47・バードラットとの会食
前回のあらすじ
モンスター襲撃事件を切っ掛けに各々思うところがあったのか、自分のあるべき姿を模索している様子だ。
鳥の囀りが澄んだ空気に響き渡る早朝、僕は窓辺から僅かに射し込む日の光の暖かさを肌で感じて目が覚めた。
今朝はマルティナが居ないが朝の運動は習慣になっているので、まだ寝ている家族を起こさないようそっと家を後にすると、走り慣れた道を新鮮な空気を独占しながらコドリン洞穴入り口まで駆けた。
「おはよう アネット 盲目さん」
「おはよう マルティナに戦士さん盾さん」
『おはよ~』
『はよ~』
『よ~』
大通りのギルド前まで来ると、マルティナも早起きが習慣化していたのか、準備万端と言った様子で待ち構えていた。
声の調子から気疲れは感じられず、ここ暫く気を張り詰めていた様子だったが、困っている人の為に働く彼女はその中に生き甲斐を見出だしたのか、気分はハツラツとしていた。
「うん! 私が居なくても鍛練は欠かさなかったようね 感心感心!」
「マルティナは大丈夫なの? 子供達不安にならない?」
「流石にこの時間には起きないわね 私が朝外に出るときも ソフィリア全然起きないし
それじゃ とっとと終わらせちゃいますか!」
そう言うとマルティナは変わらず元気な仕草で僕の手を引いた。
道中、あんな事件があったことを思い起こしつつ同じ道を走るが、この時分だけは何時もの朝の町の様相が佇んでいる。
あの出来事が悪い夢であるかのように普段通りの道が普段通りにただ只管延びていた。
朝の運動も終わりマルティナと別れた後家に到着すると、オフェリナ叔母さんも何時もの調子で家事を仕始め、ミストリアも此方の生活に慣れたのかその手伝いをしている。
僕もその輪に加わりいざ朝食となったが、どんな理由であれ食卓に居るべき人が居ないと言うのは何だか物悲しい気持ちにさせられた。
そんな感傷を払拭したかったのか僕の口数は自然と増えたが、それは叔母さんも同じであるようだ。
気丈に振る舞ってはいるが、やはり娘達が心配なのかやや気も漫ろと言った感じで、マルティナ達の話題が朝食の中心となった。
食後の片付けを終えミストリアとギルドへ赴く。薪割り場に直接行っても良いのだが、やはり食卓に全員揃っていなかったのが心に蟠り、挨拶がてら寄り道をすることにした。
朝のギルドは混む。
それは依頼書が掲示板に張り出される時間が決められていることに起因し、彼等はそれを今か今かと固唾を呑んで待ちわびているからだ。
これがもし時間無制限になった場合、より良い条件の仕事を求める冒険者は四六時中掲示板の前に陣取っていなければならず建設的でも効率的でもない。
依頼書が張り出された途端、殺意にも似た視線が交錯し現場は一時騒然とするが、これが一番平等で平和的な手段なのだとか。
冒険者達の罵声が飛び交う中、僕達は既にカウンターに控えているであろうポリアンナさんの元へと向かった。
しかし掲示板とは対に位置するカウンターに向かう僕の歩調に合わせるように、歩を進め近付いてくる1人の足音に気が付いた。
「アネット様 ですね?」
「は はい・・・」
その物腰と口調は品がありそして柔らかく、周囲の騒音の中でも不思議と僕の耳元に届き注意を引いた。
咄嗟に返事を返したがこの男性は何処と無くギルド関係者では無い気がし僕は一瞬言葉に詰まった。
「えぇと あなたは?」
「申し遅れました 私はカストラ商会でコンシェルジュを勤める マデランと申します
今日此方に伺いましたのは 主バードラット様よりアネット様宛に言伝てをお伝えする為 お待ちしていた次第にございます」
