↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
星詠国家ルミナス クーデター編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
331/475

それが一番なんですがね…

 こうして。


 ルミナスへ向かう臨時部隊。


 その編成と。


 指揮官が決まった。


「あぁ……それと」


 ノアが。


 思い出したように口を開く。


「今回の入国には、国境警備隊のロイド隊長にも作戦に参加していただきます」


「げっ……」


 ヴェロニカの顔が。


 露骨に引きつった。


「…………」


 アーヴェルは。


 無言で眉間を押さえる。


「だっははは!」


 そんな二人を見て。


 バルガスだけが豪快に笑った。


「ロイドの野郎、よく了承したな!」


「バルガス隊長」


「おっと。ロイドの野郎、よく了承しましたね!」


「そこだけ直されても……」


 ノアが。


 小さく息を吐く。


「……言いたいことは分かりますが」


「分かるんだ」


 ヴェロニカが呟く。


「実力は確かです。特に、こういった荒事になりそうな任務では頼りになります」


「まぁ……そうだけど」


 ヴェロニカが。


 ちらりとアーヴェルを見る。


「アーヴェルんとこの若い子達、大丈夫?」


「…………」


 アーヴェルは。


 何も答えない。


 眉間を押さえたままだ。


「仕事はちゃんとしますから」


 ノアが言う。


 一拍。


「……多分」


「多分って言ったじゃない」


「…………」


「おい、アーヴェル!」


 バルガスが。


 アーヴェルの肩を叩く。


「心配すんな! 俺がちゃんと見張ってやるから!」


「…………」


 アーヴェルが。


 ゆっくりとバルガスを見る。


「それも心配だ……」


「だっははは!」


「笑い事ではない」


「細けぇな!」


「お前が言うな」


「だっははは!」


「…………」


 ノアが。


 小さくため息をついた。


「……まぁ、これで決まりですね」


 机の上に広げられた名簿をまとめる。


「作戦開始は明朝。四時に出発とします」


 空気が。


 少しだけ引き締まる。


「各隊から参加者へ通達の上、今日はもう休ませてください」


「了解しました」


「はいよ!」


「はーい」


 それぞれが席を立つ。


 明朝。


 ルミナスへ向けて。


 部隊が動き出す。


     ◇ ◇ ◇


「局長」


 会議室から出ようとしていた。


 アーヴェルが足を止める。


「はい?」


 ノアが振り返った。


「一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか」


「どうぞ」


「なぜ」


 アーヴェルが。


 僅かに眉を寄せる。


「アルトを作戦に参加させるよう、ご命令を?」


「あぁ……」


 ノアは。


 すぐに答えた。


「簡単ですよ」


「…………」


「ここで留守番をさせたら、また何をするか分からないからです」


「…………」


 アーヴェルが黙る。


「あなたは」


 ノアが続ける。


「今回、感情的になっている彼を外すと思いましたから」


「…………」


「違いますか?」


「……いえ」


 否定できない。


「確かに、そのつもりでした。しかし」


 アーヴェルが。


 ノアを見る。


「だからこそ、危険ではありませんか?」


「えぇ」


「なら――」


「大丈夫です」


 ノアが遮る。


「バルガス隊長に」


 一拍。


「ヤンギル君がいる」


「…………」


「あの二人なら、アルトくんが感情だけで動こうとしても止められます」


「…………」


「それに」


 ノアの赤い瞳が。


 僅かに細くなる。


「目の届かないところに置いておくより、目の届くところに置いておいた方がいい」


「…………」


 アーヴェルは。


 しばらく黙っていた。


 そして。


「……確かに」


 小さく息を吐く。


「その通りかもしれません」


「納得していただけてよかったです」


「……了解しました」


 アーヴェルが。


 姿勢を正す。


「失礼します」


「えぇ」


 扉が閉まる。


「…………」


 一人残ったノアは。


 机の上に置かれた。


 ルミナス派遣部隊の名簿へ目を落とした。


「さて……」


 その指が。


 名簿の上をなぞる。


「何事もなく帰ってきてくれれば」


 一拍。


「それが一番なんですがね……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。