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第23話:山羊男が望むこと

山羊男は風見族の住むシルバナを攻めた理由を岩場の土地に住むロックオークの首長に確認していた


「…お前たちはイテミスという男から命じられてシルバナを攻撃したんだな?なんのためだ?」


ロックオークの首長はガタガタと震えながらあまり知らされてないと語る


「あまり、ぎいでねぇ…おでたちは賢いやつは、あばりいない…おでが珍しいぐだいだ…」


「魔王は普通の王と違うのか?怖がらせて支配したがる理由は知っているか?お前たちも怖いからいいなりなのか?」


「おでに、いどいど、ぎがないでくで…」


キャベツは首長に条件付きで見逃すと言った


「お前たちは命令されていたのなら今回は見逃す…しかし、俺はお前らの手先に爆破された。」


「罰としてこの土地の俺が言った場所に穴を掘ってもらう。そしてその後にもう一つだけ仕事をしてもらうがいいか?」


ロックオークの首長震えながら反論する


「見逃すっておめぇ…おでたちをすでにおおぜい、ごろじだじゃないか…ごじゅうたいも…」


するとキャベツが言い返す


「お前たちが話をしに来た俺を襲うからだろう?自分から襲うものはどう死んでも自分の責任のはずだが?戦う前くらい話はできたはずだろう?」


首長は言い返せず渋々、ロックオーク達に穴を掘るように命じるのだった

すると風見族が上空から降りてきて報告をしにきた


「言われた通り高い岩と岩に糸を張り、鳴子(音がでる簡易的な警報)を設置しました。これで空から来ても糸に触れれば音がなります。」


「わかった。お前たちは離れて見ていろ…魔王はこいつらの指導者なんだろう?こいつらを従わせるのだから魔族とやらで一番強い奴なのだろうな…助かる自信があるなら近くで見ればいいが…」


キャベツは風見族に自分の目的を語り出した


「…俺はこれから世界で暴力や騙しがない世界があるかどうか…つまり今の知恵ある支配者の種族たちにそのつもりがあるかどうか確かめたい。それにお前たちは協力してもらおうと思う。前に俺を襲ったことはそれで許してやる。もちろんその間にお前たちが困れば俺ができる範囲で手助けする…」


風見族達はキャベツの目的の意味がわからず混乱したが一人が聞く


「…暴力がない世界があるかどうかですか?もしみんなが暴力で解決するのを肯定していたらどうします?」


キャベツはまだ結果が出ないのに考えようがないとしつつも


「もし暴力で支配しないと気が済まない連中だと判断した場合はその種族は世界に迷惑で住まう資格がないとして全て滅んでもらう…」

「お前たちは俺の観察に協力したということで皆が不合格でもお前たちだけは見逃してやる…」


と言い放つのだった


風見族達は冷や汗が出てこの理解できない怪物には逆らえないと恐怖で固まるのだった

そんな中一人が


「…なにが欲しいんです?お金ですか?土地ですか?権力なんですか?」


と恐る恐る聞くと


「俺がそんなものを得ても何の意味もないだろう?俺は同じ存在がいない上に他種族のルールに従う義理もない…ただ草原に向かう途中で人間やお前らに襲われただけだ…だから俺が住める場所が確認するのとお前らを試す権利がある…」


風見族は利益を目的にしない山羊男にただ絶句するのだった


するとバロットが飛んできた。以前よりキャベツにすり寄っていた風見族のミミズクの特徴がある青年である


「…なぜお前がここに来た?あの人間の女(メイリア)の見張りはどうした?」


キャベツがそう聞くと


「キャベツさん、すいません。ボクは他の奴と二人で見張りをしていましたが魔族が攻撃した時にキャベツさんを呼びに行きましたよね?その時、相方もその場を離れてしまい人間の女(メイリア)に逃げられてしまいました。あなたが居なくなった後に魔族が来てあなたが折られた神木を盗んで立ち去ったのです。ボクはそれを伝えにきました。」


