↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しとの激甘生活を目指していたら、塩対応攻略対象たちに溺愛されていました  作者: 水無月傾
青の竜胆の章  〜学園祭

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/38

03-07 【好感度60】『いっしょ』と重視パラメーター

 10月に入り、すっかり秋めいてきた。学園祭まであと一カ月ちょっと。頑張らないといけないわね。


「お兄様、お義姉様、ご相談をしてもよろしいでしょうか」

「あら? シエラどうしたの?」

「どうした?」


 今回の学園祭での一番の目玉となってしまった『王太子とチェス』は私としては王族忖度が起こって閑散となると予想していたのだが、意外にも34人の応募があった。

 これをそのまま予選トーナメントとかでやってもいいのだけど、いかんせん地味だ。


 だってチェスって普通に静かにしてるものなのよ? 人によっては思考が途切れてしまうから仕方ないのだけど、観に来ても喋れないとかなんの修行なのって感じよね。

 そのため、領地にいた頃お兄様との対局で私が作った『静かにナーレ』という魔道具を使うつもりでいるわ。

 名前は馬鹿っぽいけど、これに配置するとその領域内にいる人間は全く周囲の音が聞こえなくなるというものよ。これを使えばどうしても騒いでしまう観客を呼び込める。


 …………でも、すごく地味! 華がないわ。ゴーランド殿下が指すのであれば、私はしないけど、あのゴージャス美形で大抵の人はうっとりするはずよ? でもそのバフがない予選はひっそりするわ。そんなのはつまらない。


 数日悩んでいたのだけど、どうにも思いつかなくて、私はお兄様とお義姉様に相談したのよ。お二人ともお忙しくしてるのは知ってるのだけど、甘えさせてもらい、夕食後時間をもらった。


「――というわけで、その地味さを払拭させたいんです。何かアイデアはありませんか?」

「そうねぇ。それってジェシアン伯爵令息も一緒なのよね?」

「はい。ですがセイル様には期待できません」


 私がそういったあと、お兄様にガシッと肩を掴まれた。痛いですわお兄様。


「シエラ! お前は男心というものがまーーったくわかっていない。男は可愛い女の子に頼られるとうれしくて、張り切ってしまうものなのだよ!」


 ほぅ。なるほど。そんな男性の味方のお兄様には体を張って確かめてもらいましょう。

「では、お兄様は可愛らしい舞台女優の方に頼られたら、嬉しくなって張り切って叶えようとされるのですか?」

「そんなわけわけないだろう! あぁ、ティナ、そんな汚物をみるような目でみないでくれ!」

「グウェン様、最低ですわ」


 なんか痴話喧嘩が始まりましたね。元喪女にはわからないのでこれにて退散ですね。


 でも、セイル様に相談してみるのは悪くないかもしれないと眠る前のベッドの中で思った。

 あの方は食べる時も私のタイミングを見て口をあけているような気がするし、ランチを食べ終わって眠る時も、本をめくる私の利き腕の逆の肩に頭をのせていたりと、意外に物事をみている方だもの。


 少し不安だけど、お兄様の適当意見を採用させてもらうわ!



 私は早速、翌日の昼休みのランチでセイル様に相談してみることにした。

 今日はセイル様が食べている途中で、首を動かしてしまったため、口が汚れてしまった。

 動いて欲しい時に動かず、何故今動いた。早く拭わねば……肉汁グロスは幾ら美少年でも絵面的にないわ。


「セイル様、我々の企画である『王太子とチェス』になんと30名ほどの応募がありました。ですので本番は1対1でないと時間的に無理ですので、予選をしなければなりません」

「…………………」


 あ、これは聞いてないな。でも続けよう。気が向いたら答えてくれるかもしれないし。


「観客をいれる目処はたちました。でも予選トーナメントを淡々とやっても地味です!」

「……………………………」

「それを払拭するためのアイデアを一緒に考えてください!」

「…………いっしょ?」


 お、反応あったぞ。てっきり目を開けたまま寝ているのかと思っていました。


「はい、一緒にです。私とセイル様はパートナーなので考えてほしいです」

「俺に、頼る?」

「はい! とても頼りにしています」


 昨日まで全く頼れないと思っておりましたが、お兄様の言葉を聞いて考えを改めました!

 私は可愛い『ヒロイン』、なのでお願いを聞いてくれるはずよ! お願いだから聞いてー。


「………………あんた、チェス得意、なんでしょ? 早打ちで30人斬り、したら? ふぁぁぁぁ。」


 セイル様は退屈そうに提案してきた。なんならあくび付きだ。でも、早打ち……。できるとは思うんだけど、でもなぁ。


「それだと主役が私になってしまいます。それに私は腫れ物扱いなので、さらに悪化します」

「…………べつに、よくない? あんた、人の目、気にしないし」


 まさか、この方は私のハートがオリハルコン製だと知ってらっしゃる? そういえばあの元副会長たちの一件以降、セイル様についてものを申す方はいなくなったわね。

 正しい(?)腫れ物の姿になったからいけるかも。それにしてもお兄様、なにか事前にしましたか? ガクブルだわ。


「…………たしかに、そうですね。それならパフォーマンスとして受けそうです! うん、それで行きましょう! ただ私は手加減が下手なので、全員斬ってしまいそうですが」

「……なら手数が長く持った人たち、4人で、決勝トーナメント」

 

 あんなに悩んでいたのが嘘みたいだ。凄いセイル様! さすが、幻のシーラカンス!

 私は嬉しくて思わずセイル様の手を取った。


「ありがとうございます! それでいきましょう。もう少し二人で頑張りましょうね」

「……手、あったかい」

「あら、すみません。思わず握ってしまいました」


 そういって手を外そうとしたのだけど、全く外れない。えー、なにがあったのかしら。


「……このまま、寝る。お休み、シエラ」


 ハイ、オヤスミナサイ。でも手は離してくれるとお姉さんは嬉しかったなぁ。手が使えないと本をめくれないわ。

 しょうがない、推しとのこれからの甘い甘いデロデロ溺愛砂糖生活でも空想して時間を潰そう。


 そういえば、あと一週間で試験だわ。その前に今決めたことを掲示して知らせないといけないわね。やることはたくさんだわ。


 私はそっとステータス画面を開いた。


 実は私のパラメーターはすべての項目が100で止まって動いていない。きっとこれがMAXかしらね。ということは試験勉強はあんまり必要ないだろうし、さらっとさらうくらいでいいだろう。


 そういえばヒロイン補正効くかなぁって、あんまり気にしてなかったけど、セイル様の好きになった人がタイプとか書かれてたやつどうなったんだろうか。セイル様の求めるパラメーターってなんだったの?

 相変わらず好感度の花の色のUIは白い竜胆だしね。

でもバーコード横の数字はまた変わっていたわ。今度は60よ。謎なカウントダウンよね。どんどん数字は上がってるからカウントアップ?

 

 ふぁぁぁぁ。まあ、いいか。なんか、動けないし、私も眠くなってきたわ。このまま少し眠ってしまいましょう。


………チカッ。


 ――私は眠ってしまって、パラメーターの容姿と芸術の部分が強く一瞬光ったことを見逃したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。