表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/98

096 再びアウストラル王国王宮 (上)

 王妃執務室に秋人が女王達を転移させた。


 アブス、セベロ、ソスのアウストラル王国組、エカチェリー女王、本部長、春人、夏、秋。もちろんテレーゼ侍女長、ドラ達も一緒だ。春人一家は全員揃った。


 チコ王子が王妃に走り寄って抱きつく。


 本部長が王妃に声を掛ける。


「久しぶりだな」


「ああ。元気そうだな」


「まあな。こちらがエカチェリーナ女王だ。こっちがクレスセンシア王妃だ」


「「雑な紹介だ」」


「質実剛健、巧言令色は少ないほうがいい」


「エカチェリーナと申します。この度はご迷惑をおかけして申し訳ない。我が国の関係者はすべて処分した」


「無事にチコが帰ってきた。それに我が国にもつけ入られる隙があった。それを教えていただいたと言う事でよしとしよう」


「すまない」


「ところで旦那はどうしたのだ?」


「新魔法の失敗だ」


「その手があったか」


「こちらはそういう具合には行かないだろう」


「こいつらを使う」


 王妃が蓑虫状態で転がっているセベロとソスを睨む。


「セベロを紹介した女はどうしました」


「まだ捕まっていない」


「協力しましょう。春人殿お願いできるか」


「はい。では冬、頼んだよ」


「うん。わかった。住まいは何処?」


「案内させよう。誰か」


 王妃の腹心だろう。男が入ってきた。


「この男が場所を知っている」


「似顔絵ある?」


 男が女の似顔絵を冬に差し出した。


「元侍女だ」


「なるほど。侍女かぁ。重なっているところをブッスリと串刺しにしてしまえば良かったのに」


「たしかに。握りつぶすよりそっちの方が良かったかもしれない」


「では同行をお願いする」


「もういいよ。場所はわかった」


 冬とマロン、ドラが消えた。


「ここだね」


 王妃の腹心の記憶にあった家だ。庶民の中級クラスだ。でもちゃんと門がある。門の所には衛兵が番をしていた。


 衛兵の相手をするのは面倒なので家の中に転移した。


 家宅捜査をしたらしく書類の類いは一切ない。


「書類に用はないから良いんだけど、ええと匂いがついているのは」


 クローゼットを見つけた。


「マロン、ドラ、匂いを嗅いで」


 マロンとドラが匂いを嗅ぐ。


「匂いは一人分のようだね。念のため洗面所に行こう」


 洗面所のブラシなどの匂いを確認するマロンとドラ。


「いいね。他の女の匂いはない。男が一人。国王だな。女はここで一人で暮らしていたんだろう。では一番新しい匂いを辿るよ」


 壊れたドアから家の外に出る。


 門番にこんにちはと挨拶した。


「どこからわいた。何処のガキだ」


 後ろの方でわめいているが追ってこない。子供と犬だからそうだよね。見張りの方が大切だ。


 馬小屋もなく馬車を持っていなかったようだから歩いて逃げたね。匂いを辿れる。何日かたっているだろうにマロンとドラは優秀。


 おっと辻馬車の発着場に着いた。ここから辻馬車か。聞き込みが必要だ。


 似顔絵を出して聞き回る。


「おじさん、この女の人知っている?」


 何人か御者を聞き回った。


「おお、知ってるぞ」


「ほんと」


「それは顔だけだが、胸が大きく尻は形よく引き締まっていて色っぽかったぞ」


「それでどっちに行ったの?」


「港方面だ」


「そっか。ありがとう。良く覚えていたね。スケベは偉大だ」


「お嬢ちゃん、もうすこし衣に包んだような言い方があるだろう」


「えへへへ」


「乗っていくか」


「行き先がわかったからいいんだ。ありがとうね」


 御者達から見えないところまで歩いた冬。


「隠密三人衆、港町だ。先に行って」


 隠密が飛び立ちあっという間に南方面へ向かって消えた。


 少し待つと港町の光景が流れてくる。


「良し。転移」


 冬とマロンとドラが港に転移した。


「港に来たと言う事は船に乗って逃げようと思ったんだろうね。ええと船着き場はあっちか。切符売り場があるみたいだ。聞いて見よう」


「こんちは。お姉さん、この女の人覚えていない?」


「ああ、その人。急いでいたみたいでさっきの船に乗ったよ。ほら沖に出ていく船だ」


「ああ、あれか。女の人は数日前に港に着いていた気がするんだけど」


「王妃様の海賊討伐のためしばらく船は欠航していたからね」


「そうなんだ。あの船は何処に向かっているの?」


「隣の国だよ。山越えより船で陸沿いに回ったほうが楽だからね」


「ふうん。ありがとう」


 女児が事務所を出ていった。


「あの女の子は何だろうね」


「さあ、わからないけど。女は怪しかったよね。焦っていたみたいだし。どう見ても逃亡者だからさ」


「女の子の方が怪しくはないね」


「だから教えちゃった。どうせ海の上だからどうする事も出来ないからね」


 船が出てしばしのんびりした事務所だ。


 隠密はすでに船の上だ。


「いたいた。一人だね。こっちを見ている。逃げられてほっとしたところか。今度は舳先に向かって歩いて行く。行き先が気になるか。ドラ一と二は女と荷物をクレちゃんの部屋に転移させてね」


 ドラ一とドラ二が船に向かって飛んでいく。隠密の映像が流れてくる。ドラが女と荷物を掴んで隠密を連れて転移した。


「じゃああたし達も行こう。おっと乗船者名簿を直しておかなくちゃ。海に落ちたんだと思われてしまう」


 冬とマロンが船上に転移、乗船者名簿を見つけた。


「ふうん。個室は名前が書いてあるけど、大部屋は男女別人数だけだね。いい加減だな。逃亡者は大部屋だね。女性一名を減らしておこう。切符売り場は良いね。切符は売ったけど乗らなかったんだよ。うん。よし、戻ろう」


 冬とマロンも転移していく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