「…逃げたか…そうか。あの女は起きたのだな…わかった…それはもういい。逃げられても問題は無い…」


「ほー…よかった。怒られるかと…心が広くてよかったー」


バロットが安心してる傍でキャベツは思考を巡らせ


「…考えるまでもないがこいつら(ロックオークや魔物達)を送ったのはあの木が欲しかったということか…」


「おい…そのイテミスとか言う奴は俺を引き離すためにお前たちをおとりや陽動に使ったという意味になるがどう思う?命令の目的を教えなかったのはそうとしか思えないが…」


とロックオークの首長に聞くと


「もう、オデたちを惨めにいわないでくでぇ…」


と悲痛な返事をするのだった


キャベツは悲しむ様子を見て自分がギノに飼われ虐待や残飯を食わされた頃を思い出すのだった


バロットはキャベツの様子をみて神木より山羊男がシルバナには役に立つと確信するのだった


「岩の強度と怪力と3mの体躯をもつ危険度C級のオークの上位種のロックオーク達が200人以上集まるロックオークの集落の攻略はA級の危険度になる…おまけに首長はB級近くの危険度で5mもある。それを1人で首長を泣き寝入りさせるってやっぱりキャベツについた方が風見族やボクには得だよねー」


バロットはピー太郎とは真逆の追従という方針をとるのだった


キャベツは首長に命じた


「お前たちの基準で弱いものは避難させろ…10体いれば十分だ…お前は首長として避難を導け…」

「強くて怖がらせて支配するのが魔王なら色々、聞きたいことがある…」



****暴君の到着と山羊男との対峙


イテミスはロックオークの集落の岩場の土地に飛行から離陸して到着した

しかし、向かう途中で細い紐にぶつかり鳴子(簡易的な木製の警報機)がカラカラとなり響く


「知恵が無いロックオークが警報のトラップなどするわけが無いな」

「ふん…山羊男がここまで考えたということか…生意気だが馬鹿力の家畜では無いようだな…」


集落に入り岩をくりぬいたり積みあげられた住処からロックオークが何体か出てきて首長の家に指をさす


「イ・デミズざま、あっぢにぼずのいえに“やぎ”がい…る」


知性が追い付かない様子でロックオークが話す


「…もうよいわ…お前たちでは会話にならん…首長の場所がわかればそれでよい」


イテミスが首長の家にまっすぐ歩いていくと突然、足が“ズボッ”と下に落ちた


「なに?落とし穴だと…?」


落とし穴には風見族が研いだ木の棒が剣山のように何本も立てられていた

イテミスは鎧を着ていたのでけがはないが砂や土で汚れて憤慨するその矢先…


「ドゴッ!」


ロックオーク達が岩にはまったイテミスに岩を投げ続けたのだ


「ぐあっ…!きさまら…なんのつもりだ!」


すると山羊男が首長の家から全裸で出て来た

履いてた紺色の半ズボンは以前、襲われたシルバナで破れているからである

山羊男は体格は男性だが性器も割れた尻もない白い毛で覆われたヒーローソフビのような見た目だった

その頭の特徴は、左角は折れて黄色い目に顎の下には山羊ひげが生えた山羊の頭部だった


「もういい…お前たちは離れろ…お前が魔王だな?」

「俺や風見族が受けた気分を教えたくな…どんな気分か聞きたかった…お前はどんな気分だ?」


イテミスの周りから風が吹き穴から手を使わず浮き上がり這い出した

身の回りから風を吹きあげ土埃を払い落とす


「…どんな気分だと…?俺の顔をみてわからぬか?」


そう怒りを滲ませた声で左手を猫の様にひっかく素振りを見せた


「風爪!(ふうそう)」


魔法は普通なら術式や呪文を唱える事前準備がいるが風魔龍の力を得たイテミスは風魔法に関しては必要無い


キャベツは何かを感じ取り避けるためにジャンプしたが投石したロックオーク達はエッグスライサーにかけたゆで卵のようにイテミスの指の本数である5等分に切り裂かれたのだった


