表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホワイトな異世界  作者: tomsugar


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/82

80.呪文の幾何学

私は、謎の呪文を唱え続けるアイリスとシャオを前に、なすすべもなく立ち尽くしていた。

すると、シャオがふいに詠唱を止めた。


「ぅ!負けないぞー!!」

リー博士の声が、室内に響いた。


「あっ、うまくいった?さやかちゃん、いる?」

「リー博士!はい、さやかです!」

「アイリスちゃんは、まだやってるのね。ちょっと待って」


その瞬間、私のスマホが震えた。

画面を見ると、リー博士から幾何学模様の画像が届いていた。


「その画像を、アイリスちゃんの視線の先にかざしてみて」

「わかりました」


私は指示どおり、スマホの画面をアイリスの目の前にかざした。

アイリスはぴたりと動きを止め、次の瞬間、穏やかな声で言った。


「さやかさま、申し訳ございません。制御を失っておりました」

「こちらの不注意よ。あなたの責任じゃないわ」


「エマ博士、AIを使って呪いを発動させるなんて、斬新すぎるわー!さすが天才」

リー博士は、いつもの調子で明るく言った。


「呪い……ですか?」

私は、あの詩のような文を、美しい文学の一節だとばかり思っていた。


「えー違うの? 私に「お前は価値が無い、老いて醜くなれ」って言ってるのかと思ったけど」

「いえ、そうかもしれません。エマ博士は、リー博士の若さと才能、それに……美貌に嫉妬していた気がします」


「美貌だなんてー!やだー!フフフ」

リー博士は照れながらも、まんざらでもなさそうに笑った。

その笑顔は、今なお年齢を感じさせないほど若々しかった。


「さっきのソースコード、無害化したものをモリス博士に見てもらいましょう」

リー博士がそう提案した。


すぐに、モニターにモリスAIの黒い画面とゴトウ技師の姿が映し出される。


「モリス博士、エマ博士が犬の置物に仕込んでいた情報を共有いたします。博士のご意見をお願いします」


『あぁ、承知した』


画面に、白いアスタリスクがひとつ、またひとつと増えていった。

モリスAIが“思考モード”へ移行した合図だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