表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣豪の復讐物語  作者: 大土 土人
16/25

15話 縮地

『能力《縮地》を取得しました』


 頭を突き刺す様な激しい痛みと共に無機質な声が頭に響いた。


 だが、今の零にとってはどうでもいい事だ。


「はぁ…… 」


 零は真っ二つに折れた木刀を見て深いため息をつく。


 そして、相当ショックが大きかったのか、それっきり動かなくなった。


 それから数時間経ってからやっと零は立ち上がった。


(あ゛あ゛、何やってんだ俺、いつまでくよくよしてんだよ。こんな事してても意味ねーんだから心を入れ替えろよ)


 そう思いながらまた、ため息を吐いてしまう。


「クソッ! 」


 零は突然大声を出して自分の顔をぶん殴った。


「いッつ…… 」


 思った以上に痛かったが、これで多少は気持ちの整理がついた。


 そして、零の思考は数時間前に取得した能力に移る。


(たしか、取得した能力は縮地だったよな)


 そこで零は違和感を覚えた。零の知っている縮地は能力ではないのだ。


 どういう事かと言うと、零の知ってる縮地は、移動の時、筋肉運動が全く無く、相手に悟られずに動けて、相手には瞬間移動している様に見える。と言うものだ。


 これは、血のにじむ様な努力が必要であり、決して能力では得られないはずなのだが……何故かここでは取得している。


 ちなみに零は縮地は完璧ではないが出来る。


 試しに縮地をしてみる。


「うおっ! 」


 すると、一瞬にして景色が変わった。景色が変わったとは言っても、ここ一帯は森なのであまり変わった感じはしないが、確かに変わった。


 後ろを振り向いてみると、狐が物凄く小さく見えた。


 たぶん、狐の大きさから見るに、この一瞬で100メートルは移動しているのではなかろうか。


 これは良い移動手段を手に入れたな。そう思い、一瞬で元居た位置に戻る。


「さて、移動すっか」


 そう言い、木でできた小太刀を持つ。大太刀は持って行くかどうか迷ったが、どうせ邪魔になるだけだと割り切って、持って行かない事にした。


 とても名残惜しいがしょうがない。


 そして、零は山に向かって移動を始めた。今までとは比にならない速度で。


 縮地で移動してから30分程経った頃には、これまではそうでもなっかたが、今は山に近づいたと実感できるはど移動していた。


「うぅ…… 気持ち悪い…… 」


 さらに、これまでにないほど酔っていた。


 生身で高速移動して景色が目まぐるしく変わるのだ。酔ってもしょうがないだろう。


 ちなみに、あの狐は零の縮地についてきている。何なんだコイツは!?と何度も思ったが、深く考えないことにした。


 そんなこんなで、酔っては休み、酔っては休みを繰り返し、1週間程経った頃には、零は大きな山のふもとにいた。


「ふぅ、山には着いたが、これからどうすればいいんだ? 」


 零は狐を見ながら言った。


 その狐は零の質問に答えるようにして歩き出した。零はそれについて行く。


 そして、1時間程歩いただろうか、目の前には洞窟があった。


 歩いている途中に鬼に遭遇したが、狐が一瞬で肉塊にした。それに、食べてもなんの能力も取得しなかったので、弱い方の鬼なのかと思った。まあ、弱い方とは言っても零よりは断然強いのだが、そこは考えないようにする。


 話は逸れたが、その洞窟には、少しどころかかなり変わったところがあった。その洞窟は、白く淡く光っていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