↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
星詠国家ルミナス クーデター編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
413/488

発見

 ◇


 その頃。


 王宮内 王の寝室の反対側


「…………」


 セヴェルは。


 一人。


 薄暗い廊下を進んでいた。


 ガオン。


 ナーラ。


 二人とは。


 王宮内の混乱で離れてしまっている。


「……ガオン様」


 返事はない。


 遠くから。


 時折。


 激しい戦闘音だけが響いてくる。


 誰が。


 どこで戦っているのか。


 ここからでは分からない。


「…………」


 セヴェルは。


 足を止める。


「……?」


 微かに。


 声が聞こえた。


 一人ではない。


 何人もの。


 押し殺したような声。


「こちらから……?」


 音を立てないよう。


 廊下の奥へ進む。


 そこにあったのは。


 普段ほとんど使われていない。


 古い扉。


「…………」


 セヴェルが。


 取っ手へ手を掛ける。


 ――ガチャ。


「鍵が……」


 かかっていない。


 ゆっくりと。


 扉を開く。


「…………!」


 中は。


 薄暗かった。


 窓はない。


 壁際に置かれた灯りだけが。


 僅かに部屋を照らしている。


 そして。


「これは……」


 セヴェルの目が。


 僅かに見開かれた。


 人。


 人。


 人。


 何人もの者達が。


 壁際へ集められている。


 手を縛られ。


 傷を負い。


 中には。


 意識を失っている者までいた。


「…………」


 その顔には。


 見覚えがある。


 ルミナスを支える。


 各部族の有力者達。


「なぜ……」


 セヴェルが。


 一歩。


 部屋へ入る。


 そして。


「…………!」


 奥。


 さらに見覚えのある者達。


 部族を束ねる立場にある者。


 王宮にいるはずの重役。


 クーデターが始まってから。


 姿を見せなかった者達。


「なぜ、あなた方がここに……?」


「…………」


 返事はない。


 セヴェルは。


 ゆっくりと周囲を見回した。


 拘束された者達。


 閉ざされた部屋。


 外では。


 各部族の者達が王宮を襲っている。


「…………」


 何かがおかしい。


 それは。


 ずっと感じていた。


 だが。


「これは……」


 セヴェルの表情が。


 僅かに険しくなる。


 自分が思っていたより。


 ずっと深いところで。


 何かが動いている。


「…………」


 視線を落とす。


 床には。


 誰かが急いで落としたのか。


 紙片。


 薬瓶。


 そして。


 見覚えのない印が刻まれた。


 小さな金具が転がっていた。


「……これは?」


 セヴェルが。


 それを拾い上げる。


「…………」


 知らない。


 少なくとも。


 王宮のものではない。


 部族のものでもない。


「…………」


 指先で。


 小さな印をなぞる。


 そして。


 ゆっくりと立ち上がった。


「まずは……」


 拘束された者達を見る。


「ここから出すべきですね」


 腰を落とし。


 一番近くにいた男の呼吸を確認する。


「…………」


 生きている。


「大丈夫です」


 意識のない相手へ。


 静かに声を掛ける。


「今、助けます」


 セヴェルは。


 拘束を解き始めた。


 だが。


 その表情から。


 疑念が消えることはなかった。


「…………」


 クーデター。


 捕らえられた有力者達。


 そして。


 正体の分からない印。


「一体……」


 手を止める。


「誰が、何のために……」


 答えは。


 まだ。


 どこにもなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。