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服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


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095 再び南の国境の街 リーメス

 春人と女王一行はロカーレからリーメス郊外に馬車ごと転移した。


「さて、リーメスの街に入るか」

 春人が御者のセバスに言って馬車はリーメスを囲む土手を目指す。


 土手の坂道を上るとコレットと先発隊が門を出て迎えにくるところだった。

 案内されて門を通過、宿に到着。


 女王はすぐ予約してあった部屋へ。

 女王、侍女長、本部長、春人、夏、秋人、副隊長が集った。王子は別室でコレットが面倒を見ている。


 本部長が今までの経緯を女王達に説明した。

「わかったわ。王子と守り役を呼んで」

 本部長が守り役を副隊長が王子を呼びに行った。


 先に守り役がやってきた。

「王子の守り役のアブスと申します」


 本部長が女王の紹介をする。

「女王だ」

「エカチェリーナです」


 丁度、ドアが開いて王子が入ってきた。


「爺」

 アブス守り役に走り寄って抱きつく王子。


「大事ないか。爺が目を離したばっかりに」

「ううん、爺は出張と父上が言っていた」

「そうか。陛下がな」


「アブス殿、まずは王子を王妃の元に戻そう」


「よろしくお願いする」


「承知した。春人殿お願いする」


「冬が王妃の執務室にいるから丁度良い。送ろう。王子の他には?」


「私が行こう。それとアブス殿、本部長、春人殿一家。副隊長はここでの披露会の準備を進めてくれ」


「女王陛下、セべロもお願いします」


「裏切り者だな。わかった」


「秋人、セベロを連れてきてくれ。王子様がいないほうが面白い。王子様は控室で待っていてもらおう」


 コレットが控室にチコを連れて行く。


「俺、本部長の部下じゃないんだけど」


「お前は夏殿が俺の補佐に任命したから部下だ」


「こき使っていいですよ」


「ほら見ろ、夏殿の仰せだ」


「ちえっ」


 秋人が部屋を出ていって、北リーメスに転移、セベロを連れてきた。


 アブスが静かな声で聞く。


「セベロ何かわかったか?」


「北リーメスでは何もわかりませんでした」


「秋人、次だ」


「へいへい」


 秋人が蓑虫状のソスを引きずってきた。熱い熱いと転げ回っている。


 再びアブスが口を開く。


「此奴はドラゴン殿に火の玉を背中に落とされた。大分背中がステーキになってしまったが。そしてこいつはお前と誘拐犯の繋ぎをしたと言っているが、セベロ、相違ないか?」


「し、知らない」


「そうか、セベロがそう言っているがソス、どうだ?」


「俺は、セベロと誘拐犯の繋ぎをした。熱い、熱い。助けてくれ」


「セベロ、まだ知らないと言うか?」


「そいつはドラゴンに火の玉を落とされ、拷問されて拷問を逃れるために嘘を言っています」


 本部長、

「へえ、頑張るねえ。王子様なら真相を知っていそうだが」


「王子様は行方不明だ」


「教えておいてやるが、王子様は駆け引きの道具だ。場合によっては国元に返される。返されたらお前さん、困るのじゃないか?」


「・・・・」


「誘拐犯から聞いていないか?」


「知らない。誘拐犯などは知らない」


「そうか。それなら誘拐犯に会わせようか。軍が捕らえているが。それより王子様に聞いてみようか」


「王子様は行方不明だ。聞く事は出来ない」


「秋人、お連れしてきてくれ」


「はいはい」


 秋人が王子を連れてきた。コレットも一緒だ。


「王子様。この男をご存知か?」


「はい。父がつけてくれた侍従です」


「王子様が誘拐されたときこの侍従は何をしていた?」


「ソスと誘拐犯と話をしていました」


「と言う事だ。セベロ侍従様。もう逃れられない」


 がっくりと肩を落とすセベロ。蓑虫がもう一匹出来た。


「まあ、他国の人だ。王妃様にお預けしよう。それでは秋人、転移だ」


「へえへえ」


 一瞬の後、一同はアウストラル王国の王妃執務室に転移した。

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