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剣豪の復讐物語  作者: 大土 土人
12/25

11話 考察

 零は、考察を終えると、夜になっていることに気づいた。


「もうこんな時間か…… 」


 零は、木々の隙間から見える星空を見て呟いた。


「寝るか」


 零は気に寄りかかり、両側に木刀を置き、起きたらすぐに戦える体制で眠りにつく。


 だが、このチェワンドの森では眠ることすら命取りになるのだが、零はそんな事を知るはずもなく、すぐに寝てしまった。


 一方、零に何故か好意的な狐は、零から3メートル程離れた場所で体を丸めた。その間にも、狐の耳は(せわ)しなく動き続けている。


 零が寝ている間に零が考えた考察についてまとめよう。


 まずは最初に取得した5つの能力、鬼神の使徒、強欲の不死、憤怒の炎、怠惰の雷、暴食の強化についてだ。


 この能力を取得した理由は恐らく、名前を変更したからだと思われる。最初に取得した鬼神の使徒は名前を変更した途端に取得した。そして、立て続けに4つの能力を取得した。今はこんな情報しか無いが、能力を取得した理由は名前を変更したからだと考えるのが妥当だろう。


 そして、鬼神の使徒以外の4つの能力は七つの大罪の罪の内、4つの罪に該当する。何故七つの大罪なのかは分からないが、この能力を取得した時には確かに、強欲、憤怒、怠惰、暴食の感情が渦巻いていた。だからその感情に関連した能力を取得した可能性はある。


 そして、この能力の特性についてだが、分からないことがほとんどだが、分かることは多少なりともある。


 まずは、強欲の不死についてだが、これはそのままの意味で死ななくなるのだろう。だが、不死と言っても普通の不死とは違う。


 普通の不死と言う言葉もおかしいが、この世界には不死の能力を持つ者が10数人程いる。その不死の能力は、心臓を貫かれても、首をはねられても死なない。だが、その傷が癒えるまで1ヶ月掛かる。


 それに比べ、零は一瞬で治っていた。


 まぁ、簡単に言えば強欲の不死は普通の不死の上位互換という事だ。


 次に、憤怒の炎と怠惰の雷についてだが、この能力は火と雷の魔法の威力を底上げするのだろう。だが、これは零にとって死活問題だ。


 零は魔法が使えず、刀に魔法を纏わせる戦い方でこれまで戦ってきた。だが、それが出来たのは、魔法の威力が低かったからだ。雷は暴発しても静電気程の痛みしかなく、完全に制御するまでになると、ピリピリとしたむず痒さがあるくらいだ。いわゆる見掛け倒しというやつだ。


 しかし、憤怒の炎と怠惰の雷を取得し、威力を底上げされてしまったせいで、魔法を纏わせるには毎回即死級のダメージを負わなければいけない。つまりは地獄だ。


 そして、憤怒の炎と怠惰の雷にはもう1つ特性があると思っている。それは、対象物だけにダメージを与えるというものだ。これは鬼熊の腕を灰も残らず焼き尽くした際に周辺の草木には炎が燃え移らなかった。


 すなわち、フレンドリファイアしないという認識でいいだろう。だが、その代わりと言ってはなんだが自傷ダメージが半端ない。


 怠惰の雷にもこの特性があると考えられる。


 そして、暴食の強化についてだが、上手く言えないが強いて言えば、食べたものの能力を自分の能力にするというものだろう。


 例えば、炎耐性の能力を持つ魔物がいたとしよう。その魔物を食べると、零が魔物の持っていた炎耐性を取得するというものだ。


 だから、急に取得した中毒無効は擦り潰されていた植物が持っていた能力で、零がその植物の汁を飲んだ事によって取得したのだろう。


 そして、暴食の強化で取得した中毒無効は、その名の通り、中毒が効かなくなるのだろう。


 この能力を取得したことで、酷い中毒症状の出る鬼の肉を安心?して食べることができる様になるだろう。


 最後に、鬼神の使徒についてだが、これはほとんどなんも分からない。前に説明した4つの能力を取得する引き金になった事は分かるのだが、それ以外は何も分からない。


 特に、特別な能力っぽいからと言って、力が湧いてくる感覚もなければ、強くなった気もしない。


 これが今、分かってる全ての情報だ。


 今はまだ分からない事が多いがこれから情報を集めていくつもりだ。


 とは言っても、まだこのチェワンドの森に落ちて1日も経っていないのだが。

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