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魔王が唱える機械必要論  作者: ◆smf.0Bn91U
春の出来事
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再戦する天才

 ちょっと前半二話が長くなりすぎたので、この話はかなり短くなってます……すいません。

「ちょ、ちょっとお待ち下さい!」


 声を上げてきたのは、今日の授業を最初に終えたメイジだった。


「それでは、わたくしが彼女に劣るということですか?

 納得いきませんわ!」

「だが、魔力移動の面だけを見れば、確かにその通りだ。

 お前は俺に攻撃を当てるという、難易度の高いことも同時にやっているだろう?

 多分だが、ミミーシアと同じようなやり方ならとっくに合格していただろうさ」

「なっ……! そ、それなら一言、お教えして下さっても……!」

「言ったところで辞めなかっただろ? お前は俺に攻撃を当てることに固執していたようだからな。

 大方、言われたところで俺が逃げと受け止め、そのまま続けていたんじゃないか?」


 高笑いを浮かべながら自慢げに、「気遣いは無用ですわ。もしかしてわたくしに当てられるのが怖いんですの?」とか言っている姿が目に浮かぶ。


「それに俺は休憩前に頼まれた時も含めて、毎回確認している。

 少しでも自分の実力を知る意味でも、一度ぐらいは試しておくべきだったな。

 だがまあ、それを確認するのは次の授業だ。

 今は次、ケーンド、お前の番だ」


 メガネを掛けた大人しそうな男子生徒を呼びつけ、それでもってメイジとの会話を打ち切る。




「違うっしょ。次の順番はあたしじゃん」




 それに挟み込まれる言葉。

 その声には思わず、さらなる反論を試みようとしていたメイジですら、次を紡げず声の主に顔を向けた。


「ほう。何故次はお前だと思うんだ? パラット」


 仕切られたエリアの出入口。

 そこにはいつの間にやってきたのか。

 レイス・パラットが相変わらずな大きな胸元を露出した服装で、そこに立っていた。


「後半の授業で呼びつける順番って、アンタが優秀だと思ってる順番っしょ?

 となったら、今のあたしの成績から考えて、四番目ぐらいじゃない?」

「さすがだな。その予想は当たっている」


 レイスの予想にざわめきが広がり、続いたドールの認めるような言葉で、ざわめきがその場を満たした。


「だが、今まで授業の終わり際に来て、俺を一度だけ相手にして帰っていた奴が、そこまで分かるとは思えんが?」

「そりゃそうっしょ。それだけで分かるわけないって。

 だってあたし、全部見てたんだから」

「だろうな。でなければ今日、今このタイミングで、お前は俺に挑んでは来なかっただろ」


 ドールも私と同様、気付いている。


 今日のレイスが、少しだけ違うということを。


 ただ授業を受ける順番を早めただけじゃない。

 いつもの探るような雰囲気とは違う、勝つ気しかしていないメイジのような、自信に満ちた雰囲気が、そこにはあった。


 ……そろそろだろうとは思っていたが、今日か。


 ちょうど、ウリシャが認められたタイミング。

 いや……もしかしたらずっと、この時を待っていたのかもしれない。


 なんせ二人はずっと、お互いを相手にして、訓練をしていたのだから。

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