↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
休暇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

496/678

色々終わる②

 施設へ戻ると。


「おかえりなさーい!」


「おかえり!」


 リズちゃんとラズ君の声が飛んできた。


「ただいま」


「お邪魔します」


 僕に続いてユノ君が入ってくる。


「あ! 糸目!」


 ニカが指を差した。


「こんにちは。話がわかる糸目です」


「おぉ!」


「その呼び方やめなさい!」


 サーヤがニカの頭を小突く。


「痛ぇ!」


「ユノさん、すみません……」


「もう慣れました」


「早くない?」


 まだ会って一時間も経ってないと思う。


「あら」


 奥からルナさんが顔を出した。


「おかえりなさい。そちらの方は?」


「ユノ・フェルメルです。ヒルトさんと同じガイスト軍に所属しています」


 ユノ君が軽く頭を下げる。


「まぁ。ヒルトのお友達?」


「後輩だよ」


「お友達です」


「どっちでもいいじゃないですか」


「いや、まぁ……いいけど」


 ルナさんは嬉しそうに手を合わせる。


「ちょうど良かったです。ユノさんも食べていってください」


「はい。ヒルトさんに誘っていただいて」


「それは助かります」


「……助かる?」


 ユノ君が僕を見る。


 僕は目を逸らした。


「…………」


「ヒルトさん?」


「なんでもないよ」


「さぁ、もうすぐできますから。座って待っていてください」


 ルナさんが奥へ戻っていく。


 その背中を見送り。


「…………」


 僕は静かに立ち上がった。


「ヒルトさん?」


「ユノ君」


「はい?」


「手伝おう」


「え? でも、待っててって」


「手伝おう」


「…………」


「絶対に」


「なんでそんな必死なんですか?」


 知らないからだ。


 あの人の料理を。


「ヒルト兄ちゃん!」


 ニカが僕の袖を引っ張る。


 振り向くと。


 さっきまであれだけ騒がしかったニカが、妙に真剣な顔をしていた。


「……俺も手伝う」


「ニカ……」


「俺、皿出す」


「うん」


 肩に手を置く。


「頼んだ」


「任せろ」


「…………」


 ユノ君が僕たちを交互に見る。


「何が始まるんですか?」


「夕食の準備だよ」


「それだけには見えないんですけど……」


「気のせい」


「サーヤ!」


 ニカが叫ぶ。


「野菜は⁉︎」


「もう切ってある!」


「リズ!」


「なに⁉︎」


「ラズを台所に近づけんな!」


「わかった!」


「ラズもやる!」


「ダメ!」


「なんでぇ!」


 突然慌ただしくなる施設内。


 ユノ君だけが取り残されたように立っている。


「……戦でも始まるんですか?」


「ユノ君」


「はい?」


「ここからは時間との勝負だから」


「何と戦ってるんです?」


 その時。


「ヒルトー!」


 台所からルナさんの声。


「はーい!」


「せっかくですから、今日は私が腕によりをかけますね!」


「…………」


 室内が静まり返った。


 ニカの顔から血の気が引く。


 サーヤの手が止まる。


 リズがラズを抱きしめた。


「……ヒルトさん?」


 ユノ君が小声で聞いてくる。


「もしかして」


「うん」


 僕も小声で答えた。


「ルナさん、料理が壊滅的に下手なんだ」


「…………」


「だからお願い」


 ユノ君の両肩を掴む。


「僕たちを助けて」


「僕、支援術師なんですけど」


「今ほど頼もしいと思ったことないよ」


「何を支援すればいいんですか⁉︎」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。