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結婚するとは言っていません【書籍化・コミカライズ化決定】  作者: 白雲八鈴


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第75話 え?バレたのですか?

 イラッとして少々やり過ぎたことは認めます。ですから、謹慎処分は受け入れましょう。

 しかし、その内容は受け入れがたいですね。


 ええ、ここで私が姉のシエラメリーナとバレる確率が高くなることは避けないといけません。


「団長。独房での謹慎を希望します」

「却下します」


 無表情で即答! もう少し考えるとかないのですか。

 そして、レクスは一枚の封筒を私の目の前に掲げてきました。

 何かの招待状でしょうか?


「グレンバーレル魔導師団長とは本気で戦えるのに、私と戦ってくれないのはどういうことですか?」


 提示された封筒の様相は豪華といっていいものです。ですが、レクスの言葉がこの封筒につながるとは思えません。

 ですが、一応聞いてみましょう。


「御前試合でもあるのでしょうか?」


 国王陛下主催の剣闘試合でもあるのでしょうか? その招待状なら、繋がらないこともないです。


「いいえ」


 では、この状況はどう解釈すればいいのですか?

 はっ! まさか昼食をボイコットしてしまったので、怒っているということですか?

 それは悪かったです。


「私がグレンバーレル魔導師団長に喧嘩を売ってしまったことに対する罰のみの話をしてください。その封筒は関係するのですか?」

「騎士団を超えて問題を起こしたことにより、私が直接再指導を行うという建前にします」


 建前って言っちゃっています。

 しかし、騎士団団長の従騎士が魔導師団長とやり合っていたという問題を内外的に収めるにはそうすべきなのでしょう。


「理由に納得しました。謹慎処分を真摯(しんし)に受け止めます」


 問題を起こしてしまったのは事実なので、謹慎処分ぐらいで済むなら軽いものです。


 北の国境で蛮族を討伐してこいとか、魔物の大群が発生したから討伐してこいとか、婚約者を用意したから見合いに行けとか言われるより断然いいです。


 勿論、それを言ったのは前任のクソジジイの団長ですけどね。


「納得してくださってよかったです」


 団長が、従騎士に敬語を使っている問題が継続されていますけどね。


「それで、これは話すつもりだったものです」


 レクスは封筒から中身を取り出して、私に見せてきました。

 ファングラン公爵主催のパーティーですか。

 現当主の弟君が、その座を奪った兄に堂々とパーティーの招待状を送りつけるのですか! ドン引きです。


 元婚約者のファングラン公爵夫人と子どもたちがいる家族を、その座を奪った者に見せつけるのですか?

 人の心はないのかと聞いてみたいですね。


 あれ? そう言えば何故、レクスは未だにファングランを名乗っているのでしょう?

 普通であれば、別の爵位を賜っていそうですのに。


「今回の野盗討伐の功績者に対して、国王陛下自身が言葉を与えたいと言われたそうです。しかし、この時期だと一ヶ月半後にある戦勝記念の祝賀パーティーでということになります。しかし、それまで待てないと……」

「一ヶ月半後でいいと思います」


 国王陛下は何を考えておられるのでしょうかね? 第二王子……王弟のランドルフ殿下よりはましですが、あの自信過剰すぎるジークフリート殿下……王でしたね。それが何を言い出しているのでしょうか。


 まぁ、この時期に帝国の敵将を捕らえたことで、貴族たちからの求心力を高めようとしていると捉えられますね。


「それが何故、私に関係あるのでしょうか?」


 従騎士でしかない私には、そのような招待状は送られないはずです。凶剣のアラドルフを捕縛したのは、団長のレクスと特殊部隊を率いていたセレグアーゼの功績になったはずです。


「隊長こそが、承るべき言葉だと私は思いました」

「え? あのジークフリート殿下からの言葉なんて嫌味だけですよね」

「……」


 なんですか? その沈黙は。

 だって『君が氷姫のフェリラン? 姫というより猛獣のほうが合っていそうだね』とか『君、もう人間を止めてない?』とか『君がいれば、私の王位が確定されるよね? 私側につくと皆に言っておいてあげるね』とか、人の名を勝手に使うなと思ったものです。

 フェリランが、ただの子爵家の娘と思って好き勝手言ってくれました。


「それは国王陛下とも仲がいいということですか?」

「私は田舎の伯爵家の者なので、王族の方々とは会ったこともないです」


 領地から出たことがない私は王族の方々とは面識すら持つ機会はありませんからね。


「そう言って、グレンバーレル魔導師団長と仲が良さそうに二人で出かけて、楽しそうに戦って、私は仲間はずれですか」


 ふぉ! なんだかレクスの背後から黒いオーラが沸き立っているように見えます。

 だから、グレンバーレルとは根本的に性格が合わないと言っているではないですか。


「はぁ、わかりました。そのパーティーに参加すればいいのですね」


 騎士の礼服の隊服は従騎士にはないので、一応持ってきたアルバートのお古を着ればいいですか。

 三年前に作った衣服ですが、ドレスほど流行に口うるさくは言われないでしょう。


 こういうのは殿方は良いですよね。


「私のパートナーとして参加してくれるとは、とても嬉しいです!」

「は? パートナー? 従騎士としてですよね?」

「私にはパートナーがいませんので、隊長にお願いしたいです」


 これまたおかしなことを言われました。

 何ですか? 従騎士の私をパートナーにとは?


 従騎士がパートナーになりえると?

 いやいやいやいや、何かがおかしいです。


「騎士団団長の従騎士として参加するでいいですよね」


 私は念押しの確認をします。男装でいいのですよね?


「姉君のシエラメリーナ嬢としてです」

「はぁ――――?」


 え? これってレクスにバレてしまったということですか?

 この状況、レクスの侍従のエストがバラしたとしか考えられません。


ん? 姉君(・・)の?

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