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服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


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081 城壁の街 ロカーレ (8)

 春人達がゆっくり食事をしてお茶にしていると冬達が転移してきた。


 マロンが冬に向かって走って行って飛びついて冬に抱っこしてもらっている。


「秋ニイ、また変なのを作った」

「それは、てんとう虫型情報収集探察装置だ。愛称は隠密。三つ作った。マロンにはマロン隠密、ドラ一にはドラ一隠密、ドラ二にはドラ二隠密だ」


「分かったけど、映像が送られてくるんだけど」


「それは誘拐された子供をドラ二とドラ二隠密が見守っている。その映像だ」

「ふうん。面白そう」


「これが誘拐されていた子供が着ていたらしい服だ。男が古着屋に売りに来て買いたたかれていた。その売りに来た男をマロンが尾行して子供が捕まっているのが分かった」


「その服を見せてください」

 女王が春人が持っていた服を手に取る。


「これは南の国の王族の服です。もしこれを子供が着ていたら大変な事件です」


 本部長が呟く。

「大事になった」


「冬ちゃん、隊長を呼んできてもらえる」

「いいよ」

「セバスも連れてきてね」

「お母さん、わかったー」


 冬がマロンを抱っこし、ドラ一をたけて転移して行った。

 すぐ隊長とセバスを連れて戻ってきた。


「何かありましたでしょうか」


「これを見なさい」

 女王が子供服を隊長とセバスに見せる。


「それは」

「これは、南の国の王族の服です」


「どうしてここに」

「ロカーレの街にこれを着ていたらしい子供が囚われている」


 隊長の顔色が悪くなった。

「もし本当なら」

「国際的な大事件になる。多分この子が誘拐されたのは国境の街リーメスだ。すぐリーメスに副隊長を送って情報収集しなさい」


「エカちゃん、待って」


 冬がすぐ子供の顔の似顔絵を描く。

「この子だよ。無事だ」


「これから子供の確保に行くがすでに子供にはバリアが張ってある。子供の体調は良好だ。少しお腹が空いている程度だ。だからこの子の関係者がいたら子供は無事確保と言って良い」


 春人に言われて隊長はちらっと女王を見た。女王が頷く。


「わかりました。すぐ副隊長に数人つけてリーメスに送ります」


「誘拐なら大事件になっているだろう。一刻も早く子供の無事を知らせないとまずい。冬は数人ヒカゲとツキカゲから連れてきて、副隊長と部下と一緒に行ってくれ」


「ヒカゲ・ツキカゲから4人、コレットをつけて5人連れて行こう。誘拐犯の仲間が多かったら増員する」

 冬が影を迎えに行った。


 すっかりヒカゲとツキカゲは春人一家の配下になってしまったと女王と侍女長。


「お前も行きなさい」

 女王に言われた本部長。


「俺?」

「そう。エカチェリーナ補佐にして特使。外交問題にならないようにうまく処理しておいてね。服はそれらしい服にして行きなさい」

「へいへい」


「秋人も行ったら。本部長と仲良しなんだから。エルダー補佐よ」

 夏に言われてしまった秋人と本部長。

「あーあ」


 冬が影を連れて戻ってきて、秋人と冬、コレットと影4人、本部長、副隊長と兵を連れてマロンとドラ一と転移して行った。


 夏がテーブルなどを収納する。


「それでは被害者救出作戦開始だ」

 春人が言って春人、夏、女王、侍女長の4人が転移していく。


 誘拐犯の家の前に転移した。


「バリアが張ってあるから犯人は逃げられない。まずは子供を救出しよう。ドラ二、転移させてきて」


 屋根の上にいたドラ二が窓から侵入、すぐ10歳くらいの子供と一緒に転移してきた。


 子供はきょろきょろしている。


 女王が話しかける。

「大丈夫だよ」


「ここは?」

「ロカーレ。リーメスから少し北へ行った街だよ」


「おばさんが助けてくれたの?」


 おばさんと言われてがっかりした女王。気を取り直して続ける。


「おばさんの友達が助けてくれた」


「僕、リーメスで誘拐された」

「そうか。名前は?」


「チコだよ」

「チコは、お父さんはマクシミリアノさん、お母さんはクレスセンシアさんか」

「そうだよ。おばさんは」


「エカチェリーナだ。お父さんとお母さんとは知り合いだ」


「それじゃ僕は助かったの?」


「そうだよ」


 子供は初めて涙を流した。女王が抱きしめてやる。


「それじゃチコちゃんはエカチェリーナさんに任せて中の誘拐犯を捕らえよう」


 春人と夏、侍女長が誘拐犯の家の玄関のドアを叩く。


 ドアを開けて誘拐犯が顔を出す。

「何だ」


「ここは誘拐犯の家ですね」


「何を言っている。衛兵を呼ぶぞ」


「どうぞ。もっともご存じかも知れませんが今は衛兵も数が少なくなっています。呼ぶなら軍ですけど」


 男はドアを閉め鍵をかけた。


「おい、逃げるぞ。おかしなやつらが来た。王子を連れて来い。裏口から逃げる」


「大変だ。王子がいない」

「どうしたんだ。部屋の鍵はかけておいたろう」

「鍵はかかっていた」

「窓は」

「窓は最初から開いていた。二階だから子供には降りられない」

「探せ」


 誘拐犯達は家中を探す。


「何処にもいない」

「くそ、表のやつらが誘拐したのか。とにかくここは知られてしまった。裏から逃げるぞ」

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