↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊達の忘れ物  作者: 粉砕のじゅんこ
入隊試験

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
206/473

行かせるもんか

「…………え?」


 フィリアの笑顔が、ゆっくりと消えていった。


「……ヒールが?」


「ああ」


 アーヴェルは窓の外へ目を向けたまま、低く答えた。


「どうして……」


「リヒトの目撃情報を知った」


「兄さんの……?」


「ヴォルグで、アルトがそれらしき人物を見ている」


 ヒルトがここ数日、何かを考え込んでいた理由。


 先ほど見せた、苦しそうな表情。


 全てが繋がった。


「それで、一人で追いかけるって……?」


「ああ」


「どこへ行くか、分かってるんですか?」


「分からん」


「だったら、まだ近くにいるかもしれない」


 フィリアはすぐに扉へ向き直った。


「待て、リーベ」


 背後から声が飛ぶ。


 フィリアの手が、扉の前で止まる。


「追ってどうする」


「止めます」


「今のエルナーが、お前の言葉を聞くと思うか?」


「分かりません」


 フィリアは振り返らない。


「でも、何も言わないまま行かせるなんてできません」


「リーベ」


「ヒールは、私を助けてくれました」


 カイルとの戦い。


 自分を庇い、傷つきながらも立ち続けたヒルトの姿が浮かぶ。


「だから今度は、私が止めます」


 アーヴェルはしばらく黙っていた。


「……無茶はするな」


「はい!」


「見つけたら、必ず戻るよう説得しろ」


「任せてください!」


 フィリアは扉を開け、廊下へ飛び出した。


 先ほどまで聞こえていた足音は、もうない。


「ヒール……」


 どこへ向かったのか。


 何を手掛かりにするつもりなのか。


 何も分からない。


 それでも。


「一人で行かせるもんか」


 フィリアは窓を開けた。


「《天翔け》!」


 風が身体を包む。


 次の瞬間、フィリアは本部の外へ飛び出した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。