↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
休暇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

523/673

お土産と服屋

丘を下り、僕たちは再び店の立ち並ぶ通りへと戻ってきた。


 さっきまでの静かな丘とは違い、通りには大勢の人が行き交っている。


「まずはお土産から?」


「そうだね。その方がいいかな」


「何買うの?」


「セリオさんのは決めてるよ」


「決めてるの?」


「うん。ピスタチオが好きだから」


「ああ、そういえば好きだったね」


 せっかくなら、好きなものを買っていった方が喜んでもらえるだろう。


 食べ物を扱う店をいくつか覗きながら歩いていると、店先に並べられた焼き菓子が目に入った。


「あ」


 箱に詰められたクッキー。


 その中に、砕いたピスタチオを練り込んだものが並んでいる。


「これいいかも」


 僕が手に取ると、フィリアも横から覗き込んだ。


「ちょうどいいね」


「うん。日持ちもしそうだし、持って帰るのにも困らないでしょ?」


「いいと思う」


「じゃあ、これにしようかな」


 セリオさんの分はこれで決まり。


 箱を手にしたところで、もう一人の顔が頭に浮かんだ。


「リオネルさんはどうしようか」


「……そもそも、買うほど仲良かった?」


「うーん……」


 言われてみれば。


 セリオさんと違って、リオネルさんとそこまで親しいわけじゃない。


「まあ、スパーナで会うかもしれないし」


「……レテに選んでもらえば?」


「なんでレテ?」


「…………」


 フィリアが僕を見る。


「何?」


「……なんでもない」


「?」


 なんだったんだろう。


 首を傾げていると、フィリアが僕の持っている箱を指差した。


「セリオさんと一緒でいいんじゃない?」


「同じので?」


「うん」


「そうしようか」


 何が好きなのか分からないものを無理に選ぶより、その方がいいだろう。


 僕は同じ箱をもう一つ手に取り、二つまとめて会計を済ませた。


「これでお土産は終わりだね」


「うん」


 店を出ると、フィリアが辺りを見回す。


 そしてすぐに何かを見つけたのか。


 僕の袖を引いた。


「ヒール」


「ん?」


「あそこ」


 フィリアが指差した先を見る。


 通りの向こうにあったのは、服屋だった。


「…………」


「行こ」


「……はいはい」


 楽しそうに歩き出すフィリアの後ろを追う。


 僕の服を選んでもらう。


 そこまではいい。


 問題はそのあとだ。


 僕もフィリアの服を選ぶ約束になっている。


 嫌なわけじゃない。


 ただ。


 女の子の服なんて、何を選べばいいのか全然分からない。


「ヒール、早く」


「今行くよ」


 まあ。


 約束した以上、仕方ないか。


 僕は小さく息を吐き、フィリアの後を追って服屋へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。