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服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


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046 盗賊に襲われる

 午前中2回休憩の後、村に着いた。


「昼飯だ。村の食堂だ」

 本部長が言って冒険者が食堂の席を確保しに行く。


「空いているそうです」


 みんなで食堂に入る。


「今日はお客が大勢だ。どっから来たね」

「王都だ」


「そうかい、ここらにはこんなに奇麗な人は来た事がない」


 自分の事だと女王と侍女長。


 食堂のおばさんは女王達を素通りして、夏のところに。


「何にするか?」

「おすすめで」


「そうかい、おつきの人もそれでいいね」

 ふりかえられて言われてしまった女王と侍女長。


「はい」

 忖度、お世辞なしの村の食堂であった。


 しばらく待っていると、おばさんが料理を持ってきた。


 しょっぱいスープと硬いパン、肉と野菜を炒めたものだ。


 しょっぱいスープと硬いパンはこの世界共通だろう。

 女王達も慣れている。


「これは炒め物かしら」


「ああ、手早く作れるからね。うちは大衆食堂だから安くて早くてそして旨い」


「確かに肉と野菜の炒め物は美味しいです」


「そうかい。ありがとうよ。おつきの人もこんな田舎までたいへんだね。ほれおまけだ」


 女王と侍女長は小さい果実をもらった。


 本部長はおかしくてしょうがない。笑ってしまってはあとが恐いと必死に笑いをこらえる。腹筋が鍛えられる。


 無事食事が終わっておばさんは当然おつきの人に代金を請求した。

 仕方なく金貨を出す侍女長。


「あんた、なんだよこれは。馬鹿にするんじゃないよ。ここは大衆食堂だ」


「おばさん、こっちだよ」

 冬が大銀貨と中銀貨を侍女長に渡してやる。


 本部長はついにこらえ切れなくなった。店を飛び出して大声で笑い出した。


 覚えていろよと女王と侍女長。


 おつりは春人達も始めて見る角銀貨が混ざっていた。


 冒険者が教えてくれる。

「小銀貨の下は、角銀貨です。大角、中角、小角銀貨です。小角5枚で中角、中角10枚で大角、大角2枚で小銀貨になります」


「そうか。知らなかった」

 女王、侍女長、春人一家であった。


 出されたお茶という薄い色が付いたお湯を飲んで出発である。


「まいど。今日は天気が良いから夕方には宿場に着くだろうよ」

 おばさんが見送ってくれる。


「あれ、おつきの人が子供と馬車に乗ってしまった。具合が悪いのかね」


 本部長は前の方でクックックッと笑っている。


「おい、たいそうな腹筋運動になるな」

 言われても困る冒険者であった。


 一時間ほどしたらトイレ休憩のご所望である。道端に馬車を止めた。


 草原である。一角ウサギがあちこちにいる。トイレテントを設置した一行をじっと見てぴょんぴょんと近づいてくる。


 トイレを済ませた女王と侍女長。

「可愛いわね」


 言った途端に一角ウサギが女王に向かって飛びかかってきた。


 冬が短剣で仕留める。


「エカちゃん、こいつ弱いけど角があるから危ないんだ。お腹を刺されると死んでしまうよ」


「知らなかった。ありがとう」


「でも肉はまあまあなんだ」


 冬が一角ウサギのお腹をさいて、秋人が開けた穴に内臓を投げ入れる。血抜きをして収納した。秋人がすかさず穴を埋める。クリーンをかけておしまい。


「たくましいわね」

 女王と侍女長の感想だ。


 冒険者は目を白黒している。

 手際が良い、そして無詠唱魔法の数々。常人ではないと思った。


「行くぞ、一時間後はお茶休憩だ。その後は宿場までだ」

 本部長の号令で再び進み始める。


 途中何事もなく休憩用の道側の広場で休憩。


 トイレを済ませてお茶にしていると王都の方から馬車が来るのが見える。雰囲気が良くない。


「姉上馬車に入っていてくれ」

「わかったわ」


 女王は侍女長、冬とマロンと馬車に乗った。


 急いでテーブルと椅子を収納する。馬車に馬をつなぐ。


 馬車が近づいてくる。広場に入ってきた。


「ここ、いいかね」

「ああ、俺達は出るところだ」


「立派な馬車だな」


 馬車の男達が値踏みをするように馬車を見る。馬車と馬に乗った男達だ。人数が多い。10人超だ。


「そうかい。それじゃな」

 夏と秋人を先頭に馬車が広場を出る。


 馬車の後は春人家の使用人、その後は春人、本部長、冒険者である。


「来るかな」

「ああ、来るだろう」


 春人と本部長が振り返るとすでに馬車は広場を出ていた。


「前方はどうかな」

「いるかも知れない」


「夏と秋人がいるから良いか」


「多分、前は足止め、後ろが本体だろう。30分から一時間の間だな」


 30分ほど経った。夏が薙刀を小脇に抱えた。秋人は太刀を背負った。


「来そうだな」

「ああ」


 本部長は剣を抜く。

 春人家の使用人は忍者刀だ。

 春人が野太刀を抜いた。


 馬車の前方に丸太が転がされる。


 夏が薙刀で丸太を三つに切り飛ばす。秋人が馬を飛び降り丸太を賊に向かって投げつける。三人が潰された。残りの賊は二人、夏が薙刀を振るって頭が二つ飛んだ。秋人が馬に飛び乗り前方の邪魔な丸太と賊を消す。


「テオ、行くぞ」

 夏が馬車に声をかけた。こういうときのために余裕を持たせた四頭立てであるからすぐ速度が上がる。


 馬車の両脇にセバスとコレット。

 馬車の後ろにイタサンとジーナ。

 全員忍者刀を背負っている。


 馬車は任せて、春人、本部長、冒険者が後ろから猛然と追いかけてくる馬と馬車に突っ込んで行く。


 たちまち騎乗の男達は切られて落馬。


 馬車を春人の野太刀が水平に切った。刃は馬車の幅より短いが馬車の屋根が切り飛ばされた。御者と中に乗っていた盗賊の首領とその情婦らしいのも二つになって上半身は飛んで行った。


「おい、凄まじいな」

「まあな。これはどうするんだ」


「盗賊だから道の脇によけておいて街の衛兵に届ければいいだけだ。馬車に乗っていたヤツは賞金首だろう。それは持って行く」

「そうか」


 春人は本部長、冒険者と盗賊の死体を道端に投げる。


「馬はどうする」

「連れて行って売ろう。金目のものも持って行こう」


 冒険者が馬車や死体をあさった。中くらいの袋一杯、何やらあったらしい。にこにこしている。


 盗賊の馬に賞金首をくくりつけた。


「さて行くか」


 春人達は馬に乗って盗賊の馬を引いて、速度を落としていた馬車を追う。すぐ追いついた。


 元の並びに戻って街を目指す。もう休み無く街までだ。

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