決して大きくはない彼の声であるが、僕と幾つか言葉を交わしている姿が周囲の注目を集めたのか、冒険者達の喧騒はゆっくりと下火になっていく。
きっといつものギルドに相応しくない存在として、依頼書が張り出される前から注目を浴びていたのだろう。
そんな人物が何をするのか、どうも僕達の会話に聞き耳を立てているような、そんな静かなざわめきへと変わっていった。
しかし。
一人の男性がそこまで注目を集めるものなのか? それともカストラの名が冒険者達を黙らせるのか。
それでも冒険者達がこぞって押し黙るなど普通ではない。多分彼が誰であるのかを皆知っていたからこその沈黙だろう。
僕はコンシェルジュと言われるものが何かは知らないが、きっと単純なお使いを頼まれるような使用人などではなく、冒険者達の視線を惹き付ける程の重要な人物、または役職なのだと直感した。
それにしても・・・僕の知るバードラットさんは無意に事を荒立てる性格ではないと思っているので、これも一種のパフォーマンスと見るべきか。
何の狙いがあるのかは分からないが、あまり気を許しすぎるのも問題だろう。だが契約相手なので話を聞かない訳にもいかない。う~ん・・・
「・・・分かりました お話を伺います」
「そう込み入った話では御座いません 折を見ての会食のお誘いにあがった次第です つきましてはアネット様のご都合の良い日時などお教え頂ければ幸いなのですが」
「予定・・・会食 ですか・・・ 日中は仕事がありますので 夕方以降なら此方は何時でも構いません」
「左様ですか 主人からは出来るだけ早い時期にと承っておりますので 差し支えなければ今夜辺り お時間をいただいても宜しいでしょうか」
「僕は構いませんが 正装とかの用意が・・・」
「いえ そこまで畏まった席ではないと伺っておりますので 普段通りの格好で構いませんよ」
「そうですか 分かりました ちなみに会食の場所は以前僕がお伺いした食事処で宜しいのでしょうか そこしか場所が分からないのですが・・・」
「はい そこで間違い御座いませんが・・・
そうですね お仕事が片付き次第ギルドに立ち寄って頂ければ 此方で馬車を手配致しておきますが」
「い いえ・・・ 流石にそこまでは・・ 何だか仰々しくなってしまうので 此方から直接伺う旨をバードラットさんにお伝えください」
「畏まりました それでは今宵 豊穣の息吹亭にてお待ちしております」
用件を終えた彼はその物腰に違わず軽やかな足取りでギルドを後にした。
やはり周囲の注目を集めていたのか、彼が出ていくとざわめきは次第に普段のギルドの様相まで押し上がっていった。
「おいおい カストラが態々ギルドに出向いて食事に誘ってきたぞ」
「あ? カストラ? 何だそりゃ」
「ははぁ~ さてはお前よそ者だな? カストラ商会ってのはこの町の大店の1つだ 町長との距離も近くて 実質的にはここのトップと言っても差し支えねぇ」
「なるほど 良くある贔屓とか子飼いってやつか あんなガキが?」
「お前は知らねぇだろうが 盲目で冒険者やってる アネットって ここらじゃちょっとは名の知れた子供だよ」
「盲目で!? マジかよ! 信じらんねぇ・・・ まぁ 見世物には丁度良いって感じか?」
「言いたいことは分かるが あんまちょっかい出さねぇ方が身のためだぜ? この町でカストラに目をつけられると 色々暮らしにくくなるからな」
成る程そう言うことか。
例の事件で他所から流れてきた冒険者から気を逸らす露払いの目的もあった訳か。
