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第14話:悪党の子孫

フェジェは構成員に今後の方針を話し始めた


「ここからは仕事の話ですので今からプレゼンテーションを始めます。皆さんご清聴の程をよろしくお願いします。今後は憲兵(街の警察組織のこと)が一層、厳しくなり窃盗や強盗や詐欺は稼ぎが悪くなるでしょう。オレが敬愛する魔王ノフィス様がお亡くなりになり、しばらく人間様の天下だからです。」


フェジェは植木鉢に咲いている薄くて赤いトロピカルな花を持ってきた。


「そこで今までのやり方は手仕舞にして外国で流行ってるこの『楽園切符』という花を育てようと思います。」


「医療分野では痛み止めにも使われてますが、製法を変えて加工すればとっても気持ちよくなり依存症になるので、大ヒット商品間違いなしの植物でございます。」


「オレの部屋で育てた奴がコレだけど花もきれいですし癒されますよね~。名前はダニエル君でーす。キャー素敵!(笑)盗みや騙しより育てる方が働き甲斐あるでしょう?」


「おまけに植物だからエコで環境に優しいです。命を育てるから俺たちも奪うだけの存在から卒業です。お花は平和のシンボルで善人も神様も大好きです。その証拠に教会にも花は植えてありますよね?」


「善良な市民のお方たちは泥棒や詐欺は大嫌いですが楽園切符は自分から買いに来て“もっとちょーだい”と自分から買いに来ますよ。ついにオレたちの存在も善人気取りのゴミ虫みたいな市民様達から必要とされます。やったー!ばんざーい!イエーイ!」


「お花屋さんになって俺たちを見下した花に群がる害虫どもから搾取してお金持ちになっちゃおう!」

「しばらくはセアフスの加工業者に卸す予定ですが段階を踏んでオレ達が最終的にサプライチェーン(生産から流通までの流れ)を握るつもりで~す!」


「みんなの意見も大歓迎♪ この会議の方式はブレインストーム(批判をしない方式のアイディアを出す会議のこと)だからどんどん言っていいよ?オレの考えに賛成の人は、はーい!って手を上げてー?」


班長の一人が質問をした


「稼いだ金はその植物の投資に貯めてたんですか?用途ぐらい教えてくださいよ」


フェジェは腕を組んで舌を口の端の上に出しながらとぼけた表情で上を向き


「うーん…教えちゃおうか♥」


とつぶやき真剣な表情になり


「オレは不本意だがイテミスについてる…そのための貢ぐ金でもある。」


「イテミスの最終目標は二代目の創魔龍、古代にいた龍族の頂点の王になることだ」


「それが叶えば8体の龍を新たに配下の魔人から変身させて龍の時代を現代に復活させると豪語してるらしい。」


「イテミスは優秀で強ければ部下の出身は気にしない。オレは人間から魔人になったから魔族から卑しく扱われているがイテミスはそうじゃない。」


「魔族はギャングが貴族になったような社会だからな。差別もひどいぜ?…あれ…それってもしかして人間も同じか?」


「考えれば殺しまくって土地を奪った上に武力で支配した人間達から税金を奪ってる鬼畜共の子孫が王や貴族だもんな?」


「あははは!やっぱみんな強盗かその汚い血筋の子孫じゃん?人間様ってそれを肯定して神聖な血筋とかご先祖とか権威にして崇めたり刷り込み教育で住民には正義だって教えて困ったときは徴兵したりして捨て駒にするからゴミ以下だよね―。豚の方がましだよね―。」


一人で盛り上がるフェジェに質問した部下が不安そうに続けて聞く


「俺たちはどうなりますか?魔族が人間の俺たちをどう扱いますか?」


フェジェは饒舌に将来のプランを楽し気に語り出す


「その辺はこのフェジェにお任せあれ☆。オレが飲めば魔人になれる『魔血』を用意してやる。魔人と龍人について少し教えるよ?みんなラッキーだよ?」


「魔王ノフィス様はとんでもない大天才でございまして、昔、偉大なる希代の天才ノフィス様とお馬鹿な下僕のイテミスの“天才の頭脳&体力馬鹿のコンビ”で正義感溢れる希望の戦士であるロジャノの義兄をぶち殺しました。」


(少し前ですがノフィス様を可哀そうに集団リンチしたエロい中学生の欲望丸出しの不細工ハーレム部隊の一員がロジャノだよ(^_-)-☆ 実はババアでーす☆シュウノくんとパリウスさんはいい年こいておばあちゃん大好きからキモイよね~。説明は省くけどロジャノの義兄は感動のための負けイベントの死にキャラで~す☆)


