やるしかないでしょ
パンッ!
「……あ?」
銃声。
火花が散り。
ゼンの首元へ迫っていたカタールが弾かれた。
「っ!」
ゼンがその隙に飛び退く。
ライが。
ゆっくりと銃弾が飛んできた方向を見る。
「誰だ?」
木々の向こうから。
一人の男が姿を現した。
傷だらけの身体。
左手には《ツインコード》。
肩には。
白いカメレオン。
「…………」
ヒルトは銃口をライへ向けたまま。
その隣にいる男を見た。
「……え?」
目を見開く。
「ゼン……?」
「……ヒルト?」
ゼンも驚いたようにヒルトを見る。
「なんでお前が……」
「それはこっちの台詞なんだけど……」
二人とも。
まさかここで会うとは思っていなかった。
「…………」
そんな二人を。
ライは交互に見る。
そして。
ヒルトを指差した。
「あぁ?」
「……?」
「お前……」
ライが眉間に皺を寄せる。
「ラ……」
「…………」
「……なんだっけ?」
「は?」
少し考え。
すぐに諦めた。
「まぁいいや」
ヒルトの傷だらけの身体を見る。
「《重圧》とやってた怪我人じゃねぇか?」
「……!」
ヒルトの目が細くなる。
「……なんで知ってるの?」
「見てたから」
「…………」
ヒルトが《ツインコード》を握る手に力を込める。
「じゃあ……」
ラグナが消えた理由。
目の前の男が。
関係している。
「お前がラグナを……」
「ラグナ!」
ライが手を叩いた。
「それそれ!」
「…………」
「ラグナな!」
「……名前くらい覚えとけよ」
ゼンが呆れたように吐き捨てる。
「興味ねぇもん」
「…………」
ライはそう答え。
改めてヒルトを見る。
「…………ん?」
「何?」
「いや……」
目を細める。
ヒルトの顔を。
じっと見る。
「あ……?」
「…………」
「お前……」
首を傾げる。
「どっかで会ったか?」
「……は?」
ヒルトも眉を寄せた。
「ないと思うけど」
「だよなぁ」
ライが頭を掻く。
「でもなんか……」
見覚えがある。
そんな気がする。
「…………」
数秒。
考えて。
「まぁ、いいや!」
「軽っ……」
ヒルトが呟く。
「それより」
ライが再びカタールを構えた。
ニッと笑う。
「お前もやんの?」
ヒルトは。
傷だらけの身体で《ツインコード》を構え直した。
「…………」
ちらりと。
ゼンを見る。
未だに。
なぜここにいるのか分からない。
聞きたいこともある。
でも。
今は――。
「やるしかないでしょ」
バチッ。
ライの身体を。
青白い雷が走った。




