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精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
入隊試験

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ティータイム②

「……分からないんです」


「え?」


 アルトが。


 首を傾げる。


「分かんないの?」


「はい」


「…………」


 レテが。


 少しだけ。


 困ったように笑う。


「もちろん、人や精霊を守りたいと思っています」


「うん」


「ガイストも好きです」


「うん!」


「でも……」


「?」


「それだけじゃないような気がするんです」


「…………」


 レテが。


 カップを。


 両手で包む。


「ずっと」


「うん」


「誰かを探しているような……」


「誰か?」


「はい」


「誰?」


「…………」


 レテが。


 小さく。


 首を振る。


「分かりません」


「え?」


「名前も」


「…………」


「顔も」


「…………」


「どこにいるのかも」


「…………」


 アルトが。


 しばらく。


 レテを見る。


「それ」


「はい?」


「探せる?」


「…………」


「…………」


「ふふっ」


「なんで笑うの!?」


「すみません」


 レテが。


 口元に手を添える。


「私も同じことを思いました」


「じゃあなんで?」


「……分からないんです」


「…………」


「ただ」


 レテが。


 窓の外へ。


 視線を向ける。


「探しているというより」


「?」


「待っている、のかもしれません」


「待ってる?」


「はい」


「その人を?」


「…………」


 レテが。


 小さく。


 頷く。


「いつか」


「…………」


「誰かが、私のところへ来てくれるような」


「…………」


「そんな気がするんです」


「へぇ……」


「変ですよね」


「んー」


 アルトが。


 焼き菓子を。


 ぱくり。


「別に?」


「……え?」


「会いたいんだろ?」


「…………」


「だったら探せばいいじゃん!」


「でも」


 レテが。


 苦笑する。


「何も分からないんですよ?」


「じゃあ」


「?」


「俺も探すよ!」


「…………」


「え?」


「俺も探す!」


「アルトくんが?」


「うん!」


「どうやって?」


「…………」


「…………」


「分かんない!」


「ふふっ!」


「笑うなよ!」


「す、すみません」


「これから考えるんだよ!」


「無計画ですね」


「でもさ」


「?」


 アルトが。


 何でもないことのように。


 笑う。


「一人じゃ無理なら、俺も手伝うよ」


「…………」


 レテの手が。


 ほんの一瞬。


 止まった。


「…………」


「レテ?」


「……いえ」


「?」


「なんでもありません」


「そう?」


「はい」


「じゃあ決まりな!」


「勝手に決めないでください」


「えー!」


「…………」


 レテが。


 小さく笑う。


「でも」


「ん?」


「ありがとうございます」


「うん!」


「…………」


 レテが。


 カップへ。


 手を伸ばす。


「……あ」


「?」


「アルトくん」


「なに?」


「それ」


「?」


「私のです」


「…………」


 アルトの手。


 その先には。


 最後の。


 焼き菓子。


「…………」


「…………」


「半分こ?」


「駄目です」


「なんで!?」


「私、まだ一つしか食べてません」


「…………」


「アルトくん、いくつ食べました?」


「…………」


「アルトくん?」


「……覚えてない!」


「忘れるほど食べたんですか!?」


「あはは!」


「笑って誤魔化さないでください!」

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