「熟練した戦士の龍人はノフィス様でも一人では勝てないほど強いです。その後、無様に死んじゃった龍人を解剖し、仕組みを解析して【龍人は龍から貰った特殊な処置をされた血を輸血された人間】であることを突き止めたのでした。」


「それを真似して自分の血から『魔血』を作り、当時、偶然で出会った3等冒険者のオレを気に入り『魔人になって這い上がり、わしに自分の足で会いに来い』と最高にしびれるお言葉と魔血をくれたのでした。」


「オレはその後、すぐには魔血は飲まず、しばらく冒険者組合員の情報を調べて流しまくって100人くらい冒険者を魔王軍が行う暗殺や奇襲の手引きと貢献をしました。」


「おまけにそんな目に会ったのに冒険者組合はオレが漏らしてたこと気づいてません!マジでお馬鹿で間抜けで養分お疲れ様でーす!サンキュー犬死にした負け犬ども!勇者ごっこのお馬鹿さん達にはちょうどいい役目だよね!絶滅して尚も間違いを繰り返すドードー鳥の生まれ変わりだよ。あいつらは。また恥かいて死ぬために生まれてきたら利用したいからおかわりよろしくー(爆笑)」


「ノフィス様は異能を持つ冒険者に手を焼いていたので大喜びでオレをさらに気に入り魔人のスカウトマンになれと特別に誰も知らないノフィス様の魔術研究のラボに行ける権利と魔血の製法を教えてくれました。」


「オレから魔血を作っても弱いから魔人の中で歴代最強の肉体を持つイテミス(性格は小物で馬鹿だけど)から血を貰って魔血を作り、君たちに差し上げます。」


「それで人間出身の魔人の一団、フェジェグループの派閥を作りましょう。どうでございますか?」


「ううう(泣)おいたわしやノフィス様…本当に惜しい人を亡くしましたね。ちなみに龍人は弱い方でも平均的な魔人の10倍は強いです。魔人は平均的に大体、オレと同じかそれ以上に強くて頭に創造主である龍の名残の角があります。でも異能を持つ奴は全然いません。ほとんどの魔人は体力と魔法を併用して戦います。だからオレが有利でーす(自慢)」


(魔人の戦闘力の危険度はB~A。滅多にいないが龍人と2人組なら戦える強力な個体も稀にでるがそれが魔王クラス。文化や性格は人間以上に階級社会で力を信仰し他人に優勝劣敗を強いる性格が多い。数は他部族に比べて少なく主戦力は魔物)


「ちなみに異能は魔力が高い人間からしかたまに出てないらしいから天才ノフィス様やイテミスのお馬鹿には先祖に人間がいるってことでーす☆ノフィス様から教えてもらいましたー!オレって特別扱い!嬉しい―!」


「あ!言い忘れてた!イテミスは寛大なお心のノフィス様と違って短気でナルシストで馬鹿だから口の利き方は本人の前で注意しといてね?ちゃんとおだてて気持ち良く機嫌とらないとオレが怒られちゃうよ~(泣)」


フェジェの部下たちはフェジェに付いていくほかないと暗い顔をするのだった

線路が途切れて落ちる機関車に乗っている気分のようだった

しかし、『楽園切符』の将来プランを考えるのが楽しいのか饒舌なマシンガントークが続く


「みなさん最後にお聞きください。君たちが見捨てたハゼくんの灰と燃え残った骨は捨てておいてくださいよ?さらにハゼくんがこっそりセアフスで恋愛してた彼女は殺しておくように♥」


「犯罪者グループの班長の癖に人並に恋愛だなんてハゼ君もなかなかに最低のクズですよね~。でも国民騙して金や人を顎で動かして浮気や結婚までしてるゴミクズ権力者もいるからまだマシかな?アハハ!あいつら蛆虫の糞以下のくせに自分が立派だと思って恥ずかしがらないもん。」


「悪党は恋愛する価値無いし相手を危険にさらして不幸にするだけなのにね~彼女はハゼ君がクズだって知ってたかなー?知ってて付き合ってたらバカ女だけど…」


「想像力が無い迷惑なクズって死んじゃってもみんなもスカッとするよね~」


「善人ぶってる市民達も安全地帯から悪党が死ぬのを楽しんだり心待ちにしてるからオレたちと大差はないよね~」


「ん?それってオレのせいで悪者のハゼ君が死んじゃったからオレがヒーローってこと?ハゼ君は盗みや詐欺を繰り返した上に彼女までいる犬畜生だもんね。」


「ヒーローって、自分に関係があっても無くても理由つけて気持ち次第で悪者を殺す奴だよね?正義感や使命感とか憂さ晴らしなのかは知らんけど多分、あんまり他人からは頼まれないよね?強いからって自分からやりたがるよね?普通、熊が出ても襲われた人が通行人に熊をやっつけてって言わないもんね?」