気を使ってくれるのは有り難いが、しかしこれでは逆に悪目立ちしてしまうのではないだろうか。周囲からの怪訝な視線を一斉に浴びて何だか居心地が悪い。
「アネット君! ちょっとこっち来て!」
この状況を見ていたのかカウンターから慌てた様子のポリアンナさんは徐に僕の手を掴むと、ギルドホールの間仕切りされている衝立裏まで引っ張っていった。
「気を付けてよ? 商人・・・特にバードラットさんは抜け目無いんだからね!? アネット君が良いように利用されないか心配だわ」
「は・・はい 確かに今のはちょっとお芝居めいていましたよね・・・ おそらくカストラ商会の名を 広く流入してきた冒険者に知らしめる・・・と言う狙いもあるのでしょうが」
「まぁ 分かっていて話に乗る分には何も言わないけど・・・ でも気を許し過ぎないでよね? 知らないうちに変な契約取り付けられないとも限らないんだから」
変な か・・・。
確かにラトリアが探している父の剣について、情報を彼のところで塞き止められてしまえば、僕は手綱をとられた馬車馬のように歩き続けるしかなくなる。
しかし僕が直に接した感じバードラットさんは阿漕な人物には見えないが、かたやカストラ商会を懸念する声も聞こえ、僕の意見との齟齬が見られる部分もある。
出会った人物の全てを心の色だけで計れる訳ではないので過信は禁物だが、如何なる物事にも真摯に向き合える人と、深く考えず流されるままに生きる人とではその信憑性は言うまでもない。
心を許す訳ではないがある程度胸襟を開かなければ良好な関係など築くことは出来ないと思う。
「分かりました ポリアンナさんの言う通り気を付けます」
この後マルティナ達と対面した後、昨日と変わらぬ時を過ごす。
夕刻、ギルドに立ち寄りソフィリアを連れてミストリアと共に帰宅した僕は、単身豊穣の息吹亭に向かうことにした。因みにマルティナはもう一日ギルドにお泊まりするそうだ。
「お待ちしておりました アネット様 今宵は主の趣向により 場所を変えての会食となりますので お手数ですが此方の馬車にお乗りいただけますか?」
「は はい・・・ 分かりました」
豊穣の息吹亭に到着して早々、今朝がた会話を交わした男性に馬車に乗るよう促された。
趣向と言っていたが食事をするだけならここで事足りる筈だが、綺羅びやかな場所に連れていかれたところで目が見えない僕にはあまり意味がないのだが。
ポリアンナさんに注意された矢先のこの展開に僕もちょっと不安になり、又もや言葉に詰まってしまった。
ここで行くか行かぬかを悩んでいても始まらないので、意を決して馬車のタラップに足を掛けると、移動時間と曲がり角を記憶に留め、目的地の場所の特定に努める。
しかし馬車はまだ町中とは言え、僕も行った事が無い曲がり角を曲がり直進すると、暫くして速度は落ちゆっくりと通りを進んでいった。
目的地に到着したのか馬車は止まり降車する。
まず印象的だったのは他では嗅いだことの無い独特の匂いが辺り一帯に漂っていること。
大通り程ではないにしろ、ここもそれなりの人の数が通りを占めていたが、目的地に向かって流れる人の川とは違い、淀んだ水溜まりと表現するのが的確な程、人の動きは緩やかな場所だ。
「此方で御座います お足元にお気をつけください」
建物の中に通されると表で嗅いだ匂いとはまた違う匂いが鼻孔をくすぐった。一言で言うなら上品な香りだろうか。それが屋内に篭っている。
階段を登り2階3階4階・・・と、思いの外広い建物に面食らった。会食と言う話だがこのお店は規模が少々大きいのでは?