「ふん…岩の強度を誇るロックオークには効かぬ中級の魔法だが風魔龍の力を得た俺様が扱えばこの有様よ…」

「忌々しいが噂通り山羊男は戦いが出来るようだな…」


キャベツはロックオークの死体を眺めて少し負い目を感じた目つきになっている


「こいつらは俺が命令してお前に石を投げた…だから事情の話をする前にお前が殺すのは間違いだ…」

「ロックオーク達はお前の手下なのだろう?お前のために命がけでシルバナを攻めるのに協力したのに裏切ったかどうか確認する前に殺すのか?」


イテミスはますます腹を立てた様子でこう切り返す


「この新時代の魔王に恥をかかせた報いだ。恥をかかせた者も見た者も殺す極刑は当然。笑い物にされるなど王にとっては言語道断よ…」


「それと、どんな気分か申したな?家畜にわかるまいが誇りを汚された気分よ…それに対する激しい不快感と怒りだ…」


キャベツは不思議そうな顔をして


「それならば、俺や風見族の気持ちもわかるだろう?いきなりシルバナを侵攻すれば、そこに住む者もお前と同じ気分だ。」


「お前は知恵があるのになぜ攻撃された側を顧みない?自分がされたら嫌だと想像くらいできるだろう?」


「それにだ…俺がへし折った木が欲しいのならわざわざ陽動などせず一言でも風見族や俺に、“くれ”と言えば良いだろう?なぜお前は言葉が通じるのに他人と話をしない?」


イテミスは怒りを通り越して笑い声を漏らす


「ふっふっふ…百歩譲ってお前が人間の勇者ならまだ美しい詩になる…」


「魔族と勇者の戦いは古くから語りづかれる伝説と華のある詩よ…例え魔族が負けようと聞いてもまだ納得はできる…」


「だが…うぬは、どこの馬の骨かもわからぬただの家畜ではないか?我らの詩を汚すだけの存在よ」


「その貴様ごときが俺様の声を聴けるだけでもありがたきこと…家畜が指図するなど身の程知らずもいいところだ…」


「…高貴な生まれの我らに非礼の極みだ…この無礼者めがぁっ!」


キャベツは対話が通じないと判断し


「わかった…どうやら身分がある世界ではルーツが重要で俺のような存在は相手にされない場合もあるらしい…つまり言葉が無意味な相手もいるということだ。」


「最後に一つ、俺からの感想だが魔王とは世界に対して強盗をする一味の首領のことだ…よって無礼者の言葉で言えばお前のことで俺に牙を向けた者は何者でも死んでもらう…先に始めたのはお前だ…」


こうして山羊男と新たな魔王の対決の火蓋を切るのだった

~魔物の危険度の等級について~


E:兵士1名であれば対処可能。


D:兵士10名と連携で対処可能


C:兵士100名の連携と充実した武装であれば対処可能


B:被害を抑えるために事前に作戦を立てるなど準備が必要で安全に討伐するには地形や罠を利用するのが望ましい。兵士500名の作戦活動が必要。


A:単体か群れで活動する危険な魔物。兵士1000人以上の人員とまとまった武装と食料や医薬品の補給が必要。一般兵が損耗なく討伐は前例無し。


特殊:極めて危険で組合での依頼や受注は不可。作戦の参加にはその地域の指導者や国王の許可が必要。街に壊滅的な被害を与えるような危険度で一般兵が数をそろえて対応するのは不可。

住民の生活区域に来る時期が予測できる場合は速やかに非戦闘員の避難に協力すること。

一般兵は支援に回り異能者や魔法使いと連携して対処する必要がある。無許可で関与した場合は免許はく奪の上に厳罰もあり。


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