独りぼっち②
「ユノォォォッ!」
ログの叫びが、暗い穴の底へ吸い込まれていく。
返事はない。
ただ、静寂だけが格納庫を包んだ。
「クックックックッ……。」
その静寂を壊すように、ゼインが笑う。
「仲間を守ろうとして、仲間を落としてしまう。」
レイスがゆっくりと大鎌を肩へ担ぐ。
「実に滑稽ですねぇ。」
ログは穴を見つめたまま動かない。
《崩槌》を握る手だけが、小刻みに震えていた。
「……糸目。」
ぽつりと漏れた声。
すぐに拳を握り締める。
「……ユノ。」
初めて口にしたその名は、悔しさと怒りに満ちていた。
「おや?」
ゼインは愉快そうに首を傾げる。
「まだ戦う気ですか?」
「安心してください。」
レイスが毒液銃を持ち上げる。
「すぐに、あなたも同じ場所へ送って差し上げますよぉ。」
ログはゆっくりと振り返った。
その瞳から、いつもの気怠さは消えている。
「……お前。」
低い声が漏れる。
「絶対に許さねぇ。」
「クックックックッ!」
ゼインは肩を震わせて笑った。
「ようやく、その顔です!」
「怒りは良い。」
「判断を鈍らせ、視野を狭める。」
レイスが大鎌を構える。
「弱者には、お似合いの感情ですよぉ!」
ログは答えない。
ただ静かに《崩槌》を構える。
その姿を見たゼインは、不気味に口角を吊り上げた。
「さあ。」
「続きを始めましょう。」
次の瞬間。
レイスが床を砕く勢いで踏み込み、大鎌を振り上げた。




