次の仕事は…③
「そういえば」
「今度はなんだ?」
「フィリアは?」
「フィリア?」
「もう大丈夫なの?」
「あぁ」
ログが。
棚から。
次の剣を取り出す。
「まだ声は出しづらいみたいだけどな」
「そっか……」
でも。
退院できたなら。
少し。
安心した。
「まぁ、すぐ会うだろ」
「?」
「このあとお前、巡回だろ?」
「うん!」
待ってました。
巡回。
書類でも。
備品点検でもない。
外。
街。
ようやく。
軍人らしい仕事。
「巡回にはフィリアが付く」
「フィリアが?」
「あぁ」
「じゃあフィリアに教えてもらうの?」
「そういうことだ」
「へぇ」
フィリアと。
街の巡回。
どんな感じなんだろう。
「フィリアの巡回は……」
「?」
ログが。
何かを言いかけて。
止まる。
「……まぁ、行けば分かる」
「なにそれ?」
「行けば分かる」
「?」
なんだ?
フィリアの巡回。
普通と。
違うのか?
「いいから手ぇ動かせ」
「あ、はい」
剣を取る。
刃。
柄。
鍔。
一つずつ。
確認。
「はい、先輩」
「…………」
ログが。
こっちを見る。
「なんだ急に」
「だってログ、先輩だろ?」
「まぁな」
少し。
嬉しそう。
「おぉ。やれ、後輩」
「先輩」
「あ?」
「終わったら飲み物奢って」
「嫌だよ」
「なんで?」
「なんで奢らなきゃなんねぇんだ」
「先輩だろ?」
「関係ねぇだろ」
「後輩に奢るのが先輩じゃないの?」
「誰に聞いたんだよ、それ」
「今考えた」
「ふざけんな」
「えー」
ログが。
深い。
深い。
ため息をついた。
「……ユノしかり、お前しかり」
「?」
「俺の後輩はほんっとに可愛くねぇ」
「え?」
可愛くない?
俺が?
「可愛いだろ?」
「どこが」
「…………」
どこ。
そんなの。
決まってる。
剣を置く。
両手を。
頬の横へ。
ちょこん。
首を傾けて。
にこっ。
「全部♡」
ゴンッ!
「いって!」
頭。
殴られた。
「なにすんだよ!」
「早くやれ」
「今の可愛かっただろ!」
「気色悪ぃ」
「ひど!」
「手ぇ止めんな」
「…………」
ログは。
もう。
こっちを見ていない。
次の備品を。
確認している。
「……はーい」
頭を。
さすりながら。
剣を取る。
刃。
柄。
鍔。
一つずつ。
ちゃんと。
確認。
「…………」
でも。
巡回。
フィリアと。
フィリアの巡回は。
行けば分かる。
「…………?」
なんなんだろう。
少し。
気になった。




