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狼人の侯爵

突然、声が響いた。

「そこまでだ、シャラザード公爵!こいつがどうなっても良いのか!」

エリックが、声のする方を見る。

そこには鎖で縛られたギリスが居た。

意識は無いようだ。

その横に、勝ち誇ったような、狼人の女性。

「なかなか卑怯な手を使うな。魔族の誇りは無いようだ。それで侯爵とは呆れるな。」

エリックが言い放つ。

「うるさい!勝てば何でも良いのだよ!歴史が証明しているだろう!」

「確かにな、じゃあ、その策が効果有ると思った、お前の無能さを、思い知るが良い!」

エリックはそう言うと、その場から、大量の魔力が溢れ出す。

慌てた狼人の女は、すぐにギリスを楯ように、己の体の前に押し出す。

しかし、その時、エリックの姿は無かった。

キョロキョロと辺りを見回しても、エリックの姿が見つからない。

焦りから、ギリスの体を、抱き抱え、とっさにその場から逃げ出す。その時、上空より無数の氷の刃が、先ほど居た場所に降り注いだ。

「危なかった!あとコンマ1秒でも遅ければ、ヤられていた。」

ギリギリで回避出来たのは幸運であっただろう。



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