「もし見てるなら善良な市民の皆さんとかみさまー。オレが悪い奴をやっつましたよー。クズが死んでスカッとしましたかー?」


「ハゼ君は仕事を失敗して恥をかきながら仲間に見捨てられて惨めに苦しんで死にましたよー?」


「ゴミ虫の下衆どもは“ざまぁー”とか因果応報や他人の不幸とか無様な最期が大好きでしょー?そんな無自覚な下衆共も生きる価値無いクズだから自覚してハゼ君みたいに全員死ねばいいですよー♥」


部下たちに締めセリフを放ち燃え尽きて残ったハゼの頭骨を踏み砕いて自分の部屋に帰るのだった。



***ロジ・ジョットに会いに向かう道中


その頃、セアフスにて


シュウノは浮かない顔をしてイグナとティアニスと移動をしていた。


「ロジはどこにいるんだ?イグナがカタム領主から貰った資料のフェジェって奴は捕まえに来た冒険者を過去に3等も2等も何人も殺してるんだろ?」

「ロジが逆にやられないか心配だよ…」


ティアニスがシュウノに気持ちを寄せる


「そうですね。ロジさんがシュウノさんを完敗させた『マイルールブック』とか言ってた能力に胡坐をかいて返り討ちにされないか心配ですよ」


「ちょっと完敗って…そうだけど、あれは勝負にならんから完敗は言いすぎだよ…初見で金縛りする奴にどう勝てるよ…」


とシュウノは愚痴をぶつぶつ


イグナはすでにロジはセアフスの外で廃村について調査していると言い出口に向かう


「私たちはロジの力や性格、方針を把握するのが仕事よ?ティアニスは怒ってロジと喧嘩したらだめよ?」


「…はい?イグナは私を見くびってるのですか?任務目的とずれたことを私がしたことありましたか?」


イグナはティアニスに詫びをいれた


「そうだったわね。愚門だったわ。この任務も山羊男を倒すのに役立てるためよ。前に向かう前の行動は例えその時は無駄になっても必ず役立つ日が来るはずよ」


その後だった。ティアニスがシュウノにとって青ざめる話を始める


「貴族の知り合いから聞きましたが、セイル・ヨトプッシが家出して行方不明らしいですよ?書置きに[今年までには帰ります]と置いて行ったらしくて」

「私たちにあんなに旅の支援をしてくれたセイルが行方不明だなんて…何があったんでしょう?」


「え…セイルが?そ、それはみんなで探さないだな…心配だよな…?」


シュウノは胃がひきつるような気分になり冷や汗がでる

しかしイグナが会話に入り込み


「セイルのことは今は忘れるのよ?ロジの任務を優先して?山羊男を倒すために関係ないことに時間を割いてはだめよ?」


「あ、ああ、そうだな。ティアニスも今はセイルのことは棚に上げよう?俺も心配だけどさ…?(ありがとう、イグナ。セイルの話はもうしないでくれ…セイルの妊娠と同棲がばれたら俺がティアニスに切腹を強要されて殺される)


「そうですね…でもセイルさんまでいなくなったら私もおかしくなるかもです…しかし今はロジを見つけるのが優先ですよね。気を取り直して任務を優先しましょう。」


なんとかセイルの話が終わり溜飲が下がるシュウノだった


(頼む…俺を誰も不安にさせないで…)


そしてセアフスシティの入口を抜け、3人でロジが向かってる廃村の方向へ歩いていく途中にありえない存在が現れる


シュウノが気づき


「あれ?人が立ってるぞ?街から離れて行商人かな?」


ティアニスが望遠鏡を片手に、


「あれは風見族と頭巾を付けた人間ですね。喧嘩してる?ように見えますが顔は遠くて見えません。こちらに近づいてますね」


イグナが「敵でないわよね?そんな風に私たちに近づくメリットもないだろうし」と一同が駆け足で向かうとその人物も距離が近づいて気づく


「ああ、シュウノ様…このようなタイミングで…」


「ピー太郎?なんでここに?山羊男の報告のためにセアフスに向かってたのか?」


ピー太郎は慌てた様子で揉めていた人物に


「仕方なく、あなたの言う通りに空からシュウノ様の場所を見つけましたが…考え直した方がいいですよ?会わない方がいいですよ…シュウノ様達が混乱されます…」


と声をかけるがその人物はピー太郎から離れシュウノに駆け寄ると絶句した


「メ、メイリア?…そ…そんなばかな…目の前で死んだはずなのに…」


「シュウノ…何と言えばいいのか…その…“生き返ってしまった”…話をしてくれないか?」


一同は氷のように固まってしまったのだった。

死んだはずのメイリアがセアフスの近くまで歩いて戻ってきたのだった。


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