表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
71/249

水凪

 ユノはレテの腰元へ視線を向けた。


「ところで、レテ先輩はどのような魔器をお使いになるんですか?」


「これです。」


 レテは腰に差していた剣の柄へ手を添えた。


 一般的な長剣よりも短く、刀身が緩やかに反っている。


「《水凪》といいます。水属性の術を通しやすくするために作られた魔器です」


「剣士だったんですね。」


「剣術は一通り学びました。ただ、前衛で敵を押し切るほどの腕ではありません」


「ずいぶん謙虚だな。」


 ログが口を挟む。


「こいつ、接近戦でも普通に強いぞ。俺と模擬戦した時なんか――」


「ログ。」


「……なんだよ。本当のことだろ」


 レテは小さく息を吐き、《水凪》を鞘から僅かに抜いた。


 青みがかった刀身が、馬車へ差し込む光を静かに反射する。


「この刃を通すことで、水をより細かく操れます。斬撃を飛ばすこともできますが、本来は水流を作り、敵の攻撃を受け流すための魔器です」


「なるほど。《水凪》という名前の通りですね」


 ユノは興味深そうに刀身を覗き込んだ。


「水を荒れさせるのではなく、鎮めるための剣ですか」


「はい。傷つけるためだけの力にはしたくありませんから」


 ユノは一瞬だけ目を丸くした。


 そして、いつもの柔らかな笑みを浮かべる。


「レテ先輩らしい魔器ですね」


「まだ知り合ったばかりでしょう?」


「先ほどから見ていれば、少しくらいは分かりますよ」


 向かい側に座るリオネルが、深く頷いた。


「まさしく、レテ殿に相応しい美しい魔器です」


「魔器の話だよな?」


 ログが怪訝そうに尋ねる。


「もちろんです、スミスマン殿」


「今、絶対レテ本人のことも言ってただろ」


「何か問題でも?」


「いや……ねぇけど」


 レテには二人が何を言い争っているのか、よく分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