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「君を求う きみをこう」  作者: 旭 諭


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40/47

40.第37章

 岡さんの下に付けと課長より、

指示があった。急な指示だ。

正直あの人は苦手だ。何を考えているか、分からない。

下に付くと二人で過ごす時間、嫌でも多くなる。憂鬱だ。


今日、下に付いて初めて、事件の捜査にあたる。

なんでも、ストーカー事件の被害者らしい。

自宅を監視されていたとか。

すでに容疑者の自宅、他は、

捜索済で、証拠品なども押収が終わっているらしい。


容疑者との唯一の生きた接点をもつ人物らしい女性と聞かされている。


行きの車の中では、岡さんは一言も発しなかった。

僕の教育係のだった人と大違いだ。警察は色々な人種がいる。改めて思い知らされる。


ドアベルを鳴らした。

参考資料には「40歳 女性 鈴木 幸子」とある。

離婚歴1、小学4年生 女児ひとりと、

二人暮らし。

正直おばさんを想像してた。

僕の母親と、そんなに歳が変わらない。そんな女性を付け回したするのかな?

半信半疑だった。なにか、お金が目的とかあるんじゃないだろうか?


ドアが開くまで、間があったので、そんな事を思ってた。


「今、開けますね。お待たせしました」女性の声がした。想像してたより若い甘い声だ。


まったく思ってのと違っていた。

棒たちの僕を岡さんが肩を小突いて、

「警察の者です。急な訪問、お忙しい中、時間を、ありがとうございます」

と話を切り出した。

警察手帳を開いて見せた。僕も慌てて見せた。

「こちらこそ、お忙しいところ、

ありがとございます。どうぞ、お上がり下さい」


リビングに通された。さっぱりした、

片付いた部屋だった。棚に家族の写真がある。

3人で写った写真だ。別れる前の写真だろうか?


カーテンは閉まっていた。

2階の角部屋なら、開けておいたら気持ちいいのに。

この事件のせいだろうか?


テーブルに麦茶が並べられた。

所作が、細い指先が綺麗。

ちょっと淫靡な動きだった。


岡さんが淡々と冷徹に説明しているのを聞いていた。

もっと優しく話してあげればいいのに。

僕は思っていた。女性の表情は終始、緊張の為か、

曇っていた。

岡さんの丁寧だが、

口調が責めているようにも聞こえる。

冗談らしき事を言ったが、

余計に表情を強ばらせていた。

僕はこのおっさんと、頭の中で腹を立てた。

一通り説明が終わって帰るのかと思ったら、

岡さんが僕に耳打ちをしてきた。


女性に部屋の中を調べさせて欲しいと、

願い出ていた。

「何言ってだ。この人は。

何も公的な文書も無いのに。

もし女性が訴えるような事があれば、

大変な事になるのに」


女性が承諾していた。

そうさせたようにも聞こえる。


指示通りに、浴室とリビングの棚を調べる事にした。


リビングの棚に目をやったとき、最初に見た家族写真が目に入った。


女性に「浴室いいですか?」と聞いてみた。

そもそも駄目だと言われたらどうしよう。。

聞いてから後悔したけど、あっさり

「はい。大丈夫です」と、言ってくれた。

女性と目があった。本当に若く見える。

ちょっと上のお姉さんって感じだ。

一人っ子だけど、姉がいたら、こんな感じだろうか?

すれ違うときに、少し汗の匂いがした。

悪くない気がする。アリな気がする。


結局、合計4個も、盗聴器の類のものが出てきた。

それほど広く部屋に、

容疑者の歪んだ感情が読み取れるようだ。


女性がずっと暗い表情だったので、

僕はできるだけ、元気に励ますように、お礼を伝えた。

また、女性と目があった。

なんか、意識してしまった。本当にアリかもしれない。


署に戻る、車の中で岡さんが、

「いい女だったな。お前もそう思うだろう?」

僕は当たり障りなく、答えた。

「そうだな。。。」この冷たい声の刑事は何を考えてるのだろか?


僕はあの女性の事が、気になった。調書は読んだけど。。

それ以上の事が、気になった。容疑者の部屋からは、

女性の写真が多数、発見されていたそうだ。

よくドラマとか映画でみる、あれだ。壁一面に張ったりする。あれ。

中には、容疑者のものと思われる、DNAの付着した後もあったようだ。

今なら、容疑者の気持ちがわかる。。。


僕は女性の写真をあの部屋から、こっそり持ち出していた。

棚に置かれた、家族写真。なんでこんな事したか、分からないけど。

手に取ってしまった。ジャケットにポケットに入れてしまった。

入れた瞬間、満たされた。


早く自宅に帰りたかった。そして、シタかった。


邪気は、沈黙に変えて、車内支配していた。


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