何だか一介の、それも新人冒険者が立ち入って良い場所ではない気がする。これは心の準備が必要な案件になるのではないだろうか・・・緊張してきた。
「旦那様 アネット様をお連れしました」
静かな廊下を歩き、辿り着いた部屋の扉を案内人の男性が開けると、その部屋の中には2人の気配が確認できた。
音の反響から広さは言うに及ばず、特に天井が高めの造りになっているのが特徴的だ。
「ようこそアネット殿 急なお誘いに応じていただきありがとう御座います」
「いえ とんでも無いですバードラットさん」
「あら 今日のお客様は冒険者の方と伺っていたのだけど 随分と可愛い冒険者さんね」
室内に居た2人の内の1人はこの会食の主催者バードラットさん。そしてもう1人は声の調子から大人の女性で、その声色は何処か湿り気が帯びており絡み付く感じはどこか作り物っぽい気がする。
何と無く品定めされてるように思うが、僕を可愛いと言う反面全く心を開いていないことからも、バードラットさん同様仮面をつけているのではないだろうか。
「初めまして この町で冒険者をやってるアネットと言います」
「私はフォルマ この娼館で働いている娼婦よ あなたはこう言う店は初めて?」
「はい 僕の行動範囲は存外狭いので・・」
娼館・・・何となくそうなんだろうなとは思っていたが、どうやら僕は知らず歓楽街へと連れ込まれてしまったようだ。
と言うかこの歳で娼館に立ち入るのは当たり前なのだろうか?
「ささ 立ち話もなんだ アネット殿 さ 席について 食事にでも致しましょう」
案内人の男性はその役目を終えたのか静かに部屋を去っていた。代わってバードラットさんが僕を椅子まで誘うと丸みのある造りから丸テーブルだろうか、そこに次々と料理が運ばれてきた。
此方としてもいきなり話をふるのも何なので取り敢えず料理に舌鼓を打つ事にし、何故娼館に呼ばれたのか、これからどうなるか、流れに身を任せることにした。
前菜は魚と葉物のサラダで、魚の身には普段食べている塩よりやや荒い塩が使用されており、それがさっぱりしたドレッシングと良いアクセントを奏でている。
次は肉料理。
この肉も家で食べるものより溶ける感じで柔らかく、時間を掛けた丁寧な仕上がりが見て取れる。
肉単品の味もさることながらソースとの兼ね合いがまた絶妙で、口の中で溶け合う2つの味の調和は今までに無い感動を与えてくれた。
とは言え、このまま料理に舌鼓を打ってばかりでは話にならないので、折を見て切り出そうと思った矢先、チラチラと時折僕に意識を向けていたフォルマさんが話し掛けてきた。
「目が見えていないのに器用に食べるのね あなたと比べると 普通の人の方がお行儀が悪く見えるのはどうしてかしら」
「僕の場合は周りが整っていないと 何処に何があるのか分からなくなってしまうんです 食事も同じで丁寧に食べないと直ぐにぐちゃぐちゃになってしまうので 極力形を崩さないよう努めてるんですよ」
柔らかいものなどある程度原型が留めていないとお皿の上をツンツンしてカチカチ音を鳴らしてしまうことになり行儀も悪い。
しかしこれは作法と言うより、食事を美味しく食べられないと言う観点から意識していることなので、もはや癖と言い換えても差し支えない。
「それで・・・ 今日はどの様なご用件でしょう ただ話をするだけ にしては大袈裟なような・・・ 今朝のことも・・・」
「まぁ 悪気があってのことでは御座いませんので しかしこうでもしなければアネット殿は外から来た冒険者達に にらまれる可能性もありました」
「他から来た冒険者にですか? 今回あんな痛ましい出来事が起きて 特に冒険者に被害が出てしまいましたが 他所から流れてきた冒険者の方々は それを危惧しなければならない程いるのでしょうか」
「実際もっと多いと思いますね 皆が皆 新天地を目指して と言うより元々他で溢れていた者達が 商人や貴族の庇護を求めて流れてくる場合が多いのです
彼等の殆どは往々にして高みを目指すより 他人を蹴落とすことに躍起になりますから
失礼ながら 背も小さく見た目も伴わない かつ盲目であるアネット殿は 良い標的にされかねません
彼等は貪欲ですからね 一度でも獲物と思われたら最後 集団で貪り尽くしにくる 厄介な連中です」
