表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
工場国家ヴォルグ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/288

乗り物酔い

そして今度は、向かいに座るリオネルへ顔を向ける。


「そういえば、リオネルさんの魔器は――」


 そこで言葉を止めた。


 リオネルは荷台の隅で俯き、膝へ両手を置いたまま微動だにしていなかった。


「リオネルさん?」


「……問題、ありません。」


 ゆっくり顔を上げたリオネルは、驚くほど青ざめていた。


「どう見ても問題あるだろ。」


 ログが即座に言った。


「まさか、乗り物酔いですか?」


「そのようなことは……。」


 馬車が小石を踏み、荷台が大きく揺れた。


「うっ……。」


 リオネルが口元を押さえる。


 ユノは笑顔のまま、そっと距離を取った。


「乗り物酔いですね。」


「断じて……違います。」


「無理をしないでください、リオネルさん。」


 レテが隣へ移動し、その背中を優しくさする。


「レ、レテ殿……。」


 一瞬だけリオネルの頬に赤みが戻る。


 しかし、再び馬車が揺れた瞬間、その顔色は元に戻った。


「うっ……。」


「止めましょうか?」


 アーヴェルが尋ねる。


「不要です……クロイツ殿。任務に……支障は……。」


「もう出てるだろ。」


 ログが冷静に返す。


 ユノは荷物の中から、小さな布袋を取り出した。


「酔い止めの薬草ならありますよ。」


「フェルメル殿……感謝する。」


「かなり苦いですが。」


「構いません。」


「舌も痺れます。」


「……ほかに方法は?」


 結局、リオネルの魔器について聞ける状態ではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