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推しとの激甘生活を目指していたら、塩対応攻略対象たちに溺愛されていました  作者: 水無月傾
紫の藤の章   〜学園祭

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02-09 嫉妬眼鏡とマウント《藤視点》

紫の藤―パーヴィス・イステリア Side


 私はこの衝撃を忘れることはないでしょう。


 生徒会副会長として、試験期間中の学内の見回りをしておりましたら、カフェテリアで楚々とした公爵令嬢が美しい仕草で『砂糖の塊』を口の中に入れていたのです。


 本当にシエラ嬢は残念すぎる。

 私が導いてやらねばと思い、話しかけたのですが、この私でも予想もできなかった反撃に遭いました。


 確かに特産や特色を知るというのは大事なことですし、それを食べて学習というのも否定は致しません。ですが、まさか女性にフォークで口の中に、砂糖の塊を入れられる日が来るとは思いませんでした。


 完全に頭が真っ白になって、顔が熱いです。ですがシエラ嬢には何か言ってやらないと気が済みません。

 マナー違反を気にしていますが、そうではありません! 男性の口にフォークを入れることについて何で考えが至らないんですか!


 まさか他の男性にもしてるのでしょうか。

 放課後チェスでゴーランド殿下相手に? とても気に入りませんね。


 その後、マナー違反について恐縮するシエラ嬢に、名前呼びの提案をして了承を得られました。

 効率よく目的を達成できたので良しとしますが、この行為は禁止すべきです。……破廉恥ですからね。

 


♢ ♢ ♢



 試験期間が終わり、今日は結果発表です。

 自分の順位は努力が結果として反映され、主席でした。当然のことです、私はそれだけの努力をしていますからね。


 彼女の結果のほうが重要です。なにせ私が教えたのですから、普通にやれば彼女は主席ですが、愚かにも眠ってしまった可能性があるので気が抜けません。

 そう思いながら、一年生のフロアに向かったのですが、途中の廊下でゴーランド殿下に出くわしました。

 彼もシエラ嬢の結果を見に行くそうです。本当に気に入りませんが、私は不満を表情に出すことはなく、淡々と彼とともに向かいました。


 シエラ嬢は満点での主席でした。眠らなかったようで安心しました。

 しかしなぜかレグルスに絡まれている。

 どうやらすべて埋めたから満点での主席だというのが彼は納得してない様子。


 ……なるほど、レグルスは彼女の幼馴染なのに理由を知らされていないのかと、私はなぜか優越感を感じました。


 そしてセイルも珍しく教室から出てきて殿下と側近と側近候補揃い踏みです。

 動いているセイルをみたのは久々ですが、この怠惰な人間をシエラ嬢のような人が相手にはしないでしょう。

 レグルスは極度の女性蔑視の差別主義者です。いくら幼馴染でもその対象でしょう。問題ありませんね。


 そう頭の中で整理をしていたのですが、レグルスが『覚えてろ』と小物発言をしたことで、シエラ嬢がとんでもない暴走を始めました。

 彼女は素晴らしいカーテシーをして『ごめんあそばせ』と去っていったのです。残された者たちは呆然としておりました。


 ふふふ、やはり彼女は変わってますね。

 天才だが努力も怠らず、容姿にも優れているのに、魔道具に対して周りの空気も読まずに熱く語る。そして、腫れ物扱いされてもどこ吹く風。あんな令嬢は見たことがありません。

 そして……私を宰相家の公爵令息として見ない唯一の人間――。


 その後ですか? この場にのこった四人はお互いを強く睨み合って何も言わず解散しましたよ。

 不思議なものです。以前はこの四人で集まっていても何も思わなかったのですが、なぜか今は居心地が悪いですからね。こんなところにいても精神的によくないので、合理的ではありません。だから解散は当然のことですよ。


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