めっちゃエロい!
◇
会議室。
机いっぱいに広げられていた資料を閉じ、バルガスは満足そうに腕を組んだ。
「うーん……」
答案を見返しながら、小さく頷く。
「まぁ、及第点だ」
アルトの顔がぱっと明るくなる。
「本当ですか!」
「史学はギリギリだけどな」
「うっ……」
アルトは肩を落とした。
「精進します……」
「だっはは!」
バルガスは豪快に笑い、アルトの肩をバンッと叩く。
「そうだな!」
「頑張れ、坊主!」
そして、ニッと笑う。
「まぁ、俺の試験は合格だ!」
「いよっしゃぁー!」
アルトは思わず拳を突き上げた。
「ありがとうございます!」
「おうおう!」
「おめでとう!」
バルガスは机の端に置かれていた書類へ手を伸ばす。
「そんじゃ、坊主の次の試験はっと……」
一枚の紙へ目を通し、口元を緩めた。
「おぉー……」
「ヴェロニカの姉ちゃんか!」
「何をすんだろうなぁ」
「え?」
アルトは首を傾げる。
「バルガス先生も知らないんですか?」
「そうだな」
バルガスは紙をひらひらと振る。
「試験内容は、担当する隊長以外には基本秘密なんだ」
「そうなんですね」
「だから俺も知らねぇ」
アルトは少し考え込んだあと、ふと思い出したように尋ねる。
「ヴェロニカって、どんな人なんですか?」
「んー?」
バルガスは腕を組み、真面目な顔で考える。
「そうだなぁ……」
「一言で言うと……」
少し間を置いて、親指を立てた。
「エロい!」
「…………」
アルトは固まった。
「……え?」
「あぁ!」
バルガスは力強く頷く。
「めっちゃエロい!」
「め、めっちゃエロい……?」
アルトは困惑した表情で瞬きを繰り返す。
「えっと……」
「それって、試験と何か関係あるんですか?」
「知らん!」
「えぇ!?」
バルガスは腹を抱えて笑う。
「だっははは!」
「まぁ会えば分かる!」
「頑張れ、坊主!」
アルトは釈然としないまま会議室を後にした。
「めっちゃエロいって……」
「どんな人なんだよ……」




