↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
入隊試験

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
257/481

人喰らい②

パキン――!


「シオンさん!」


 地面を突き破り。


 巨大な氷柱が。


 シオンへ襲いかかった。


「っ!」


 シオンが。


 横へ跳ぶ。


 ドォン!


 氷柱が。


 背後の木を。


 まとめて凍らせる。


「――《水槍》!」


 着地と同時。


 《穿雫》を突き出す。


 水の槍が。


 リヒトへ飛ぶ。


「…………」


 パキンッ!


 凍る。


「アルト君!」


「はい!」


 その隙に。


 アルトが。


 一気に距離を詰めた。


「はぁっ!」


 《砕》を。


 横薙ぎに振るう。


 ドゴッ!


 脇腹。


 確かな手応え。


「……!」


 入った。


 だが。


「…………」


 リヒトは。


 動かない。


「……え?」


 避けない。


 防がない。


 それどころか。


 痛がる様子すらない。


「アルト君! 離れて!」


「っ!」


 リヒトの手が。


 アルトへ向く。


 パキンッ!


「うわっ!」


 氷柱。


 アルトが。


 身体を反らして避ける。


「――《水輪》!」


 間髪入れず。


 シオンの水輪が。


 背後から迫る。


「…………」


 リヒトが。


 振り返る。


 パキッ!


 一つが凍る。


 もう一つ。


「はぁっ!」


 シオンが。


 自ら踏み込んだ。


 《穿雫》を突き出す。


「…………!」


 リヒトが。


 身体を傾ける。


 穂先が。


 胸元を掠める。


 そのまま。


 シオンが《穿雫》を返す。


「――《水蛇》!」


 水が。


 足元へ絡みつく。


 パキンッ!


 凍る。


 バキッ!


 砕ける。


「アルト君!」


「はい!」


 アルトが。


 背後から飛び込む。


 《砕》を。


 振り下ろす。


 ゴンッ!


 肩を捉えた。


「…………」


 それでも。


 リヒトは。


 振り返るだけ。


「なんで……!」


 もう一撃。


 ドゴッ!


 腹。


 さらに。


 ゴッ!


 顎。


「…………」


 効かない。


 全部。


 当たっている。


 なのに。


 傷一つ。


 つかない。


「アルト君!」


「っ!」


 シオンの声。


 リヒトの手が。


 目の前にある。


 パキッ――。


「うわっ!」


 アルトが。


 咄嗟に飛び退く。


 直後。


 いた場所が。


 一瞬で凍りついた。


「…………」


 着地。


 すぐに。


 リヒトを見る。


(なんで……?)


 攻撃は。


 当たっている。


 手応えだって。


 間違いなくある。


 なのに。


(全然……効いてない)


「――《水槍》!」


 シオンが。


 さらに攻める。


 水槍。


 リヒトが。


 横へ避ける。


「…………!」


 アルトの目が。


 僅かに開いた。


(また……)


 シオンの攻撃は。


 避けた。


「――《水輪》!」


 左右から。


 水輪。


 パキンッ!


 一つを凍らせる。


 もう一つを。


 身体を沈めて躱す。


(シオンさんの術は……)


 避ける。


 凍らせる。


 でも。


「…………」


 アルトが。


 《砕》を見る。


(俺の攻撃は……)


 防ぎすらしない。


「アルト君!」


「はい!」


 考えるのは。


 後。


 アルトが。


 再び駆ける。


 正面。


「はぁぁっ!」


 渾身の一撃。


 ドゴォッ!


 《砕》が。


 リヒトの胸を捉えた。


「…………」


「くっ……!」


 押し込む。


 それでも。


 リヒトの表情は。


 変わらない。


 朦朧とした瞳が。


 ゆっくり。


 アルトへ向く。


「…………」


 その目に。


 また。


 嫌悪が浮かんだ。


「……気味が悪い」


「っ!」


 リヒトが。


 腕を振るう。


 ドンッ!


「ぐっ!」


 アルトの身体が。


 吹き飛んだ。


「アルト君!」


 地面を。


 何度も転がる。


「ぐ……っ」


 すぐに。


 身体を起こす。


 その目の前を。


 水が駆け抜けた。


「――《水槍》!」


「…………」


 リヒトが。


 手を向ける。


 パキンッ!


 凍結。


「――《水蛇》!」


 次。


 足元。


 パキッ!


 凍結。


「――《水輪》!」


 さらに。


 左右。


「…………!」


 リヒトが。


 後ろへ跳ぶ。


 ヒュンッ!


 二つの水輪が。


 目の前で交差した。


「…………」


 着地したリヒトへ。


 シオンが。


 間髪入れず。


 《穿雫》を突き出す。


「はぁっ!」


 ガキンッ!


 今度は。


 リヒトの腕を覆った氷が。


 《穿雫》を受け止める。


「……!」


 アルトが。


 その光景を見る。


 自分には。


 しなかった。


 防御。


(やっぱり……!)


 アルトの攻撃と。


 シオンの攻撃。


 何かが。


 違う。


 そして。


 バルガスから聞いた。


 人喰らいの話。


「…………」


 アルトが。


 《砕》を握り締める。


(もしかして……)


 自分の攻撃に。


 足りないもの。


 シオンの術には。


 あって。


 自分の《砕》には。


 ないもの。


(霊素……?)


 その瞬間。


 リヒトが。


 シオンの《穿雫》を弾いた。


「っ!」


 シオンの身体が。


 僅かに崩れる。


「シオンさん!」


「来ないで!」


 リヒトが。


 地面へ。


 手を向ける。


 パキッ――。


 パキパキパキパキ――!


 氷が。


 爆発するように。


 二人へ広がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。