「そこまでですか? 僕はこの町で産まれて冒険者になって・・・ 確かに怪訝な目で見られることはありますが 人の人生を踏みにじってまで叩かれたことはありません」
「ここの冒険者は比較的余裕がありますからね それも単にギルドの質の良さに比例します」
ハルメリーのギルドの内情を知っている訳ではないが、マルティナが訓練に明け暮れ逼迫している時には進んで手伝いを申し出る程、彼女にとっては良い居場所になっている。
加えてソフィリアの我が儘も寛容に受け入れてくれることからも、僕もここのギルドは信用に足ると思っている。
余所のギルドと比べたことがないので何とも言えないが、そう言った部分なのだろうか。
「それに 今回の出来事で動くのは冒険者だけではありません 商人も貴族も 自分達が囲っていた冒険者が居なくなった分 補充と言う意味で動向が激化する可能性があります
今回プルトン氏が亡くなられたことで バウゼン伯爵の周囲はごたつくでしょう 今後彼がどんな手を打ってくるのか 悪い意味で彼は横との繋がりが厚いですからね」
バウゼン伯爵。
プルトンさんの後ろ楯になっていた人物。プルトンさんの人となりもあって、彼に関係していると思うとどうにも良い印象を受けない。
「時に・・・・ プルトン氏は表向きモンスターに殺されたことになっておりますが 一部ギルド内で不審な死を遂げた・・・と言う噂も耳にしたのですが・・・
聞くところによるとアネット殿はプルトン氏と共に避難してきたとか」
まぁ・・うん。
タダで食事なんか誘われる訳は無いと思っていたけど、どうやらこれが本題だったようだ。この件に関して思い当たる節も無くはないけど、詳細を知っている訳では無いので返答に困る。
「確かに道中避難を共にしましたが モンスターの群れに囲まれ 恥ずかしながら気を失ってしまったのです
気付いたときにはギルドのベットの上に寝かされていて その後プルトンさんが亡くなったことを聞かされました
その死に不審な点があると その場に居合わせた騎士団長も真偽の程を訝しんで ギルド長ランドルフさんに詰め寄りましたが・・・
その場には怪我人も多く 事を荒立てるのは憚られるとのことで 一旦矛を納めた感じです・・・」
「成る程 騎士団長は疑っていると」
一見納得したかのようなバードラットさんだったが、フォルマさんに意識を向けたのか互いの心の色は同調して同じ色彩を示した。
どうやら他へと話題が移るらしい。
「それにしても・・・魔物さんですか よりにもよってそんなものがこのハルメリーにやって来ようとは」
「僕は現場でその魔物さんを連れた子供と対峙しましたが 正直あの子のことは計りかねます
目的のプルトンさんを失い 今後は何を思って生きていくのか 明日の行く道はその日の気分で変わるのか・・・」
「つまりプルトン氏とその子供は密接な関係があった・・・と言うことですな?」
「はい・・・ と言うより 会話の内容からプルトンさんがあの子を作り出した節があります
ランドルフさんも彼は 業が深い と言っていましたし まさかこんなことになるなんて」
「ふむ・・・ 詳細を聞き出したいところですが 本人はもういないのが悔やまれますねぇ」
作り出すと言う部分に反応を示したバードラットさんに僕は一抹の不安を覚えたが、それを遮るようにしてフォルマさんが会話に割って入った。
「まぁまぁ旦那 亡くなっている方の話より 生きてる私達の話をしましょうよ それに料理も冷めてしまうわ」
「それもそうですね とは言え申し訳ない 私はまだ仕事が滞っておりますので お先に失礼させていただきますよ
アネット様はどうぞ 最後までおくつろぎ下さい」
バードラットさんは簡潔にそう言い残して、そそくさと部屋を出ていってしまった。
取り残された僕はまだテーブルに残っている料理を啄み、早々にお暇しようと思った矢先、席を立ったフォルマさんは僕のすぐ側まで来ると耳元で優しく囁き掛けてきた。
「それじゃ 部屋を変えましょうか・・」
自分の体を僕に絡ませ別室に誘おうとする彼女の行動に困惑しつつ、僕は持っていたフォークをテーブルに置くと、言われるがままに部屋を後にした。




