなの戦争で巻き添えになる人が仕方ないというのと同じだよ…」
ルナムはその返事に微笑を浮かべ
「やはり、お前は腐っても英雄の様だな。言葉だけで実現性もないがお前はまだ気骨がある。金や力に媚びる連中とは少しだけだが違う。お前の子は間違いなくよく育つ。腐った根性にならないように気を付けないとな。」
シュウノは困った顔で尋ねる
「本当に俺との子供が欲しいの?嫌じゃないの?普通、馴れ初めやデートとかするもんじゃ…」
「お主…だったらセイルの前で私に抱き着いたりキスをしてみればいいだろう?山羊男を何とかしたいならさっさとシルバナに行って今から死んで来い!まったく弱弱しい男だ。」
シュウノはルナムに頭が上がらないのだった…
「本当だ…本当に弱弱しい…清掃員の言った通りか?俺って死ぬほど情けない…」
****夕食の後に
セイルは料理をシュウノ達に出していた
ルナムはその様子に驚いていた
「なんだ?お主は私にも作るのか?毒は入れる訳はないか…。シチューはうまいぞ。」
セイルは充血した目でにらみ
「うふふ。わたくしはシュウノが困るからあなたをもてなしますわ。美味しくお召し上がりなさい。」
シュウノはシチューを食べていて少し笑顔が戻るが
「美味しいね。セイルの料理はおいしいから落ち着くよ。」
セイルはシチューを食べきった二人を見た後で怪我をして包帯を見せた手を見せた
「うふふ。隠し味を入れてますの。わたくしの生き血を混ぜましたからね。これでルナムの子もわたくしの血が混じりますわ。うふふ。」
シュウノは唖然と口を開きスプーンを落としたのだった…
シュウノは夕食後にかなり気分が悪そうな表情だった
ルナムはかなり頭に来たらしい
「おい…貴様、今すぐ家から出ていけ…あろうことか私に貴様の生き血のシチューを食わせるとは…油断した私が愚かだったわ…今後は食い物もサイコメトリーをかけるべきだな…」
セイルはしてやったという顔で
「くやしいのですか?なら大成功ですわ。そんな風に怒ってストレスで死ねばいいのですわ。流産もするかもしれませんね?今度はドッグフードを混ぜてやりますわ…」
シュウノはもうやめてという顔になり
「お願いだ…喧嘩しないでくれ…俺の寿命が縮む…」
ルナムは立ち上がり寝室へ向かった
「少し、胃を休めたら子を成すぞ?寝室にいるからな。」
セイルは皿をシュウノの近くに投げつけてかち割りパリィンと音が響く
「わたくしは見張りますからね。ぜひともその営みを見せてもらいますわ?」
セイルも椅子を掴んで寝室へ向かった
シュウノはセイルの知られざる内面を見て驚愕するのだった
「セイルってこんな感じだったっけ?気が良くて俺に優しい貴族ヒロインそのものだったのに…こんなに恐ろしかったのか?ルナムが家に来てかなり機嫌が悪くなってたけどこんなに…」
シュウノは風呂に入りため息を出す
「俺の人生、最悪だ…山羊男のせいなのか?あいつがいなかったらハッピーエンドだったのか?俺があいつに何をした?カタム領主は虐待された山羊って調査報告していたな…じゃあ俺のせいじゃないよな?なんでメイリアが殺されて魔族が皆殺しにされて風見族が山羊男について俺がボロクソになってるんだ?」
風呂から出て寝室にいくとルナムが布団の上に座りセイルがテレビを見るかのように椅子に座っていた
「布団が2つあるな。3つにしろ。私の分も置け。お前と同じベットで良いならそれでもいいが暑い日は嫌だろう?」
ルナムがそう言うとセイルは狂気を浮かべた笑みで告げる
「お前が入るのはベットではなくゴミ袋だ。私が細かく切り刻んで血を抜いて袋に入るサイズにして差し上げますわ。」
セイルは自分のお腹をさすりながら
「うふふ。私の子の異母兄弟ができますわよ?お母さんと一緒にお父さんを応援しましょうね?わたくしがルナムをいつか殺しますからね。心配しないでね。うふふ。」
シュウノは焦燥感に苦しみ
「ちょっと…セイルがいたんじゃルナムとできないよ…プレッシャーしかないよ…」
ルナムは苛立ち
「…セイルは邪魔だが追い出せないから仕方ない。お主は女に暴力はできんだろうからな。このままやるぞ?」
「お主も真面目にやれよ?お前がやる気なさそうにすると私がお前の喉を噛み切るぞ?いいか?」
ルナムは自分の髪の毛と角を触りながら待つのを嫌がる様子を見せている
シュウノはわかったという顔でベッドに近づくのだった
(…助けてくれ…誰でもいい…まさか、ノフィスの娘にここまでされるなんて…あれ?まさか俺がとどめ刺したノフィスも同じ気持ちか?俺も魔王と同じで倒される側か?ああ…呪いだよこれは…)




